事業内容
ヤマウホールディングス株式会社は、福岡市に本社を置く持株会社で、連結子会社8社を擁する。主力のコンクリート製品製造・販売事業(土木・景観・レジンコンクリート製品)を中核に、水門・堰の製造施工保守、地質調査・コンサルタント・土木工事、橋梁用伸縮装置の製造販売、コンクリート構造物の点検・補修、情報機器販売保守、不動産賃貸の7セグメントを展開する。
主要顧客は国・地方自治体等の公共発注者であり、九州を主要市場として防災・減災・老朽化インフラ更新需要を取り込む社会インフラ総合ソリューション企業である。2021年4月に持株会社体制へ移行し、グループガバナンス強化と事業多角化を推進している。
ビジネスモデル
コンクリート製品の見込み生産・販売を基盤とし、水門・橋梁伸縮装置等の受注生産・施工、さらに点検・補修・保守というアフターサービスまでを一貫して提供する。公共投資を主要需要源とし、製品販売の単発収益に加え、保守・点検・補修工事によるストック型収益を積み上げる構造を持つ。
不動産賃貸事業はグループ内部賃貸を含む安定収益源として機能する。
企業の強み
2026年3月期のコンクリート製品製造・販売事業の営業利益率は21.4%(前期比1.5ポイント改善)。資材・原材料・物流費の販売価格への転嫁推進と製造原価・一般管理費の削減努力により、売上高が前期比3.6%減少する中でもセグメント利益は前期比3.3%増の2,600百万円を確保した。
コンクリート製品・水門・地質調査・橋梁伸縮装置・点検補修・情報機器・不動産の7セグメントを保有。2026年3月期に橋梁伸縮装置セグメントが営業損失を計上した局面でも、地質調査セグメントが営業利益前期比102.0%増、点検補修セグメントが同92.9%増を達成し、グループ全体の営業利益を3,544百万円に維持した。
2026年3月期末時点で現金及び現金同等物4,888百万円を保有する一方、有利子負債残高は3,261百万円にとどまり、ネットキャッシュポジションを維持。純資産は前期比11.5%増の13,791百万円に拡大しており、M&Aや設備投資への対応余力を有する。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
過去5期の売上高は2022年3月期19,504百万円→2023年3月期18,510百万円→2024年3月期19,745百万円→2025年3月期22,838百万円(過去最高)→2026年3月期21,244百万円と推移。2026年3月期は橋梁伸縮装置事業の大口特需終了と大阪・関西万博の影響による受注減が主因で売上が前期比7.0%減少した。
一方、営業利益は3,544百万円(前期比0.6%減)と底堅く、売上高営業利益率は16.7%(前期15.6%)へ改善。資材・原材料費高騰という外部要因に対し、販売価格転嫁と原価低減で吸収した。
営業CFは1,611百万円(前期2,195百万円)と減少したが、仕入債務の大幅減少(1,542百万円)が主因であり、実態的な収益力は維持されている。
成長戦略
長期VISION2035の1st Stageとして構造改革と既存事業深耕・新収益創出を推進
「変革と創造への挑戦」期と位置付け、グループの構造改革と成長戦略に取り組む。既存事業領域の底固めと新たな収益の柱創出へ向けた種蒔きと体制づくりを推進し、2027年3月期に売上高22,200百万円・純利益2,250百万円を目標とする。
高騰する資材・原材料・物流費の販売価格への転嫁を継続的に推進。2026年3月期はコンクリート製品事業で売上減にもかかわらずセグメント利益が前期比3.3%増を達成し、グループ全体の営業利益率も前期比1.1ポイント改善した。
大口特需終了と大阪・関西万博による道路交通規制の影響で2026年3月期にのれん償却後196百万円の営業損失を計上。万博終了後の大阪周辺における自治体発注量の回復と、資材費の販売価格転嫁推進による採算改善が課題。2027年3月期の回復が注目される。
2035年を目標とする「ヤマウグループ長期VISION2035」のもと、既存事業領域の深耕にとどまらず新たな収益源の創出を目指す。地質調査・コンサルタント事業(利益前期比102.0%増)やコンクリート構造物補修事業(同92.9%増)等の成長セグメントを育成し、グループ全体の収益多様化を図る。
最終更新: 2026年7月19日

