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日本インシュレーション株式会社

5368東証スタンダードガラス・土石製品

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日本インシュレーション株式会社5368

事業内容

日本インシュレーション株式会社は1914年創業の老舗素材・工事会社。1966年に世界初となる1000℃耐熱のゾノトライト系けい酸カルシウム材の製造技術を開発し、耐火・断熱分野に進出した。

現在は建築関連(鉄骨耐火被覆材・不燃内装建材・耐火被覆工事)とプラント関連(石油・化学・鉄鋼プラント向け保温材・保温工事)の2セグメントを展開。国内2工場(岐阜・北勢)に加え、ベトナム子会社JICベトナムがもみ殻バイオマスを活用したけい酸カルシウム保温材を製造し東南アジア・東アジアへ供給する。

主要顧客は建設会社・プラントオーナー(電力・石油・化学・鉄鋼各社)で、製品販売から施工請負まで一貫して手掛ける。

ビジネスモデル

製品販売と完成工事(施工請負)を組み合わせた垂直統合モデルが収益の柱。2026年3月期の売上高14,394百万円のうち、プラント関連9,279百万円・建築関連5,115百万円を計上。

工事部門は進捗度に応じた収益認識(インプット法)を採用し、受注残高が収益の可視性を高める。自社製品を自社施工することで品質管理を一元化し、顧客の改善要望を製品設計に迅速に反映できる体制を維持している。

企業の強み

1966年に世界初となる1000℃耐熱ゾノトライト系けい酸カルシウム材の製造技術を開発。以来、建築基準法に基づく耐火認定ライセンスを継続取得し、競合が短期間で模倣困難な技術・認定の蓄積を持つ。2026年3月期も新規耐火ライセンス取得や新規耐火板開発を継続しており、技術的参入障壁を維持している。

自社でけい酸カルシウム材を製造し、設計・施工・品質管理まで一貫して担う体制を構築。施工管理は自社社員が責任を持ち、契約不適合責任期間内の不具合は全て自社負担で修復する。この体制により顧客の改善要望を製品設計に円滑に反映でき、品質と顧客信頼の両立を実現している。

2014年設立・2016年稼働のJICベトナムは、もみ殻を燃料・原料に利用したバイオマス型けい酸カルシウム保温材「ダイパライト-E」を製造し、東南アジア・東アジア向けに供給。国内工場とは異なる原燃料構造を持ち、環境対応と海外需要取込みを同時に実現する独自の生産拠点として機能している。

エンヴァリスの着眼点

2026年3月期の売上高は14,394百万円(前期比+17.8%)、営業利益は1,612百万円(同+56.9%)、親会社株主帰属当期純利益は1,178百万円(同+51.7%)と全指標で大幅増。前期(2025年3月期)に過去5期最低水準まで落ち込んだ営業利益が、建築・プラント両セグメントの工事受注増加と売上総利益の拡大により急回復した。

営業利益率は8.4%→11.2%へ改善し、ROEも5.7%→8.3%へ上昇した。

会社側の2027年3月期通期予想は売上高13,050百万円(前期比▲9.3%)、営業利益1,125百万円(同▲30.2%)、当期純利益734百万円(同▲37.7%)と急激な悪化を見込む。米国通商政策の混乱・中東情勢悪化によるエネルギー価格上昇・需要家の投資計画延期・中止の増加が主因として挙げられており、外部環境の不確実性が高い。

第2四半期累計予想(売上高5,811百万円、営業利益281百万円)は前年同期比で大幅な落ち込みを示しており、下期への回復依存度が高い構造となっている。

2026年3月期の売上高14,394百万円はピーク年(2022年3月期14,119百万円)を上回り、ROE8.3%は目標の8%を達成した。しかし2027年3月期予想では再び目標を大きく下回る見通しであり、中期計画の最終年度目標への到達は不透明。

人件費上昇(ベースアップ継続)・資材価格高騰・環境事業の試験設備導入に伴う販管費増加が収益圧迫要因として継続しており、アスベスト健康被害補償引当金(固定負債115百万円)も残存する。

成長戦略

環境・防災・海外の3軸で既存事業を拡充しつつ第三の事業柱(環境改善)を構築

主力の耐火被覆材に加え、内装仕上材・炭素繊維強化プラスチック向け型材等の周辺領域製品の拡販を推進。工事部門では顧客ニーズに対応した施工方法や認定拡充により需要を掘り起こす。2026年3月期は大型案件受注増加により売上高5,115百万円・セグメント利益1,098百万円を達成。

顧客のカーボンニュートラル化対応(SAF・アンモニア燃料・ケミカルリサイクル等)に伴う保温材・保温工事需要の拡大を中長期的に取り込む。短期的には需要不足を埋める案件受注・周辺領域開拓・価格転嫁の実施で収益を確保する方針。

2026年3月期は売上高9,279百万円・セグメント利益1,668百万円と堅調。

建築・プラントに次ぐ「環境改善に貢献する第三の事業の柱」の構築を目指し、研究開発を推進。2026年3月期には環境事業の試験設備導入に伴う販管費増加が発生しており、投資フェーズにある。具体的な事業化時期・規模は現時点で開示されていない。

DX推進による労働生産性向上、働き方改革等による人的資本の充実、老朽設備の移設更新による設備生産性向上、JICベトナムを通じた海外事業の安定的拡大、内部統制水準の向上を並行推進。ベースアップの継続実施を予定しており、人件費上昇は当面の収益圧迫要因として継続する見込み。

最終更新: 2026年7月19日