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クミアイ化学工業株式会社

4996東証プライム化学

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クミアイ化学工業株式会社4996

事業内容

クミアイ化学工業は1928年創業の農薬専業メーカーで、殺虫剤・殺菌剤・除草剤等の農薬を自社開発から製造・販売まで一貫して手掛ける。国内では全国農業協同組合連合会(JA全農)を主要販売チャネルとし、水稲用除草剤「エフィーダ」・箱処理剤「ディザルタ」等の自社原体製品が主力。

海外では畑作用除草剤「アクシーブ」を米国・豪州・南米等で展開し、米国・ベルギー・インド・シンガポール等に連結子会社を持つグローバルネットワークを構築。第二の柱として、生成AIサーバー向け電子材料(ビスマレイミド類)等を含む化成品事業も運営。

売上高170,462百万円(2025年10月期)のうち農薬及び農業関連事業が約80%を占める。東京証券取引所プライム市場上場。

ビジネスモデル

農薬事業では、自社研究所(生物科学研究所・化学研究所ShIP)で創製した新農薬を特許で保護しつつ、JA全農経由の国内販売と海外子会社・提携会社経由のグローバル販売で収益を獲得する。化成品事業では、クロロトルエン系化学品・精密化学品・産業薬品を製造販売し、生成AI需要を背景とした電子材料分野が収益性を牽引。

研究開発費は年間7,060百万円(2025年10月期)を投じ、パイプライン充実による持続的成長を目指す。

企業の強み

「アクシーブ」「エフィーダ」「ディザルタ」等の自社開発原体を保有し、エフィーダ混合剤は2025年6月時点で国内普及面積558,607haに達する。水稲一発処理除草剤市場でシェア1位を維持しており、自社原体の知財保護と混合剤展開による差別化が収益基盤を支えている。

米国・ベルギー・インド・シンガポール・ブラジル・タイ等に連結子会社・持分法関連会社を展開。米国子会社はミシシッピ試験場を保有し現地評価を実施。FMC Corporationへの販売高は24,365百万円(2025年10月期)と主要顧客の一角を占め、グローバル販売基盤が確立されている。

化成品事業の営業利益率は前期3.1%から2025年10月期6.1%へ改善。生成AIサーバー向け電子材料(ビスマレイミド類)の需要急拡大を背景に営業利益が前期比97.9%増の1,528百万円となり、農薬事業の利益減少を一定程度補完した。

エンヴァリスの着眼点

2026年10月期中間期の営業利益は10,464百万円(前年同期比10.8%増)と好調だが、通期予想は7,200百万円(前期比31.9%減)にとどまる。中間期進捗率は145%に達しており、通期予想の保守性が際立つ。

中東情勢の影響精査中として業績予想を据え置いており、下期に大幅な利益減少を見込む根拠の透明性が低い点は投資家にとって不確実性要因。通期予想の上方修正余地を見極めることが当面の焦点となる。

前年同期に2,621百万円の為替差損を計上した一方、当中間期は1,027百万円の為替差益に転換し、経常利益は前年同期比66.0%増の13,763百万円と大幅改善。持分法による投資利益も1,342百万円から2,318百万円へ増加。

ただし、これらは外部要因(為替・持分法先の業績)に依存する部分が大きく、営業利益ベースの改善幅(10.8%増)との乖離に留意が必要。下期の為替動向が通期経常利益の達成可否を左右する。

連結子会社イハラニッケイ化学工業の塩素化事業において、事業環境悪化を受け減損損失514百万円および構造改革費用907百万円(計1,421百万円)を特別損失に計上。化成品事業の営業利益は増加しているものの、特別損失が純利益を圧迫している。

構造改革の完了時期・追加費用の有無が今後の注目点。一方、ビスマレイミド類を中心とした電子材料分野の成長は継続しており、事業ポートフォリオの高付加価値化が進む方向性は評価できる。

成長戦略

自社開発農薬のグローバル展開と化成品電子材料分野拡大で中計目標達成を目指す

ジェネリック参入を見据えた販促支援強化により、2026年10月期中間期に米国向け出荷が前年同期比増加。特許切れ後の市場シェア維持・後継製品への移行が中期的な収益維持の鍵となる。

次世代農薬の上市準備を進めており、アクシーブ後の収益源として期待される。規制当局への申請・承認取得が進捗の主要マイルストーン。

生成AIサーバー向け需要を背景に、2026年10月期中間期の化成品事業売上高は前年同期比16.2%増と高成長。電子材料分野への設備投資・顧客基盤拡大を継続し、農薬事業に次ぐ収益柱への育成を目指す。

イハラニッケイ化学工業の塩素化事業において減損損失514百万円・構造改革費用907百万円を計上し、事業再編を実施中。不採算事業の整理により化成品事業全体の収益性向上を図る。

2024年10月期を初年度とする中計のもと、企業価値向上に向けた重点施策を推進。2026年10月期通期予想は中計目標との乖離が大きく、達成に向けた下期の業績回復が課題。

最終更新: 2026年7月17日