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東洋炭素株式会社

5310東証プライムガラス・土石製品

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東洋炭素株式会社5310

事業内容

東洋炭素は1947年創業のカーボン専業メーカーで、1974年に世界に先駆けて等方性黒鉛材料の量産化を実現した。主力製品は特殊黒鉛製品(単結晶シリコン製造用・化合物半導体製造用等)、一般カーボン製品(機械用・電気用)、複合材その他製品(SiCコーティング黒鉛・C/Cコンポジット等)の3カテゴリー。

素材製造拠点を国内に集約し、米国・欧州・アジアの海外拠点に供給する一貫生産・直販体制を構築。連結子会社12社を含むグループで、半導体・冶金・自動車・原子力・宇宙航空・医療等の幅広い産業に製品を供給する。

2025期売上高は46,189百万円。

ビジネスモデル

素材(等方性黒鉛材料)の製造を国内詫間事業所等に集約し、米国・欧州・アジアの現地加工・販売子会社に半製品を供給する垂直統合型モデルを採用。現地直販体制により顧客ニーズを迅速に製品開発へ反映できる。

研究開発費1,239百万円(2025期)を投じた高付加価値製品の継続開発と、設備投資9,812百万円による生産能力増強が収益基盤を支える。

企業の強み

1974年に国内外企業に先駆けて等方性黒鉛材料の量産化・大型化を実現し、現在も世界最大の生産能力を有する。静水圧成形法による独自製造技術を確立しており、300mmウエハー対応の単結晶シリコン製造用炉内部品等、高純度・高精度製品の安定供給を可能にしている。

国内素材製造拠点から米国・欧州・アジアの加工・販売拠点への一貫供給体制を構築。直販体制により顧客ニーズを迅速に製品開発へ反映できる。2025期においても日本・米国・欧州・アジアの4セグメントで合計売上高46,189百万円を計上し、グローバルな販売網を維持している。

米国X Energy, LLC向け高温ガス炉用黒鉛製品の受注2,422百万円を獲得し、米国セグメントの受注残高が前期比133.4%増に急増。NEDO採択プロジェクト(黒鉛材料の非化石原料化研究)や多孔質炭素CNovel®の燃料電池触媒担体採用決定等、先端エネルギー分野での実績が積み上がっている。

エンヴァリスの着眼点

2026年12月期第1四半期の営業利益は634百万円(前年同期比70.3%減)と急落。売上原価率が前年同期の61.7%から73.8%へ悪化しており、半導体用途(SiC半導体・シリコン半導体向け)の在庫調整継続が収益を直撃している。

外部要因として半導体市況の回復時期が業績の最大の変数であり、通期予想(営業利益6,200百万円)達成には残り3四半期での大幅な改善が不可欠。

2026年12月期通期の営業利益予想6,200百万円に対し、第1四半期実績は634百万円で進捗率は約10.2%。第2四半期累計予想2,600百万円に対しても第1四半期単独で634百万円にとどまり、第2四半期単独で1,966百万円の利益が必要な計算となる。

中東情勢緊迫化による燃料価格上昇リスクも製造コストへの影響が懸念されるとして業績予想に未織り込みであり、下方修正リスクを内包している。

2026年3月末の前受金残高は4,600百万円(前期末比2,450百万円増)と急増しており、大型案件の先行受注が進んでいることを示す。また特殊黒鉛製品の受注残高は7,138百万円(前期末6,507百万円から増加)と積み上がっており、X Energy向け高温ガス炉用黒鉛を含む中長期的な売上貢献が期待される。

短期の収益悪化と中長期の受注積み上がりが並走する局面であり、投資家は時間軸を意識した評価が求められる。

成長戦略

2030年Vision(売上高740億円・営業利益180億円)に向け高付加価値製品拡大と海外展開を加速

生成AI普及・データセンター増加を背景としたシリコン半導体用途の回復を見込み、SiCコーティング黒鉛・C/Cコンポジット等の複合材製品の拡販を図る。2026年1Q時点ではSiC半導体向けが大幅減少中であり、市況回復が業績反転の鍵となる。

X Energy, LLC向け高温ガス炉用黒鉛製品の受注を獲得し、2026年3月末時点の特殊黒鉛製品受注残高は7,138百万円に積み上がっている。次世代原子力分野での実績を足掛かりに先端エネルギー向け売上貢献を中長期的に拡大する。

2025年7月設立の上海東洋カーボン貿易有限公司によりアジア地域の販売機能を強化。中国・台湾・韓国向けの冶金用・半導体用製品の拡販を図るとともに、カーボンブラシ事業の生産体制最適化による収益構造改善を推進する。

2026年3月末の建設仮勘定は7,595百万円(前期末6,435百万円から1,160百万円増)と積み上がっており、将来の生産能力増強に向けた投資が継続中。有形固定資産合計も49,420百万円と増加しており、2030年Vision達成に向けた先行投資フェーズにある。

最終更新: 2026年7月17日