事業内容
カバー株式会社は、モーション・キャプチャー技術とアニメルック・アバターを用いたバーチャル・エンターテイナー「VTuber」のキャラクター開発と、VTuberプロダクション「ホロライブプロダクション」の運営を行う。2026年3月末時点で84名のVTuberが在籍し、YouTubeチャンネル登録総数は9,502万登録超。
配信/コンテンツ、ライブ/イベント、マーチャンダイジング、ライセンス/タイアップの4分野で事業を展開し、国内外のファンコミュニティを基盤に多面的なIPコマースを推進する。主要顧客は国内外のVTuberファン層および法人タイアップ企業(取引社数約500社)。
ビジネスモデル
コンテンツ・クリエイターにVTuberキャラクターIPを貸与し、ライブ配信・楽曲・イベントを通じてファンエンゲージメントを高める。醸成されたIPブランド力を基盤に、グッズ・トレーディングカードゲーム等のマーチャンダイジング、外部企業へのライセンスアウト・タイアップ広告へと収益機会を多角化する。
IPコマース収益(マーチャンダイジング+ライセンス/タイアップ)の売上構成比は2021年3月期の39.8%から2026年3月期には62.7%へ拡大しており、配信依存から脱却した多面的収益構造が確立されつつある。
企業の強み
2026年3月末時点でYouTubeチャンネル登録総数9,502万登録超、43名が100万登録超。累計動画投稿件数は約15万本、2026年3月期のライブ配信本数は29,000本超。長年の運営で蓄積されたIP群と大規模ファンコミュニティは競合が短期間で模倣困難な参入障壁を形成している。
2024年9月リリースの『hololive OFFICIAL CARD GAME』は2026年3月末時点で累計3,000万パック以上を出荷し、マーチャンダイジング分野売上高23,747百万円(前期比15.6%増)を牽引。自社EC・小売店・海外向け配送改善を組み合わせた多チャネル販売体制と新物流センター稼働によるサプライチェーン最適化が収益基盤の安定性を高めている。
演者の直接稼働なしにIPをゲームキャラクターや商品パッケージ等で活用できるライセンスアウト案件は収益性が高く、取引社数は2026年3月末時点で約500社に拡大。同分野売上高は7,198百万円(前期比25.3%増)と高成長を維持しており、演者稼働制約に縛られないスケーラブルな収益拡大が可能な構造を持つ。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2023年3月期20,451百万円→2024年3月期30,166百万円→2025年3月期43,401百万円→2026年3月期49,330百万円と4期連続増収を達成したが、成長率は前期比43.9%増から13.7%増へ鈍化。営業利益は7,056百万円(前期比11.8%減)と初の減益。
主因は「ホロアース」関連資産の減損損失3,199百万円と低回転在庫の除却・評価減という構造改革に伴う一時費用。外部要因として米国関税リスク・為替変動・物価上昇が海外消費者需要に影響。
一方、営業CFは7,204百万円と過去最高水準を更新し、現金及び現金同等物は16,008百万円に積み上がった。自己資本比率も51.3%→57.2%に改善し財務基盤は強化されている。
成長戦略
量的拡大から質的拡大へ転換、2030年売上高100,000百万円・営業利益25,000百万円以上を目指す
トレーディングカードゲーム『hololive OFFICIAL CARD GAME』の継続的な人気拡大を軸に、小売店販路拡充・海外向け配送改善(送料固定化・配送地域拡充)・物流インフラ整備を推進。2026年3月期に同分野売上高23,747百万円(前期比15.6%増)を達成し、全社売上の約48%を占める最大分野に成長。
国内大型会場でのソロ・ユニットライブに加え、海外ワールドツアー(2026年3月期:7都市)を継続実施。「hololive SUPER EXPO 2026」および「hololive 7th fes.」をシリーズ初の3日間開催として過去最大規模を達成。
新世代タレント「ReGLOSS」の有明アリーナ初単独ライブ等、新世代タレントのリアルイベント展開も進展。
初の大型スマートフォンゲーム『hololive Dreams』のリリースを含むメディアミックス進展を2027年3月期の上振れ要因として想定。「ホロアース」開発方針転換で得た技術的成果を既存事業へ集約し、経営資源をタレント活動支援・表現技術深化のコア領域へ再配分する戦略的転換を実施済み。
国内外の取引代理店との連携強化・営業体制整備を通じて案件数・取引企業数を拡大。ゲーム・玩具・食品・日用品など多岐にわたる業種との取引深化とブランド認知度向上を背景に大型案件獲得が進展。2026年3月期売上高7,198百万円(前期比25.3%増)と高成長を維持。
資本配分として累計500億円程度の成長投資・M&A枠を設定し、戦略適合性の高い領域への投資と継続的な研究開発を推進。量的拡大フェーズから収益の質と資本効率を意識した質的拡大フェーズへ経営戦略を移行。
強固な営業キャッシュフローを背景に手元流動性を確保しつつ、機動的な株主還元(2026年5月に上限3,000,000株・3,000,000,000円の自己株式取得を決議)も実施。
最終更新: 2026年7月19日

