事業内容
株式会社ユシロは1944年創業の金属加工油剤専業メーカーで、切削油剤・塑性加工油剤・洗浄剤等を自動車メーカー・部品メーカーを主要顧客として国内外に供給する。国内では金属加工油剤に加えビルメンテナンス製品も手掛ける。
海外は南北アメリカ(米国・ブラジル・メキシコ)、中国(持分法適用関連会社)、東南アジア/インド(マレーシア・タイ・インド・インドネシア)の4地域セグメントで事業を展開し、2026年3月期の連結売上高は51,165百万円。各地域に独立した現地法人を置き、生産・販売・研究開発機能を現地で完結させるグローバル体制を構築している。
ビジネスモデル
各地域の現地法人が生産と製品開発の両機能を持ち、日本のテクニカルセンターと連携しながら「カスタマーインティマシー戦略」(個々の顧客ニーズに合致した製品を提供する戦略)を実践する。自動車メーカー・部品メーカーとの長期的な取引関係を基盤に、製品の継続供給と技術サービスの提供を通じて安定的な売上を確保する。
研究開発費は年間2,153百万円(2026年3月期)を投じ、既存製品の付加価値向上と新規事業領域の開拓を並行して推進する。
企業の強み
有報において「金属加工油剤の国内トップシェア企業」と明記されており、1944年の創業以来80年超にわたり自動車メーカー・部品メーカーとの取引関係を構築してきた。主要顧客の海外進出にもグループ各社を通じて追随対応しており、顧客との関係性が競争優位の源泉となっている。
南北アメリカ(米国・ブラジル・メキシコ)、東南アジア/インド(マレーシア・タイ・インド・インドネシア)等に独立した現地法人を設置し、現地生産・現地販売体制を確立。2026年3月期の海外売上高は31,521百万円(構成比61.6%)に達し、南北アメリカ単独で営業利益の68.5%を占める収益柱に成長している。
分子内ホストゲスト基を活用した自己修復性ポリマー(ウィザードゲル・ウィザードエラストマー・ウィザードモノマー)を製品化し、大学・公的機関・企業研究機関での評価・実用化検討が進行中。ビタミンB2光触媒「ジェンタミン」(ヒカリアクション)も除菌・消臭・水浄化用途で市場展開中であり、既存の金属加工油剤事業とは異なる収益源の育成を実績として進めている。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2022年3月期37,686百万円から2025年3月期55,512百万円まで4期連続増収を達成したが、2026年3月期は51,165百万円(前期比7.8%減)と初の減収。主因は中国合弁会社の連結除外(売上高影響△4,734百万円)であり、中国除きでは前期比0.8%増。
営業利益は4,489百万円(同11.4%減)、売上高営業利益率は8.8%(前期9.1%)と小幅低下。一方、投資有価証券売却益1,362百万円の計上により税前利益は6,888百万円(前期6,186百万円)と増加し、親会社帰属純利益は4,789百万円(同11.0%増)と増益。
外部要因として原材料価格の低下傾向が売上原価を34,053百万円(前期38,115百万円)へ圧縮したが、販売費及び一般管理費は12,622百万円(前期12,328百万円)と増加が続いており、コスト上昇圧力が利益率を抑制している。
成長戦略
EXPLORER PLUSのもとEV・非自動車・新素材の3軸で事業領域を拡大
主要顧客である自動車メーカー・部品メーカーのEV製品シフトおよびESG志向を見据えた新製品の開発・拡販を推進。採算性確保のための販売価格改定も並行して実施し、国内セグメント売上高は前期比1.1%増を確保した。
今後の需要拡大が見込まれる航空機分野への展開を強化。南北アメリカセグメントでは非自動車分野向け需要が比較的堅調に推移しており、自動車依存度低減に向けた取り組みが進展している。
ビタミンB2光触媒(ヒカリアクション)技術を活用したソリューション製品の事業化および自己修復性素材・機能性添加剤を活用した各種製品の量産体制確立を推進中。着実に実績化が進んでいると会社側は説明している。
IT基盤の強化やDXの推進、人材育成・組織体制の整備など中長期的な視点に立った戦略的投資を継続。2026年3月期の有形固定資産取得支出は2,195百万円(前期766百万円)と大幅増加しており、建設仮勘定も1,695百万円(前期87百万円)へ急増している。
2026年3月期の年間配当は112円(前期98円)へ増額し、配当性向30.9%を維持。後発事象として2026年5月15日取締役会で上限700百万円・265千株の自己株式取得を決議。強固な財務基盤を活用した継続的な株主還元を実施している。
最終更新: 2026年7月19日

