事業内容
日本カーボンは1915年創業の炭素工業パイオニアで、東証プライム上場。連結子会社9社・関連会社2社を擁し、炭素製品(売上高の約86%)・炭化けい素製品・産業機械等の3セグメントを展開する。
炭素製品では人造黒鉛電極・ファインカーボン・リチウムイオン電池用負極材等を製造・販売し、国内外の製鋼・半導体・電池産業を主要顧客とする。炭化けい素製品では子会社NGSアドバンストファイバーが航空産業向け炭化けい素連続繊維(ニカロン・ハイニカロン)を製造・販売し、グループ内唯一の製造拠点として高い競争優位を持つ。
欧州・米国・中国・台湾に販売子会社を持ち、グローバルな販売網を構築している。
ビジネスモデル
当社グループは原材料調達から素材製造・加工・販売までを一貫して手掛ける垂直統合型モデルを採用する。炭素製品は当社および日本テクノカーボン等が素材製造・加工を担い、欧米・アジアの販売子会社を通じてグローバルに販売する。
炭化けい素製品はNGSアドバンストファイバーが一貫製造・販売を担う。主力製品の大部分は見込生産方式で安定的な生産体制を維持しつつ、研究開発費669百万円を投じて新製品開発・既存製品改良を継続し、技術優位性を収益源泉としている。
企業の強み
NGSアドバンストファイバーはグループ内唯一の炭化けい素連続繊維製造拠点であり、航空産業向け需要を最大生産能力で取り込んだ結果、2025期に売上高4,128百万円(前期比52.9%増)・営業利益1,479百万円(同72.9%増)・営業利益率35.7%を達成した。
1927年に国内初の人造黒鉛電極製造、1962年に炭素繊維工業化、1983年に炭化けい素連続繊維製造技術確立、1994年にリチウムイオン電池用負極材販売開始など、各時代の先端素材を事業化してきた技術蓄積を持つ。デミング賞実施賞(1985年)受賞の品質管理実績も有する。
2025期末の純資産合計は63,607百万円、資産合計85,607百万円に対し負債合計22,000百万円と財務健全性が高い。営業キャッシュ・フローは6,319百万円(2025期)と安定的に創出しており、現金及び現金同等物残高は15,035百万円に達する。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2021期31,578百万円から2023期37,867百万円まで拡大後、2024期・2025期は横ばい推移(37,956百万円・37,735百万円)。2026年12月期は通期予想41,000百万円(前期比8.7%増)と増収加速が見込まれ、第1四半期も8,857百万円(前年同四半期比11.3%増)と好調。
一方、営業利益は2023期6,573百万円をピークに低下が続き、2025期4,809百万円、2026年通期予想4,300百万円(同10.6%減)とさらなる低下が見込まれる。第1四半期の営業利益率は11.9%(前年同四半期16.2%)と悪化。
半導体向け製造設備増強投資に伴う減価償却費増加・休止設備関連費用の発生が主因であり、外部要因として米国通商政策や中東情勢に伴う原材料・エネルギー価格の不透明感も収益性を下押ししている。
成長戦略
「GO BEYOND 2030」のもと収益性向上・サステナビリティ・株主還元の三本柱を推進
半導体関連市場の需要拡大を見据えたファインカーボン製造設備の増強投資を実施中。短期的には減価償却費増加・休止設備関連費用が利益を圧迫しているが、稼働率向上により中長期的な収益性改善を目指す。電極材では国内外需要の取り込みによる販売量増加を継続。
航空機エンジン用途を中心とした炭化けい素連続繊維の堅調需要に対応し、高水準での生産を継続。2026年第1四半期も売上高1,113百万円・営業利益率37.3%と高収益を維持しており、人材確保・安全操業を通じた安定供給体制の強化を推進中。
2026年12月期の年間配当予想は200円(第2四半期末100円・期末100円)と2025年12月期実績と同水準を維持。自己株式取得も実施しており(第1四半期に148百万円・318百株取得)、株主還元姿勢を継続している。
中期経営方針「GO BEYOND 2030」の重点課題の一つとして位置づけ。具体的な数値目標・施策の詳細は決算短信には記載なし。取締役に対する業績連動型株式報酬制度(BBT)を導入し、経営陣の中長期的な企業価値向上へのインセンティブを整備している。
最終更新: 2026年7月17日

