事業内容
東洋炭素は1947年創業のカーボン専業メーカーで、1974年に世界に先駆けて等方性黒鉛材料の量産化を実現した。主力製品は特殊黒鉛製品(単結晶シリコン製造用・化合物半導体製造用等)、一般カーボン製品(機械用・電気用)、複合材その他製品(SiCコーティング黒鉛・C/Cコンポジット等)の3カテゴリー。
素材製造拠点を国内に集約し、米国・欧州・アジアの海外拠点に供給する一貫生産・直販体制を構築。連結子会社12社を含むグループで、半導体・冶金・自動車・原子力・宇宙航空・医療等の幅広い産業に製品を供給する。
2025期売上高は46,189百万円。
ビジネスモデル
素材(等方性黒鉛材料)の製造を国内詫間事業所等に集約し、米国・欧州・アジアの現地加工・販売子会社に半製品を供給する垂直統合型モデルを採用。現地直販体制により顧客ニーズを迅速に製品開発へ反映できる。
研究開発費1,239百万円(2025期)を投じた高付加価値製品の継続開発と、設備投資9,812百万円による生産能力増強が収益基盤を支える。
企業の強み
1974年に国内外企業に先駆けて等方性黒鉛材料の量産化・大型化を実現し、現在も世界最大の生産能力を有する。静水圧成形法による独自製造技術を確立しており、300mmウエハー対応の単結晶シリコン製造用炉内部品等、高純度・高精度製品の安定供給を可能にしている。
国内素材製造拠点から米国・欧州・アジアの加工・販売拠点への一貫供給体制を構築。直販体制により顧客ニーズを迅速に製品開発へ反映できる。2025期においても日本・米国・欧州・アジアの4セグメントで合計売上高46,189百万円を計上し、グローバルな販売網を維持している。
米国X Energy, LLC向け高温ガス炉用黒鉛製品の受注2,422百万円を獲得し、米国セグメントの受注残高が前期比133.4%増に急増。NEDO採択プロジェクト(黒鉛材料の非化石原料化研究)や多孔質炭素CNovel®の燃料電池触媒担体採用決定等、先端エネルギー分野での実績が積み上がっている。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2021期37,734百万円から2024期53,093百万円まで4期連続増収を達成したが、2025期は半導体市況悪化により46,189百万円(前期比13.0%減)に急落。営業利益も2024期12,238百万円から2025期6,759百万円へ半減した。
2026年12月期第1四半期は売上高10,576百万円(前年同期比7.8%減)、営業利益634百万円(同70.3%減)とさらに悪化。外部要因として、SiC半導体・シリコン半導体向けの在庫調整継続が主因であり、複合材その他製品(主要3製品)が前年同期比23.2%減と特に落ち込んだ。
一方、一般産業分野(冶金用・機械用カーボン等)は底堅く推移しており、下支えとして機能している。通期予想(売上高49,000百万円・営業利益6,200百万円)は据え置きだが、第1四半期の低進捗率から達成ハードルは高い。
成長戦略
2030年Vision(売上高740億円・営業利益180億円)に向け高付加価値製品拡大と海外展開を加速
生成AI普及・データセンター増加を背景としたシリコン半導体用途の回復を見込み、SiCコーティング黒鉛・C/Cコンポジット等の複合材製品の拡販を図る。2026年1Q時点ではSiC半導体向けが大幅減少中であり、市況回復が業績反転の鍵となる。
X Energy, LLC向け高温ガス炉用黒鉛製品の受注を獲得し、2026年3月末時点の特殊黒鉛製品受注残高は7,138百万円に積み上がっている。次世代原子力分野での実績を足掛かりに先端エネルギー向け売上貢献を中長期的に拡大する。
2025年7月設立の上海東洋カーボン貿易有限公司によりアジア地域の販売機能を強化。中国・台湾・韓国向けの冶金用・半導体用製品の拡販を図るとともに、カーボンブラシ事業の生産体制最適化による収益構造改善を推進する。
2026年3月末の建設仮勘定は7,595百万円(前期末6,435百万円から1,160百万円増)と積み上がっており、将来の生産能力増強に向けた投資が継続中。有形固定資産合計も49,420百万円と増加しており、2030年Vision達成に向けた先行投資フェーズにある。
最終更新: 2026年7月17日

