事業内容
株式会社フジミインコーポレーテッドは1950年創業の研磨材専業メーカーで、シリコンウェハー向けポリシング材・ラッピング材、半導体デバイス製造工程で用いるCMP(化学的機械的平坦化)製品を主力とする。半導体基板向け超精密研磨材では世界ナンバーワンのマーケットシェアを維持しており、日本・米国・台湾・マレーシア・欧州に製造・販売拠点を展開するグローバル体制を構築している。
主要顧客はTSMC(売上高の17.4%)や長瀬産業(同25.0%)を含むシリコンウェハーメーカー・半導体デバイスメーカーであり、AI向け先端半導体需要の拡大を背景に2026年3月期の売上高・営業利益・経常利益は過去最高を更新した。
ビジネスモデル
フジミインコーポレーテッドは「ろ過・分級・精製技術」「パウダー技術」「ケミカル技術」の3つのコア技術を基盤に、顧客の製造・開発拠点に近接した日本・米国・台湾・マレーシアの製造拠点で製品を生産し、半導体製造プロセスに不可欠な消耗材として継続的に販売する。研究開発費は年間5,835百万円(2026年3月期)を投じ、顧客ロードマップに沿った新製品を先行開発することで高い参入障壁と顧客ロイヤルティを維持している。
企業の強み
シリコンウェハー向け超精密研磨材において世界ナンバーワンのマーケットシェアを長年維持している。2026年3月期のシリコンウェハー向けポリシング材売上高は13,384百万円(前期比5.4%増)、ラッピング材は7,590百万円に達し、主要顧客からの継続的な採用実績が競合他社の模倣を困難にしている。
日本・米国・台湾・マレーシアに製造・開発拠点を設け、顧客の生産拠点に近接した供給体制を構築している。2026年3月期の研究開発費は5,835百万円(日本4,271百万円、北米1,038百万円、アジア525百万円)で、顧客ロードマップに沿った新製品開発を継続的に実施し、TSMC等主要顧客との深い信頼関係を形成している。
「ろ過・分級・精製技術」「パウダー技術」「ケミカル技術」の3つのコア技術を創業以来蓄積しており、砥粒の粒度分布制御・粒子形状制御・添加剤設計等の高度な技術は短期間での模倣が困難である。2026年3月期のCMP製品売上高は36,135百万円(前期比17.9%増)と高成長を維持しており、技術優位性が業績に直結している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2024年3月期の51,423百万円を底に2期連続で増収が続き、2026年3月期は69,404百万円(前期比11.0%増)と過去最高水準を更新した。営業利益13,826百万円(前期比17.4%増)・売上高営業利益率19.9%(前期18.8%)と収益性も改善。
ただし名古屋国税局の税務調査指摘による過年度法人税等1,215百万円の計上により、親会社株主帰属当期純利益は9,059百万円(前期比3.9%減)と3期ぶりの減益。外部要因としてAI向け先端半導体需要が業績を牽引する一方、大規模設備投資(有形固定資産取得21,263百万円)に伴う減価償却費増加が2027年3月期以降の利益率に影響する見通し。
2027年3月期は売上高74,800百万円・営業利益14,500百万円・純利益10,400百万円を予想。
成長戦略
研磨材メーカーからパウダー&サーフェスカンパニーへの進化と半導体関連事業の基盤強化
AI向け先端ロジック・先端メモリ需要の拡大を取り込むべく、2026年3月期に有形固定資産取得21,263百万円(うち日本セグメント22,746百万円)の大規模設備投資を実行。建物及び構築物(純額)が前期比約3.9倍に拡大し、供給体制を大幅に強化した。
台湾・マレーシア拠点を活用し、TSMC等の先端ロジック顧客向けCMP製品の販売を拡大。2026年3月期のアジアセグメント売上高は19,599百万円(前期比17.0%増)、セグメント利益5,252百万円(前期比11.6%増)と高成長を継続。将来需要に備えた人員増強・経費投資も実施中。
前期に子会社化した南興セラミックス株式会社の販売が加わり、一般工業用研磨材の売上高は6,426百万円(前期比18.7%増)に拡大。半導体以外の用途への展開により収益源の多様化を図る。
現中長期経営計画期間(2024年3月期~2029年3月期)において「配当維持または増配を行う累進配当」を基本方針に追加。2026年3月期年間配当75円(配当性向61.4%)、2027年3月期予想77円と増配を継続。連結配当性向55%以上を目標とし、投資と株主還元の両立を図る。
最終更新: 2026年7月19日

