事業内容
昭和ホールディングス株式会社は、連結子会社14社・持分法適用関連会社8社からなる多角化持株会社である。主力の食品事業(明日香食品グループ)では和菓子・餅類・団子類の製造販売を行い、スポーツ事業(ルーセント)ではソフトテニスボール製造・テニスクラブ運営・旅行事業を展開する。
ゴム事業(昭和ゴム)は東日本唯一のゴムライニング防食施工リーディングカンパニーとして化学・金属・半導体工場向けに事業を行い、コンテンツ事業(ウェッジホールディングス)はゲーム企画・書籍編集・ライツ事業を国内外で展開する。さらに持分法適用関連会社Group Lease PCL.を通じ東南アジアでDigital Finance事業も保有する。
ビジネスモデル
食品・スポーツ・ゴム・コンテンツの各事業会社が独立して売上・利益を計上し、親会社が管理サービス料(内部売上388百万円)を受領するホールディングモデル。食品事業が売上高の約56%を占める最大収益源であり、コンテンツ事業が高利益率(セグメント利益率約22%)で収益を補完する。
一方、持分法適用関連会社Group Lease PCL.の投資損益が連結経常損益に大きく影響する構造となっており、同社の訴訟対応費用が経常損失の主因となっている。
企業の強み
2026年3月期において食品事業は売上高4,770百万円(前期比7.3%増)、セグメント利益244百万円(前期比2.5%増)と増収増益を達成。ウェッジホールディングスと連携したSNSブランディングにより「わらび餅」「こし自慢」「桜餅(道明寺)」の明日香野ブランドがマスメディアにも波及し、原材料コスト上昇下でも利益を確保した。
過去10年以上の選択と集中により、ゴムライニング防食施工分野で東日本唯一のリーディングカンパニーとしての地位を確立。競合耐食材メーカーの撤退による残存者利益の享受が進んでおり、東洋ゴム工業との生産提携契約(2007年締結)も継続中。高い参入障壁を背景に安定した受注基盤を維持している。
コンテンツ事業は2026年3月期に売上高815百万円(前期比6.1%増)、セグメント利益182百万円を計上し、セグメント利益率は約22%と高水準。過去10年以上の固定費削減・コスト適正化の成果であり、ベトナム・インドネシアでの海外コンテンツ事業が売上増加段階に到達するなど、収益基盤の多様化が進んでいる。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2022年3月期9,785百万円をピークに縮小後、2025年3月期8,620百万円・2026年3月期8,559百万円と横ばい圏で推移。営業利益は2025年3月期に26百万円と微黒字を確保したが、2026年3月期は販管費増加(2,453百万円)と売上原価増(6,325百万円)により219百万円の営業損失に転落した。
経常損失は持分法投資損失774百万円(前期317百万円)の急拡大により870百万円(前期268百万円)に悪化。親会社株主帰属の当期純損失は576百万円(前期204百万円)と拡大し、5期連続の最終赤字となった。
外部要因として、円安基調による輸入原材料・資材コスト上昇、国内民間設備投資の減速がゴム事業に影響した。食品・コンテンツ事業は増収を達成したが、グループ全体の損失拡大を補うには至らなかった。
成長戦略
中期経営計画「深耕と進化」のもと各事業の選択集中・海外展開・新規事業育成を推進
ウェッジホールディングスとのSNS連携で「わらび餅の明日香野」等の戦略商品を拡販。2026年3月期に売上高7.3%増・利益2.5%増を達成。ホルムズ海峡情勢による包装資材調達リスクへの対応として複数購買・代替素材検討を進める。
ソフトテニスボールの「公認級最安値」恒久化で出荷数が大幅増加。テニスクラブでのソフトテニス・ランニング・卓球スクール展開による会員数増加を推進。ランニング・ツアー事業は順調に拡大中。ただし2026年3月期はセグメント損失56百万円と赤字幅が拡大しており、費用管理が課題。
競合耐食材メーカーの撤退を受け、東日本唯一のリーディングカンパニーとして国内生産強化を図る。常盤ゴム除外後のゴム事業は売上高1,722百万円・セグメント利益44百万円を確保。中東情勢悪化によるナフサ危機・原材料高騰が短期的な逆風となっている。
ベトナム・インドネシアでの売上増加が顕在化し、周辺諸国への展開加速を計画。海外印税収入も増加傾向。国内ではTCG・出版受注が堅調。2026年3月期は新規事業投資による人件費・事業経費増加でセグメント利益が前期比26.1%減となったが、長期的な利益貢献を見込む。
GL及びその子会社はJTAとの係争対応で新規貸付を抑制し回収に注力。2026年3月期の持分法投資損失は774百万円に拡大。GLF(カンボジア)のライセンス取消・清算手続きが進行中。裁判終了後の再成長に向けた準備を進めるとしているが、今後数年間は現状の厳しい状況が継続する見通し。
最終更新: 2026年7月19日

