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株式会社Fusic

5256東証グロース情報通信業

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株式会社Fusic5256

事業内容

株式会社Fusic(福岡市)は、クラウド(主にAWS)・AI・IoT等の先端技術を組み合わせ、クライアントのDX推進を支援する単一セグメントのIT企業。2003年設立、2023年3月に東証グロース市場・福岡証券取引所Q-Boardに同時上場。

主力の「クロステクノロジーサービス」(システム開発・コンサルティング)、ストック型収益の「MSPサービス」(クラウド保守運用・AWS再販)、SaaS型の「その他サービス」(360度評価ツール「360(さんろくまる)」・学校連絡サービス「sigfy」)の3サービスを展開。大学・自治体・地域企業を中心に先進技術の実績を積み上げ、社会全体のDX推進に貢献するエコシステムを構築している。

ビジネスモデル

売上の約54%をクロステクノロジーサービス(準委任契約中心の受託開発・コンサルティング)、約38%をMSPサービス(AWS再販・保守運用のストック型収益)、約8%をSaaS型プロダクト(360・sigfy)が占める。プライム案件を基本とし、構想策定から開発・運用内製化支援までをワンストップで提供することで高い技術蓄積と顧客深耕を実現。

MSPサービスが安定収益基盤を形成しつつ、クロステクノロジーサービスの顧客単価上昇が利益率改善を牽引している。

企業の強み

クラウド・AI・IoT・量子コンピュータ・UI/UXなど幅広い技術を内製で保有し、クライアントの課題に最適な技術を組み合わせて提供する「技術結合力」を強みとする。九州初のAWSアドバンストコンサルティングパートナー認定(2013年)をはじめ、SORACOM・Google Cloud等の複数パートナー認定を取得している。

360度評価ツール「360(さんろくまる)」は累計1,000社以上の企業・官公庁・学校法人等に導入。学校連絡サービス「sigfy」は全国の高校・中学校・小学校・幼稚園・保育園で利用されており、両プロダクトともISO/IEC 27001・27017のセキュリティ認証を取得し信頼性を担保している。

売上高は2023期1,532百万円→2024期1,798百万円→2025期1,952百万円と3期連続増収。営業利益は同期間161百万円→207百万円→271百万円と拡大し、2025期の営業利益率は13.9%(前期比約2.4pt改善)。

売上原価の伸び(+4.2%)を売上総利益の伸び(+16.0%)が上回り、収益構造が改善している。

エンヴァリスの着眼点

2026年6月期第3四半期累計の売上高は1,781百万円(前年同期比+22.1%)と高成長を維持する一方、販売費及び一般管理費が370百万円から584百万円へ+57.8%増加したことで営業利益は130百万円(同▲41.5%)に急落した。当期を「投資の年」と位置づけた経営判断によるものであり、売上総利益は714百万円(同+20.4%)と着実に拡大している。

投資効果が利益に転化するタイミングの見極めが投資判断の核心となる。

2026年6月期通期予想は売上高2,353百万円(前期比+20.6%)に対し、営業利益9百万円(同▲96.4%)、当期純利益17百万円(同▲91.2%)と、売上成長と利益の乖離が極めて大きい。期初計画比では上方修正されたものの、1株当たり当期純利益は13.50円にとどまる見込みであり、PER評価は現時点では機能しにくい。

先行投資の回収フェーズへの移行時期と費用構造の正常化が株価評価の鍵を握る。

当第3四半期末に関係会社株式155,688千円が新規計上されており、M&A戦略が実行フェーズに入ったことが確認できる。宇宙産業関連ソフトウェア市場への参入も重点投資アクションとして明示されているが、投資先の事業内容・収益貢献時期・のれん等の詳細は短信からは読み取れない。

外部要因として国内パブリッククラウド市場の強い成長基調は追い風だが、M&A・新規事業の実態開示が不十分な段階では投資リスクの定量評価が困難であり、追加情報開示を注視する必要がある。

成長戦略

AI-Native転換・宇宙参入・プロダクト再構築・M&Aの4軸でグループ経営へ転換

生成AI(Claude等)を活用した開発プロセスの全面刷新と大幅な人員拡充を推進。クロステクノロジーサービスの売上が前年同期を大きく上回る水準で推移しており、顧客平均単価の上昇にも寄与している。販管費増加の主因でもあり、投資効果の定量把握が今後の課題。

2026年1月開設の東京支社でAWSリセール精通人材を獲得し、MSPリセール売上が大きく伸長。通期売上高予想の期初計画比上方修正の主因となっており、拠点投資の即効性が確認された。引き続き東京拠点の顧客基盤拡大が焦点。

宇宙産業関連ソフトウェア市場への参入を重点投資アクションとして位置づけ、広告宣伝投資を加速。具体的な売上貢献・案件規模は短信上では未開示であり、投資効果の顕在化は今後の開示を待つ必要がある。

360度評価ツール「360」は新規顧客獲得と既存顧客の利用拡大が進み、sigfyは導入自治体数増加により前年同期を大きく上回る売上水準で推移。プロダクト再構築への広告宣伝投資を加速させており、SaaSストック収益の積み上げが続いている。

当第3四半期末に関係会社株式155,688千円を新規計上しており、M&A戦略が実行フェーズに移行したことが確認できる。投資先の事業内容・収益貢献時期の詳細は未開示であり、今後の情報開示が投資判断の重要材料となる。

最終更新: 2026年7月17日