地政学・カントリーリスク
当社グループは日本・アジア・欧州・米州にわたるグローバル事業を展開しており、政治経済情勢の悪化、輸出入・外資規制、国家間の経済制裁、テロ・戦争等の地政学リスクにさらされている。これらの事象が発生した場合、海外における事業活動に支障をきたし、業績及び財務状況に大きな影響を及ぼす可能性がある。当社グループは各国・地域の政治経済情勢や規制動向を注視し、状況に応じた対応を図っている。
市場環境変化・需要変動
建築・建材、自動車、電子・ディスプレイ、化学品、医薬・農薬など多岐にわたる業界の市場動向が当社グループの収益に直結しており、各国・地域の景気変動や需要減少が販売数量の減少・価格下落を通じて業績に大きな影響を及ぼす可能性がある。特に電子セグメントでは液晶TV・スマートフォン市場の変動、ライフサイエンスセグメントでは医薬・農薬業界の開発状況が収益を左右する。当社グループは生産性向上と固定費・変動費削減を推進し、事業環境変化に強い収益体質の構築を目指している。
PFAS規制・訴訟リスク
欧州・米国の一部の州でPFAS(ペルフルオロアルキル化合物等、約12,000種類)を一括規制しようとする動きがあり、当社グループの化学品セグメントが製造・販売するフッ素関連製品が規制対象となる可能性がある。また米国では、フッ素系消火剤等の製品による環境・健康への影響を請求原因とする複数の訴訟が個人・地方政府等により提起されており、不利な結果となった場合に業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性がある。当社グループは欧州当局へのパブリックコメント提出等により科学的知見に基づく適切な規制範囲となるよう働きかけるとともに、弁護士の協力を得て訴訟対応を進めている。
気候変動・脱炭素規制
パリ協定合意以降、エネルギー関連政策・法規制の厳格化が進んでおり、炭素税等のカーボンプライシングが本格導入された場合、対応費用が当社グループの損益に影響を及ぼす可能性がある。温室効果ガス排出削減目標が達成できない場合や、ステークホルダーからの脱炭素化要請に対応できない場合には、レピュテーション低下による機会損失が発生するリスクもある。当社グループは2050年目標として自社事業活動に伴う排出量ネットゼロ(Scope1,2)を掲げ、製造技術・設備の開発や再生可能エネルギー普及に寄与する事業モデルの構築に取り組んでいる。
サイバー・情報セキュリティ
サイバー攻撃によるオペレーションの一時的停止や情報資産の流出、不正アクセスその他不測の事態による情報セキュリティ上の脅威はますます高まっており、重要業務の中断や機密データの漏洩等が発生した場合、業績及び財務状況に大きな影響を及ぼす可能性がある。当社グループはITシステム・生産システム・データ等の情報資産の保護に努め、セキュリティインシデントの予防対策と発生時の影響最小化対策を講じているが、完全な防御は保証されない。
サプライチェーン途絶リスク
当社グループ又は製造委託先における重大な生産トラブル等により一時的・長期的な生産中断が発生した場合、代替生産できない製品もあり業績及び財務状況に大きな影響を及ぼす可能性がある。また、一部調達先が限られる特殊な原料・資材の供給逼迫・遅延・価格変動も同様のリスクをもたらす。当社グループは複数の委託先確保、代替原材料の検討、複数購買の推進により対応を図っている。
原燃材料価格変動
電力・燃料ガス・重油・原材料の価格変動は当社グループの生産コストに直接影響し、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性がある。当社グループは一部原燃材料について商品デリバティブ取引等により価格変動リスクをヘッジしているが、価格上昇による影響を完全に排除できない可能性がある。
為替レート変動リスク
当社グループは全世界で製品の生産・販売を行っており、現地通貨建の売上・費用・資産が円換算時の為替レートの影響を受けるほか、外貨建原材料の購入価格や製品販売価格の設定にも為替変動が影響する。大幅な為替レートの変動は業績及び財務状況に大きな影響を及ぼす可能性がある。当社グループはヘッジ取引の実施とグローバルな生産拠点配置によりリスク軽減に努めている。
非金融資産の減損リスク
有形固定資産・のれん・無形資産等の非金融資産について、収益性の低下や公正価値の変動等により回収可能価額が帳簿価額を下回る場合、減損損失が発生する可能性がある。特にライフサイエンスセグメントのAGC Biologics A/S(デンマーク)は、バイオベンチャーへの資金流入減によるバイオ医薬品原薬市場の需要低迷からの回復遅れ及び新規ラインの操業に伴うコスト増加等により営業損益が悪化しており、減損の兆候が認められている(直近の減損テストでは減損損失は非認識)。今後の市場・経済状況次第では減損損失が発生し、業績及び財務状況に大きな影響を及ぼす可能性がある。
自然災害・感染症リスク
大規模地震・津波・風水害等の自然災害や未知の感染症により、事業活動の中断・生産設備への被害・製品輸送停止等の不測の事態が発生するリスクがある。事業継続計画の想定を超えた事態が発生した場合、代替生産できない製品もあり顧客への供給に支障が生じるとともに、業績及び財務状況に大きな影響を及ぼす可能性がある。当社グループは主要拠点においてリスク評価を実施し、ハザードの高い拠点では事業継続計画を策定して対応体制を整備している。
重要度・発生可能性は企業の開示情報に基づいて表示されています
最終更新: 2026年4月28日

