株式会社ユシロ logo

株式会社ユシロ

5013東証スタンダード石油・石炭製品

株式会社ユシロ logo
株式会社ユシロ5013

事業内容

株式会社ユシロは1944年創業の金属加工油剤専業メーカーで、切削油剤・塑性加工油剤・洗浄剤等を自動車メーカー・部品メーカーを主要顧客として国内外に供給する。国内では金属加工油剤に加えビルメンテナンス製品も手掛ける。

海外は南北アメリカ(米国・ブラジル・メキシコ)、中国(持分法適用関連会社)、東南アジア/インド(マレーシア・タイ・インド・インドネシア)の4地域セグメントで事業を展開し、2026年3月期の連結売上高は51,165百万円。各地域に独立した現地法人を置き、生産・販売・研究開発機能を現地で完結させるグローバル体制を構築している。

ビジネスモデル

各地域の現地法人が生産と製品開発の両機能を持ち、日本のテクニカルセンターと連携しながら「カスタマーインティマシー戦略」(個々の顧客ニーズに合致した製品を提供する戦略)を実践する。自動車メーカー・部品メーカーとの長期的な取引関係を基盤に、製品の継続供給と技術サービスの提供を通じて安定的な売上を確保する。

研究開発費は年間2,153百万円(2026年3月期)を投じ、既存製品の付加価値向上と新規事業領域の開拓を並行して推進する。

企業の強み

有報において「金属加工油剤の国内トップシェア企業」と明記されており、1944年の創業以来80年超にわたり自動車メーカー・部品メーカーとの取引関係を構築してきた。主要顧客の海外進出にもグループ各社を通じて追随対応しており、顧客との関係性が競争優位の源泉となっている。

南北アメリカ(米国・ブラジル・メキシコ)、東南アジア/インド(マレーシア・タイ・インド・インドネシア)等に独立した現地法人を設置し、現地生産・現地販売体制を確立。2026年3月期の海外売上高は31,521百万円(構成比61.6%)に達し、南北アメリカ単独で営業利益の68.5%を占める収益柱に成長している。

分子内ホストゲスト基を活用した自己修復性ポリマー(ウィザードゲル・ウィザードエラストマー・ウィザードモノマー)を製品化し、大学・公的機関・企業研究機関での評価・実用化検討が進行中。ビタミンB2光触媒「ジェンタミン」(ヒカリアクション)も除菌・消臭・水浄化用途で市場展開中であり、既存の金属加工油剤事業とは異なる収益源の育成を実績として進めている。

エンヴァリスの着眼点

2026年3月期の売上高・営業利益は前期比それぞれ7.8%減・11.4%減と見かけ上の減収減益だが、中国合弁会社(上海尤希路化学工業有限公司)の連結除外(2025年9月29日付)という構造変化が主因。中国を除いた売上高は前期比0.8%増、営業利益は同2.7%減にとどまる。

一方、投資有価証券売却益1,362百万円の計上により親会社株主帰属純利益は前期比11.0%増の4,789百万円と増益を達成しており、実力ベースの収益力は維持されていると評価できる。

2027年3月期の会社予想は売上高52,200百万円(前期比2.0%増)、営業利益4,050百万円(同9.8%減)、純利益3,900百万円(同18.6%減)。前期に計上した投資有価証券売却益1,362百万円の剥落が純利益を大きく押し下げる見込み。

また、経費・人件費の増加傾向が継続する中、売上高営業利益率は8.8%(2026年3月期)から7.8%(2027年3月期予想)へ低下する見通しであり、コスト管理と価格転嫁の進捗が焦点となる。

グループ最大収益源である南北アメリカセグメントは、2026年3月期に関税政策の動向を見極める動きから日系自動車メーカーの生産・在庫調整が発生し、売上高が前期比0.3%減となった。外部要因として、米国通商政策の不透明感や中東情勢の緊張に伴うエネルギー価格上昇が引き続き事業環境を左右する。

会社側も中東情勢の影響は現時点で業績予想に織り込んでいないと明示しており、下振れリスクとして注視が必要。

成長戦略

EXPLORER PLUSのもとEV・非自動車・新素材の3軸で事業領域を拡大

主要顧客である自動車メーカー・部品メーカーのEV製品シフトおよびESG志向を見据えた新製品の開発・拡販を推進。採算性確保のための販売価格改定も並行して実施し、国内セグメント売上高は前期比1.1%増を確保した。

今後の需要拡大が見込まれる航空機分野への展開を強化。南北アメリカセグメントでは非自動車分野向け需要が比較的堅調に推移しており、自動車依存度低減に向けた取り組みが進展している。

ビタミンB2光触媒(ヒカリアクション)技術を活用したソリューション製品の事業化および自己修復性素材・機能性添加剤を活用した各種製品の量産体制確立を推進中。着実に実績化が進んでいると会社側は説明している。

IT基盤の強化やDXの推進、人材育成・組織体制の整備など中長期的な視点に立った戦略的投資を継続。2026年3月期の有形固定資産取得支出は2,195百万円(前期766百万円)と大幅増加しており、建設仮勘定も1,695百万円(前期87百万円)へ急増している。

2026年3月期の年間配当は112円(前期98円)へ増額し、配当性向30.9%を維持。後発事象として2026年5月15日取締役会で上限700百万円・265千株の自己株式取得を決議。強固な財務基盤を活用した継続的な株主還元を実施している。

最終更新: 2026年7月19日