綜研化学株式会社 logo

綜研化学株式会社

4972東証スタンダード化学

綜研化学株式会社 logo
綜研化学株式会社4972

事業内容

綜研化学は1948年創業の特殊化学品メーカーで、当社および連結子会社5社(中国3社・タイ1社・国内1社)の計6社で構成される。主力のケミカルズセグメントでは粘着剤・微粉体・特殊機能材・加工製品を製造・販売し、液晶ディスプレイ(LCD)向け偏光板用粘着剤を中心に、自動車・情報電子・ライフサイエンス分野へ展開する。

装置システムセグメントでは子会社の綜研テクニックスが装置・システム販売、生産システムエンジニアリング、熱媒体油輸入販売を担う。売上高の約91%をケミカルズが占め、中国・ASEAN・インドを主要市場とするグローバル展開を進めている。

ビジネスモデル

ケミカルズ事業では、アクリル系粘着剤を中心とした独自技術製品を国内外の生産拠点で製造し、LCD・自動車・電子部品メーカー等に直販・商社経由で販売する。売上高の約12%を双日上海が占める等、商社チャネルも活用する。

装置システム事業では、ケミカルズ生産設備の設計・施工・メンテナンスを担い、グループ内外の設備需要を取り込む。研究開発費1,465百万円を投じ、技術差別化による高付加価値製品の継続的な市場投入が収益基盤を支える。

企業の強み

中国南京工場でLCD用粘着剤の生産能力を増強し、2023年度・2024年度と過去最高売上高を更新した実績を持つ。2026年3月期においても液晶ディスプレイ関連の需要が弱含みの中、中国市場での技術対応力強化によりシェアを維持。

粘着剤売上高は31,282百万円と全社売上の約65%を占める中核製品となっている。

2026年3月期の売上高営業利益率は12.9%、売上高経常利益率は13.0%と高水準を維持。自己資本比率は70.7%と財務健全性が高く、現金及び現金同等物は17,360百万円を保有。営業キャッシュ・フローは5,659百万円を創出し、ROA11.1%・ROE10.2%と中期経営計画目標を達成した。

研究開発費1,465百万円を投じ、研究開発部門従業員100名体制を維持。粘着剤・微粉体・特殊機能材・加工製品の4製品ラインに加え、医療・ヘルスケア・環境エネルギー分野の新規事業開発も推進。スタートアップとの協業・出資も実施しており、次世代事業領域創出に向けた技術基盤を構築している。

エンヴァリスの着眼点

2026年3月期の中国向け売上高は25,981百万円と全体の54%を占め、前期(27,177百万円)から減少。米国の関税政策の不透明感を背景とした在庫調整局面でLCD関連需要の回復が緩やかにとどまり、原材料価格下落に伴う値下げが売上・利益を圧迫した。

外部要因として中国LCD市場の需給動向が業績の最大変数であり、この集中リスクの解消進捗が株価評価の分岐点となる。

2027年3月期の連結業績予想は売上高51,500百万円(前期比7.4%増)、営業利益6,300百万円(同2.1%増)と増収増益を見込む。ただし、中東情勢悪化による原材料価格高騰の影響を合理的に見積もることが困難として業績予想に未織り込みであり、次期配当予想も未定とされている。

外部要因として原材料・エネルギー価格の変動が下振れリスクとして残存する点に留意が必要。

会社はインド・ASEAN市場での粘着剤および加工製品の事業拡大に向けた新たな販売・生産体制の構築、スタートアップとの協業による新規事業創出を次期の重点施策として掲げる。2026年3月期の有形固定資産取得は2,799百万円(前期1,491百万円)と大幅増加しており、成長投資が加速している。

特殊機能材製品の電子部品関連需要伸長(売上高前期比4.3%増)など非LCD領域の芽も出ており、転換の具体的進捗が中長期の評価を左右する。

成長戦略

インド・ASEAN展開と次世代事業創出による中国LCD依存からの事業構造改革

インド・ASEAN市場での新たな販売・生産体制の構築を推進。中国LCD市場への集中リスク分散と新興市場での成長取り込みを目指す。2026年3月期の有形固定資産取得が2,799百万円と前期比87%増加しており、設備投資が加速している。

電子部品関連の販売伸長と中国市場での電子材料用途の回復により、特殊機能材製品の売上高は前期比4.3%増を達成。LCD以外の情報・電子分野への用途多様化が進展しており、非LCD収益源の拡大に寄与している。

既存アクリル系粘着剤に依存しない非アクリル製品の開発・用途開拓とバイオマス材料・製品開発の技術基盤確立を推進。スタートアップとの協業による新規事業創出も並行して取り組む。既存事業と親和性の高い新規領域への参入に向けた研究開発機能の強化を図る。

前期に積み上がった受注残高の工事完成高への転換が実現し、2026年3月期の装置システム売上高は4,143百万円(前期比52.3%増)、セグメント利益は179百万円と黒字転換。設備関連工事の受注動向次第で高水準の売上継続が期待される。

最終更新: 2026年7月19日