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住友大阪セメント株式会社

5232東証プライムガラス・土石製品

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事業内容

住友大阪セメント株式会社は、1994年に住友セメントと大阪セメントが合併して誕生した東証プライム上場の総合素材メーカーである。連結売上高223,686百万円(2026年3月期)の約7割をセメント事業が占め、石灰石採掘・骨材販売の鉱産品事業、コンクリート補修材・関連工事の建材事業、光通信部品・計測機器の光電子事業、半導体製造装置向け電子材料の新材料事業、不動産賃貸・ソフトウェア開発のその他事業を加えた6セグメントで構成される。

子会社45社・関連会社13社を擁し、国内製造拠点に加え豪州ターミナル事業やフィリピン出資など海外展開も進める。主要顧客は建設・土木業者、製鉄メーカー、半導体製造装置メーカー等と多岐にわたる。

ビジネスモデル

セメント・石灰石の製造・採掘から特約販売店経由の販売、海上・陸上輸送、生コン製造、補修工事施工まで垂直統合したバリューチェーンを構築する。セメント事業では国内販売価格の値上げと化石エネルギー代替物(廃棄物・副産物)の活用によるコスト削減で収益を確保し、新材料事業では半導体製造装置向け高機能電子材料に経営資源を集中投入して高い利益率を追求する。

鉱産品・その他事業の安定収益が全体の収益基盤を下支えする構造となっている。

企業の強み

当社は石灰石鉱山の採掘(秋芳鉱業・滋賀鉱産等)からセメント製造(八戸セメント・和歌山高炉セメント含む)、海上輸送(エスオーシー物流)、特約販売店経由の販売、生コン製造・補修工事施工まで一貫したバリューチェーンを自社グループ内に保有する。この垂直統合構造が安定供給力とコスト管理力の源泉となっている。

新材料事業は2026年3月期に売上高18,074百万円・営業利益率13.7%を達成し、設備投資額8,787百万円(前期比約2.2倍)を投じて生産能力を増強中である。次世代半導体製造装置向け静電チャック等の商品化実績を持ち、研究開発費1,757百万円を投入して差別化材料技術・低コストプロセス技術の開発を継続している。

セメント工場において化石エネルギー代替物(廃棄物・副産物)の収集・受入処理を拡大しており、製造コスト削減と廃棄物処理収入の両面で収益に貢献する。2026年3月期のセメント事業営業利益は5,495百万円と前期比526.0%増を達成しており、価格改定とコスト構造改善の組み合わせが収益回復の実績として確認できる。

エンヴァリスの着眼点

2026年3月期の営業利益は13,648百万円(前期比45.9%増)と大幅増益を達成。主因はセメント事業の営業利益が877百万円から5,495百万円へと急回復したことで、販売価格改定の効果が売上原価の削減(前期169,388百万円→当期167,034百万円)と相まって売上総利益率を大きく押し上げた。

一方、国内セメント需要の構造的縮小(前期比6.5%減)は継続しており、価格改定効果の持続性と次期の需要動向が引き続き注目点となる。

2026年3月期は固定資産の減損損失3,243百万円(前期14百万円)を特別損失に計上。セグメント別ではセメント3,118百万円・新材料104百万円・その他20百万円が主な内訳。

経常利益が前期比53.8%増の14,405百万円と大幅改善した一方、親会社株主帰属純利益は11,214百万円(同24.5%増)にとどまり、特別損失の影響が利益の伸びを抑制した。2027年3月期予想では純利益10,000百万円(前期比10.8%減)と減益見通しであり、減損リスクの継続的な管理が求められる。

新材料セグメントは設備投資8,787百万円を投じて売上高18,074百万円・営業利益2,479百万円を達成し、成長軌道が鮮明。一方、光電子セグメントは損失幅が前期の355百万円から56百万円へ縮小したものの依然赤字が続く。

2026-28年度中期経営計画では総還元性向3カ年平均50%以上・配当下限120円を設定しており、株主還元の安定性は評価できる。ただし、自己資本当期純利益率5.8%(前期4.7%)は改善傾向にあるものの、資本効率の更なる向上が投資家の関心事となる。

成長戦略

既存事業収益安定と成長分野拡大を両輪に、資本効率向上と株主還元を推進

コストアップに対応した販売価格改定を継続実施し、2026年3月期にセメント事業営業利益5,495百万円(前期比526%増)を達成。廃棄物・副産物の原燃料代替活用拡大と豪州ターミナル事業を含む海外事業拡大により、国内需要縮小を補完する収益基盤を構築する。

新材料セグメントへの設備投資を2026年3月期に8,787百万円(前期比約2.2倍)に拡大し、売上高18,074百万円・営業利益2,479百万円を達成。2026-28年度中期経営計画においても「成長分野の拡大」の中核と位置付け、生産能力増強と次世代製品開発を継続推進する。

光電子セグメントは光通信部品のコスト削減等により損失幅を前期355百万円から56百万円へ縮小。光計測機器の販売数量増加(前期比8.9%増収)も寄与。次世代光通信部品の開発・量産体制構築を継続し、早期の黒字転換を目指す。

人工石灰石を使用した製品開発等、脱炭素分野での新規事業開発に取り組む。セメント製造業としてのカーボンニュートラル対応は中長期的な事業継続の前提条件であり、2026-28年度中期経営計画においても経営基盤強化の一環として位置付けられている。

2026-28年度中期経営計画において総還元性向3カ年平均50%以上を維持しつつ、配当は1株当たり年間120円を下限として設定。2026年3月期の配当性向は34.3%(配当総額3,811百万円)。自己株式取得も継続実施(当期取得額5,018百万円)し、資本効率の改善を図る。

最終更新: 2026年7月19日