事業内容
株式会社マーキュリーは、1991年創業(前身)以来30年超にわたり三大都市圏(首都圏・関西・東海)の新築分譲マンションに関するパンフレット・価格表・図面等を収集・蓄積した不動産ビッグデータを基盤に、「プラットフォーム事業」と「デジタルマーケティング事業」を展開する。主要顧客はマンションデベロッパー・不動産仲介業者・不動産販売事業者等。
2024年8月に株式会社GA technologiesによるTOBが完了し、同社の連結子会社(議決権52.3%取得)となった。データベースは棟数64,956棟・住戸数2,846,866戸・パンフレット数45,781部(2025年2月28日現在)に達し、参入障壁の高い独自資産を形成している。
ビジネスモデル
プラットフォーム事業では新築マンション事業者向けに月額課金制の「サマリネット」「リアナビ」を提供し、ARR 833,682千円・解約率0.2%の安定収益を確保。中古仲介業者向け「データダウンロードサービス」は従量課金制で平均顧客数3,208社。
デジタルマーケティング事業ではCGM広告・リスティング広告運用・サイト制作を通じ広告掲載料・運用代行料を得る。売上高に連動する変動費が少ないSaaS構造が利益レバレッジを生む。
企業の強み
新築分譲時にしか入手できないコンセプトブック・図面集・価格表を30年超にわたり収集。棟数64,956棟・住戸数2,846,866戸・パンフレット45,781部に達し、過去に遡ってデータを収集することは困難なため競合新規参入を実質的に阻止する参入障壁となっている。
新築マンション年間供給戸数ランキング(2024年度、不動産経済研究所調べ)上位20社中20社全てにサービスを導入。チャーンレート0.2%(2025年2月期)と極めて低く、ARR 833,682千円の安定的な継続収益基盤を確立している。
2024年8月にGA technologiesの連結子会社となり、グループファイナンス取引による受取利息(2025年2月期の営業外収益5,308千円の主因)を計上。今後も継続的なグループシナジーの最大化を経営課題として明示しており、財務・事業両面での連携強化が進む。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
過去5期の売上高は1,373百万円(2022期)→1,602百万円(2026期)と緩やかな成長軌道だが、営業利益は203百万円→74百万円と変動が大きく、2024期・2026期に大幅な利益縮小を経験。2027年2月期1Q(2026年3月〜5月)は売上高421百万円(前年同期比+6.2%)、営業利益28百万円(同+21.1%)、四半期純利益20百万円(同+21.7%)と増収増益。
外部要因として三大都市圏の新築マンション販売価格は上昇継続、中古マンション市場は高値圏維持と顧客業界の事業環境は底堅い。ソフトウェア償却費の大幅減少(前年同期比△45.1%)が売上総利益率を42.9%(前年同期40.1%)へ押し上げており、構造的な利益改善が進行中。
通期予想(売上高1,703百万円・営業利益117百万円)は据え置き。
成長戦略
SaaS ARPU向上・賃貸新領域開拓・GAグループシナジーの三軸で成長を追求
2026年4月実施の新価格改定への移行が1Qより寄与し、プラットフォーム事業のMRRは着実に拡大。ライセンス追加と価格改定の複合効果でARPU向上を図り、サブスク型の安定収益基盤を強化する。
前期より整備を進めてきた賃貸系データベースを活用し、2026年4月に「賃料査定DX」をリリース。賃貸管理・仲介会社向けの新たな顧客層を開拓し、既存の新築マンション領域に依存しない収益多様化を目指す。
Web広告運用および不動産メディアとの協業による広告販売を強化。1QはデジタルマーケティングがWeb広告・メディア協業牽引で前年同期比+17.4%と高成長。不動産市場の底堅い動きを追い風に集客支援需要を取り込む。
GA technologiesグループとのデータ・顧客・技術面でのシナジー創出を継続。グループファイナンス取引による受取利息等の財務シナジーに加え、グループ内クロスセルによる顧客基盤拡大を追求する。
最終更新: 2026年7月17日

