事業内容
AGC株式会社は1907年創立の総合素材メーカーで、建築ガラス・オートモーティブ・電子・化学品・ライフサイエンスの5報告セグメントを擁する。子会社192社・関連会社26社を含むグループ全体の売上高は2,058,832百万円(2025期)。
建築用板ガラスから液晶ガラス基板・EUV露光用フォトマスクブランクス・フッ素化学品・バイオ医薬品CDMOまで、幅広い産業の基盤素材・部材をグローバルに供給する。欧州・アジア・南米を含む多地域に生産拠点を持ち、地域分散型の事業基盤を構築している。
ビジネスモデル
コア事業(建築ガラス・オートモーティブ・化学品)で安定的なキャッシュを創出しつつ、電子部材・ライフサイエンスといった戦略事業で高収益・高成長を追求する「両利きの経営」を採用。価格政策・品種構成改善・生産性向上によるROCE改善を事業管理の中心に置き、DOE3%程度を目安とした安定配当を株主還元の基本方針とする。
設備投資は2025期までの大規模投資フェーズを終え、2026期以降は既存設備の最大活用と投資回収に軸足を移す。
企業の強み
EUV露光用フォトマスクブランクスやCMPスラリー等、半導体前工程向け部材で高い市場シェアを有する。電子セグメントの営業利益率は13.4%と全セグメント最高水準。無機・有機素材と機能設計・加工技術を一貫保有し、競合が模倣困難な製品群を形成している。
欧州(ベルギー・ドイツ等)、東南アジア(タイ・インドネシア)、南米(ブラジル)、北米、中国など世界各地に生産拠点を展開。1981年の欧州進出以来、M&Aを活用した地域拡大を継続し、特定地域への依存度を低減した分散型ポートフォリオを構築している。
1964年に開始したフッ素化学品事業は、エレクトロニクス・エネルギー・モビリティ向けフッ素樹脂・ガス・溶剤を擁するパフォーマンスケミカルズとして発展。化学品セグメント全体の営業利益は53,035百万円(営業利益率9.1%)を確保し、グループ最大の利益貢献セグメントとなっている。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2021期ピーク後に2,000,000百万円台前半で横ばい推移が続いていたが、2026年12月期第1四半期は537,965百万円(前年同期比+7.7%)と加速。営業利益は2021期の206,168百万円をピークに低水準で膠着していたが、2026年1Qは38,472百万円(同+48.9%)と大幅改善。
前年同期に発生した為替差損(6,310百万円)の解消、建築ガラスの黒字転換(△934百万円→4,675百万円)、化学品の増益(11,085百万円→15,224百万円)が主因。通期予想は売上高2,200,000百万円(前期比+6.9%)、営業利益150,000百万円(同+17.7%)で修正なし。
親会社帰属四半期純利益は22,844百万円と前年同期(6,645百万円)の3.4倍に達し、基本的1株当たり四半期純利益は107.73円(前年同期31.35円)。
成長戦略
ROCE改善・半導体関連拡大・ライフサイエンス黒字化の三本柱でROE8%超を目指す
EUV露光用フォトマスクブランクスの先端分野拡販と半導体後工程向けパッケージング関連部材の新規展開を推進。AI関連投資拡大という外部環境の追い風を受け、2026年1Q電子セグメント営業利益は12,265百万円(営業利益率13.7%)を維持。
合成医農薬CDMO増設設備稼働・バイオ医薬品CDMO受託増加・米国コロラド拠点閉鎖による固定費削減を推進。2026年1Q営業損失は3,324百万円と前年同期(6,156百万円)から改善しているが、黒字化には至っていない。
欧米での価格政策維持、アジアでの需要回復対応、Low-E複層ガラス等の高断熱製品拡販を推進。2026年1Qは建築ガラスセグメントが営業利益4,675百万円と前年同期(△934百万円)から黒字転換を達成。
エッセンシャルケミカルズ東南アジアの増設設備本格稼働によるインドネシア向け苛性ソーダ出荷拡大と、インテグレイテッドケミカルズのフッ素関連製品出荷増加を推進。2026年1Q営業利益は15,224百万円(前年同期11,085百万円)と大幅増益。
最終更新: 2026年7月17日

