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出光興産株式会社

5019東証プライム石油・石炭製品

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出光興産株式会社5019

事業内容

出光興産は1911年創業の総合エネルギー企業で、子会社187社・関連会社59社を擁するグループを形成する。燃料油(石油精製・販売・トレーディング)を中核に、基礎化学品(オレフィン・アロマ)、高機能材(潤滑油・電子材料・機能化学品・農薬)、電力・再生可能エネルギー、資源(原油・天然ガス・石炭)の5セグメントを展開する。

国内製油所・全国SSネットワーク・海外資源権益・グローバル潤滑油販売網を有し、エネルギーと素材の安定供給を社会的使命として担う。2026年3月期の売上高は8,105,891百万円。

ビジネスモデル

原油を調達・精製して燃料油・石化製品を販売する垂直統合モデルを基盤とし、原油価格変動に伴うタイムラグ効果を収益機会として活用する。高機能材セグメントでは潤滑油・電子材料等の高付加価値製品を国内外に販売し安定収益を確保。

資源セグメントでは豪州石炭・海外油ガス田の権益を保有し資源価格上昇局面での収益を取り込む。全国SSネットワークを顧客接点として非燃料サービスにも収益を拡大する。

企業の強み

千葉・北海道・愛知等の製油所に加え、2026年3月期に富士石油(議決権比率92.49%)を連結子会社化し精製体制を拡充。全国の特約販売店・SSネットワークを通じた販売基盤を有し、燃料油セグメントの外部顧客売上高は6,793,416百万円と圧倒的な国内販売規模を誇る。

高機能材セグメントでは潤滑油の海外販売拡大、有機EL材料の積層発光方式、固体電解質のトヨタ自動車との協業など独自技術を保有。研究開発費は年間304億円(2026年3月期)を投じ、3海外研究開発拠点・東京科学大学・東京大学との産学連携を通じて技術基盤を継続強化している。

2026年3月期末の自己資本比率は36.0%(2022年3月期30.7%から改善)、ネットD/Eレシオは0.6倍と安定的な財務構造を維持。R&I・JCRともにA+(安定的)の格付けを取得し、2,100億円のコミットメントライン契約を保有するなど流動性確保体制も整備されている。

エンヴァリスの着眼点

2026年3月期の営業利益は212,203百万円(前期比+30.8%)と回復。外部要因として、ホルムズ海峡封鎖に伴う原油価格急騰がプラスのタイムラグ効果をもたらした一方、石炭市況の下落が資源セグメント損益を前期比△57.2%(331億円)に押し下げた。

在庫影響除きベースでも燃料油セグメントは+36.3%増益と実態収益の改善が確認でき、複合的な市況変動への耐性が示された。

持分法投資損益は前期22,604百万円から2,456百万円へ急減。富士石油の連結子会社化により同社分が持分法から連結損益に移行したことが主因であり、構造的な変化として認識が必要。

一方、電力・再生可能エネルギーセグメントの損益は△18億円(前期△123億円)と大幅に赤字縮小。発電所トラブル解消とバイオマス設備減損後の償却費軽減が寄与しており、同セグメントの損益改善トレンドは継続するか注目される。

2027年3月期よりIFRS任意適用を開始し、次期業績予想はIFRS基準で金融費用除き税引前利益(在庫影響除き)140,000百万円、親会社帰属当期利益75,000百万円を見込む。前提条件はドバイ原油81.3ドル/バレル・為替151.3円/ドル。

外部要因として米国通商政策・イラン情勢・OPECプラス動向が業績を左右するリスクが残る。総還元性向50%以上・累進配当方針の持続可能性は在庫影響除き利益の安定的な確保にかかっている。

成長戦略

既存事業収益力強化と重点4事業への集中投資でポートフォリオ転換を推進

2025年11月に富士石油を連結子会社化(議決権比率92.49%)。石油製品生産体制の最適化、両社インフラの相互活用・一元化によるコスト競争力強化、低炭素エネルギー供給体制の構築を推進。2026年3月期より連結業績に寄与開始(資産合計349,095百万円を受け入れ)。

航空燃料(SAF)・バイオディーゼル・リニューアブルディーゼルの販売開始・供給体制構築により新収益源を育成。脱炭素規制強化を背景とした需要拡大を取り込む。中期経営計画(2026-2030年度)の重点4事業の一つとして位置付け。

リチウム固体電解質の量産技術開発をトヨタ自動車と協業で推進。EV普及加速を背景に高機能材セグメントの次世代収益柱として育成。高機能材セグメントは2026年3月期に334億円の損益を計上し安定収益基盤として機能中。

発電所トラブル解消・バイオマス設備減損後の償却費軽減により2026年3月期の損益は△18億円(前期△123億円)と大幅改善。太陽光・風力発電事業の拡大余地を活かし、有形固定資産等増加額は前期13,476百万円から33,872百万円へ大幅増加。

2027年3月期第1四半期よりIFRS任意適用を開始し、グローバル投資家への情報開示の質を向上。在庫影響除き当期利益に対し総還元性向50%以上・年間配当36円を下限とする累進配当を導入し、安定的な株主還元を実現する方針を公表。

最終更新: 2026年7月19日