事業内容
株式会社フコクは1953年創業のゴム製品メーカーで、連結子会社17社・持分法適用関連会社1社を擁するグローバルグループ。機能品(シール部品・ワイパーブレードラバー等)、防振(ダンパー・マウント等)、ライフサイエンス(バイオ関連製品)、金属加工(建設機械用金属部品)、ホース(商用車向けゴムホース)の5事業を展開する。
主要顧客は国内外の自動車メーカー・Tier1サプライヤーで、韓国・タイ・インドネシア・インド・中国・米国・メキシコ等に生産拠点を持ち、2026年3月期連結売上高は90,025百万円。東京証券取引所プライム市場上場。
ビジネスモデル
当社グループは設計・試作・評価・量産の一貫ノウハウを強みに、国内外の自動車メーカーおよびTier1サプライヤーへ製品を直接供給する。各国現地法人が現地顧客へ販売する体制を構築し、為替リスクを分散しながら地産地消型の収益を確保。
ワイパーブレードラバーでは世界シェア58%(2025年度)を誇り、ソリューション提案型営業で付加価値を高める。ライフサイエンス事業では高利益率(営業利益率24.7%)の成長事業として経営資源を重点配分している。
企業の強み
有報記載によれば、ソリューションビジネスの深化と中国R&D強化により、ワイパーブレードラバーの世界シェアは2024年度の50%から2025年度に58%へ拡大。中国ローカル自動車メーカーへの新規参入を実現し、中資系ワイパーシステムメーカーと協働した欧州系メーカーへの拡販も進展している。
韓国・タイ・インドネシア・インド・ベトナム・中国(上海・東莞・青島・南京)・米国・メキシコに製造拠点を展開し、2025年12月には米国バージニア州にFKCアメリカインクを新設。70年超の現地生産実績に基づく顧客基盤と調達網は短期間での模倣が困難な競争優位を形成している。
当連結会計年度の研究開発費は2,272百万円から2,383百万円へ増加。放熱ギャップフィラーの国際特許出願・国内特許取得、ソフトグリッパー2件・宇宙関連防振ゴム2件・新エネルギー向けシリコーン材料の国際特許出願など、複数領域で知財を積み上げており、JAXA宇宙戦略基金事業への技術採択も実現している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
2026年3月期連結売上高は90,025百万円(前期比0.4%増)と微増収。機能品・ライフサイエンス・ホース事業が堅調な一方、金属加工事業は採算性向上のための選択と集中により前期比25.8%減。
営業利益は3,806百万円(同19.4%減)と大幅減益で、原材料費・労務費の上昇吸収困難に加え、前期の不正行為関連一過性売上原価戻し(423百万円)の反動が響いた。外部要因として原材料・労務費の上昇継続が収益を圧迫。
親会社株主帰属当期純利益は1,144百万円(同61.0%減)と防振事業での減損損失918百万円が直撃した。営業CFは8,044百万円(前期6,631百万円)と改善し、キャッシュ創出力は維持している。
成長戦略
収益拡大と資本効率向上を最優先に既存事業強化・成長新事業拡大・ESG経営基盤改革を推進
放熱ギャップフィラーおよび中国ローカルワイパーメーカー向け受注を重点拡販。2026年3月期は機能品セグメント売上高42,689百万円(前期比3.7%増)と堅調に推移。半導体製造装置向け精密シール等インダストリアル分野への展開も継続。
2026年3月期にFKCアメリカインクを新設し北米展開を本格化。インドではフコクインディア株式会社の決算期を3月31日に統一し連結管理を強化。インド市場でのダンパー等受注拡大を推進。
バイオ関連製品の受注堅調(2026年3月期売上高1,041百万円、前期比6.2%増)。薬剤耐性菌検査チップの保険適用に向けた医療現場展開、大阪大学・金沢医科大学との共同研究による培地開発力強化を推進。
非採算部品からの撤退を進め採算性向上を図る。2026年3月期売上高は前期比25.8%減の3,961百万円となったが、セグメント損失201百万円と依然赤字。原材料費・労務費の比率上昇吸収が課題として継続。
政策保有株式の一部売却(有価証券売却益135百万円計上)、自己株式の公開買付け(1,904,600株取得・3,163百万円)、自己株式1,700,000株消却を実施。年間配当を85円(2026年3月期)から100円(2027年3月期予想)へ増配計画。
2026年5月15日開催取締役会で配当政策の基本方針を変更。
最終更新: 2026年7月19日

