事業内容
相模ゴム工業は1934年創業の老舗メーカーで、国内初のラテックス製コンドームを製品化した歴史を持つ。現在はヘルスケア事業(コンドームを中核とする医療用ゴム・ポリウレタン製品等)とプラスチック製品事業(食品用包装フィルム・事務用ファイル等)を主軸とし、子会社2社・関連当事者2社を含むグループで事業を展開する。
主要顧客はピップ株式会社(売上高の44.7%)をはじめとする国内外の代理店・流通業者であり、越境ECチャネルを通じた海外高所得層向け高付加価値製品の販売にも注力している。2025年9月には介護サービス事業を譲渡・閉鎖し、ヘルスケア事業への経営資源集中を進めている。
ビジネスモデル
当社グループは自社工場(国内・マレーシア)での製造を基盤とし、代理店・越境ECチャネルを通じて製品を販売する製造直販型モデルを採る。ヘルスケア事業では世界人口上位10%の高所得層を主要ターゲットとし、ポリウレタン製コンドーム「サガミオリジナル」等の高付加価値製品で高利益率を確保する。
プラスチック製品事業は内需型で、価格転嫁と不採算品目整理により収益改善を図る構造となっている。
企業の強み
1934年に国内初のラテックス製コンドームを製品化し、1998年に国内初のポリウレタン製コンドーム「サガミオリジナル」を発売。2005年に0.02mm、2014年に0.01mmの超薄膜製品を相次いで商品化するなど、薄膜化技術で業界をリードしてきた実績を持つ。
研究開発費は2026年3月期に85百万円を投じており、継続的な技術革新を支えている。
1996年にマレーシアに相模マニュファクチャラーズ有限公司を設立し、ポリウレタン製コンドームの一貫生産体制を構築。2002年・2018年に生産設備を増設し、供給能力を段階的に拡大してきた。
2026年3月期のヘルスケア事業生産実績は4,516百万円(前年同期比9.5%増)に達しており、自社製造による品質管理とコスト競争力を両立している。
ポリウレタン製コンドームの越境ECチャネルへの新規取り込みにより、2026年3月期のヘルスケア事業売上高は4,675百万円(前年同期比9.5%増)を達成した。インバウンド需要の取り込みや海外既存市場の深耕も並行して推進しており、世界人口上位10%の高所得層を対象とした高付加価値製品戦略が売上総利益率26.5%(前年同期25.8%)の改善に寄与している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は5,911百万円(前期比3.9%増)と2期ぶりの増収を達成。ヘルスケア事業が9.5%増と牽引した一方、プラスチック製品事業は5.4%減、その他事業は介護撤退により71.8%減となった。
営業利益は180百万円と前期の営業損失33百万円から黒字転換したが、販管費削減(前期1,503百万円→当期1,384百万円)が主因であり、外部要因として円安・エネルギー高によるマレーシア製造原価の上昇が利益の押し下げ要因として継続している。過去5期の営業利益は2022期1,088百万円→2023期661百万円→2024期436百万円→2025期△34百万円→2026期181百万円と構造的な低下トレンドにあり、黒字回復は一定の改善を示すものの、ピーク水準への回帰には相当の時間を要する見通しだ。
成長戦略
ヘルスケア海外深耕・プラスチック新製品開発・両事業の価格適正化で収益構造を立て直す
越境ECチャネルを通じたポリウレタン製コンドームの販売拡大と、ラテックス製コンドームの国内外での需要回復を継続。2026年3月期にヘルスケア事業売上高4,675百万円・営業利益762百万円(前期比24.7%増)を達成しており、2027年3月期も海外既存市場の深耕を方針として掲げる。
不採算品目の整理・調整と製造原価の徹底見直しにより、2026年3月期の営業損失を84百万円から35百万円へ縮小。2027年3月期は新製品開発による新需要取り込みを推進し、損失幅のさらなる縮小を目指す。
エネルギー価格・原材料コストの高止まりに対応するため、ヘルスケア・プラスチック両事業で販売価格への適切な転嫁を継続推進。ラテックス製コンドームは価格改定後の需要減退から回復しており、価格適正化の実効性が確認されつつある。
介護事業からの撤退により「その他」セグメントの売上高は44百万円(前期比71.8%減)となり、営業損失も74百万円から43百万円へ改善。連結子会社・有限会社サンクロードは2025年10月31日付で清算結了し、連結範囲から除外された。不採算事業整理はほぼ完了。
最終更新: 2026年7月19日

