事業内容
日本ナレッジ株式会社は1985年設立のITサービス企業で、ソフトウェアテスト・品質検証を提供する「検証事業」(売上高の約59%)と、ERP受託開発・自社パッケージ・セキュリティ製品を手掛ける「開発事業」(同約41%)の二事業を展開する。主要顧客は大手SIer・パッケージソフトベンダー・事業会社の情報システム部門で、大塚商会グループが売上高の31.0%を占める。
2023年3月に東京証券取引所グロース市場に上場。2025年10月には株式会社アルテックスを子会社化し、製造業・運輸通信業等への対応領域を拡大した。
国際標準規格(ISO/IEC/IEEE29119)に準拠したプロセスで事業展開している。
ビジネスモデル
検証事業ではSIer・事業会社からテスト工程をアウトソーシング受託し、継続的な役務提供で収益を得る。開発事業では大塚商会のERP「SMILEシリーズ」カスタマイズ受託に加え、鋼材業・木材卸業向け業種テンプレート(PowerSteel・PowerCubic)の販売と定期バージョンアップ保守、セキュリティ製品のライセンス販売・保守という複数の収益源を持つ。
自社開発製品は高利益率が見込まれ、保守契約による安定収益が事業基盤を支える。
企業の強み
当社は開発エンジニアを多数有し、市販ツールでは対応困難な領域向けに「ヘルパーアプリ」を自社開発することでテスト自動化を実現する。2026年3月期のハイブリッド案件(D)比率は41.2%に達し、自動化スクリプト開発案件(B)も8.7%と拡大。
複数顧客でのテスト自動化受託実績を積み上げており、競合が少ない領域として高い顧客継続率につながっている。
鋼材業向け「PowerSteel」・建材木材卸業向け「PowerCubic」は2026年3月末時点で850本超の導入実績を持つ。業界特有の商習慣(重量計算・在庫管理単位の混在等)に対応した業種テンプレートは、スクラッチ開発比で顧客コストを大幅削減できる。
定期バージョンアップ・税制改正対応需要により安定した保守収益を生み出している。
販売・購買・在庫管理等の業務知識とシステム構造の理解が不可欠なエンタープライズ系システムの検証は、習得に時間を要するため参入障壁が高い。当社は開発事業で長年蓄積した業務知識・ノウハウを検証事業に活用できる点が競合検証専業会社との差別化要因であり、業務システムを熟知した技術者の関与により案件継続率が高く安定収益を確保している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2023年3月期3,550百万円→2024年3月期4,077百万円→2025年3月期4,154百万円→2026年3月期4,559百万円と4期連続増収。一方、営業利益は2024年3月期251百万円をピークに2025年3月期99百万円、2026年3月期65百万円と3期連続で低下。
2026年3月期は積極的な人材確保・賃上げによる人件費増加に加え、アルテックス取得関連費用とのれん償却が新たに発生した。外部環境としてIT・DX投資は堅調に推移し売上成長を支えているが、コスト増が利益を吸収している構図。
2027年3月期は売上高5,000百万円(前期比9.7%増)、営業利益150百万円(同129.3%増)を予想しており、利益回復局面への転換を見込む。
成長戦略
テスト自動化高度化・アルテックスシナジー活用・ERP拡販で収益回復と規模拡大を両立
検証事業において同業他社との差別化を図るためテスト自動化を継続推進。2026年3月期は複数顧客のテスト自動化を受託し実績を積み上げた。今後も品質改善支援等のサービス提供により顧客拡大を図る方針。
2025年10月に完全子会社化したアルテックス社(長野県松本市)との連携を強化し、製造業・運輸通信業等の新規顧客群への参入と当社システム対応領域の拡大を図る。2026年3月期は当社受託案件でアルテックスが開発の一部を担う連携を開始。2027年3月期は通期寄与が加わる。
鋼材業・木材業向け「SMILEシリーズ」業種テンプレートの販売・サポートをパートナー企業との連携強化により展開。保守・バージョンアップによる安定的なストック収益の積み上げを図る。セキュリティ製品の拡販も継続推進。
積極的な人材確保および賃金・手当の向上に取り組み、社員の待遇改善と優秀人材の定着を図る。短期的には人件費増加が利益を圧迫するが、受注能力の拡大を通じた中長期の売上成長につなげる方針。
最終更新: 2026年7月19日

