事業内容
ENEOSホールディングスは、ENEOS株式会社を中核とする国内最大の石油精製・販売グループを擁する持株会社。石油製品ほか・石油天然ガス開発・機能材・電気・再生可能エネルギーの5セグメントを展開し、子会社476社・持分法適用会社等149社を傘下に置く。
国内燃料油市場で最大シェアを持ちつつ、ENEOS Xploraによる東南アジア・中東での資源開発、ENEOSマテリアルによる高機能合成ゴム、ENEOS Powerによる発電・電力小売、ENEOSリニューアブル・エナジーによる再エネ発電まで幅広く手掛ける。2025年3月にはJX金属が上場し持分法適用会社へ移行、事業ポートフォリオの再編が進行中。
ビジネスモデル
原油調達から精製・物流・販売に至る石油バリューチェーンで安定キャッシュを創出しつつ、石油・天然ガス開発権益による資源収益、合成ゴム等機能材の素材販売、火力・再エネ発電と電力小売による電力収益を積み上げる多層構造。在庫影響を除いた実力ベースの営業利益を重視し、採算販売の徹底と製油所稼働率最大化で収益を最大化する。
JX金属持分法益も継続事業に取り込む。
企業の強み
国内最大の燃料油販売シェアを有し、複数製油所を運営。AI・DXを活用した「E-MOREプロジェクト室」設置により保全業務を抜本改革し、第4四半期の定修除き稼働率は前年同期77%から中東情勢影響除きで86%へ改善。
2027年度に定修除き稼働率90%達成を目標に掲げ、設備信頼性向上への投資を継続している。
ENEOS Xploraが東南アジア・中東・オセアニアで複数の石油・天然ガス権益を保有。1987年取得のマレーシア・サラワク州沖SK10鉱区についてPETRONASと2028〜2038年の10年延長契約を締結し、長期安定操業基盤を確保。
ベトナム沖15-2鉱区では新生産分与契約締結により権益比率が上昇した。
ENEOSマテリアルは次世代タイヤ向けS-SBRを日本・タイ・ハンガリーの3拠点で製造し、グローバル安定供給体制を構築。2025年11月に四日市工場でS-SBR生産能力を1万トン増強決定。
独自ナレッジグラフとAIエージェントを統合した新材料テーマ創出システムを開発し、研究開発プロセスの効率化を推進している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2023年3月期の15,016,554百万円をピークに減少が続き、2026年3月期は11,765,470百万円(前期比4.5%減)。外部要因として期平均原油価格が前年同期比7ドル安の72ドル/バレルと軟調に推移したことが主因。
一方、利益面は急回復。前期に大きく落ち込んだ営業利益(106,093百万円)が466,627百万円へ急伸した主因は、前期に計上した大規模減損損失(204,524百万円→48,011百万円へ縮小)と在庫影響の改善(前期損失57,600百万円→当期損失7,800百万円)、持分法投資利益の急増(9,625百万円→81,022百万円、JX金属の持分法益取り込み)。
親会社帰属当期利益は258,726百万円(前期比14.4%増)。営業CFは619,983百万円と堅調で、ネット有利子負債も削減が進んでいる。
成長戦略
「筋肉質な経営体質への転換」と「ポートフォリオ再編」を2本柱に2027年度ROE10%以上を目指す
保全計画改善・検査強化・工事品質向上・運転トラブル削減の4本柱を推進。「E-MOREプロジェクト室」を専任組織として設置し、AI・DXを通じた抜本的な保全業務改革を実施。2026年3月期第4四半期の定期修理除き稼働率は中東情勢影響除きで86%(前年同期77%)へ改善し、収益力向上に貢献。
和歌山製造所でのSAF量産供給体制構築を準備中。2025年4月に英国C2Xへ出資しグリーンメタノールのサプライチェーン構築を決定。
2025年7月には米国Par Pacificのハワイ・Kapolei製油所でのバイオ燃料製造・販売事業への参画を決定。カーボンニュートラル社会への移行に向けた収益源多様化を推進。
トレーディングを含めた海外燃料油事業の拡大を推進。2026年5月14日にChevron Corporationのグループ各社からシンガポール・マレーシア・フィリピン・オーストラリア・ベトナム・インドネシアの燃料油・潤滑油販売事業法人の持分100%取得に向けた株式譲渡契約を締結。
第4次中計の「ポートフォリオ再編」の一環として成長市場への事業基盤強化を図る。
2026年3月期は計14か所の風力・太陽光発電所が新規稼働し発電量が増加。太陽光発電所への蓄電池併設(計5か所)による出力制御リスク低減も推進。企業向けPPAの締結拡大と遠隔監視高度化・リパワリングによる稼働率向上を継続。営業損失は前期169億円から当期9億円へ縮小し、採算化に向けた改善が進展。
2026年5月14日の取締役会において取得株式総数8,200万株または取得総額500億円を上限とした自己株式の取得と消却を決定。年間配当は前期26円から当期34円へ増配し、2027年3月期も34円を予定。
配当性向は35.4%。JX金属の自己株式公開買付けへの応募も決定し、追加的な利益計上が見込まれる。
マレーシア・サラワク州沖SK10鉱区でPETRONASと2028〜2038年の10年間の生産分与契約延長を締結し長期安定操業を確保。Gold Hydrogenへの出資を通じた天然水素・ヘリウム等の非炭化水素資源開発にも着手。
米国・Petra Nova CCUSプロジェクトを継続推進し、CO2回収・貯留事業の実績を積み上げる。
最終更新: 2026年7月19日

