事業内容
東洋合成工業は1954年設立の特殊化学品メーカーで、フォトレジスト向け感光性材料(PAC・PAG等)の製造販売を中核とする感光性材料事業と、高純度溶剤・香料材料の製造販売および液体化学品タンクターミナル運営を担う化成品事業の2セグメントで構成される。主要顧客は信越化学工業をはじめとする半導体・FPDメーカーおよびフォトレジストメーカーで、2026年3月期の信越化学工業向け売上高は6,889百万円(全体の16.4%)に達する。
千葉工場・淡路工場・市川高浜油槽所を主要拠点とし、研究開発から製造・物流まで一貫した供給体制を有する。東京証券取引所スタンダード市場上場。
ビジネスモデル
感光性材料事業では、顧客と研究開発段階から共同開発を行い、EUV対応レジスト材料等の超高純度製品を製造・販売することで高付加価値収益を得る。化成品事業では、高純度溶剤・香料材料の製造販売に加え、液体化学品タンクターミナル(高浜油槽所)の保管・物流サービスにより安定的なストック型収益を確保する。
両事業の連携により、原材料調達から製品供給・物流まで一体的なサプライチェーンを構築し、顧客の安定調達ニーズに応える。
企業の強み
化学増幅型レジスト用材料分野でEUV用レジスト材料の研究開発を継続し、顧客と研究開発段階から技術摺り合わせを行う協業体制を構築している。2024年に感光材開発分析棟および大規模新規生産設備が完成し、製造技術力・分析体制が強化された。
2026年3月期の研究開発費は1,795百万円を投じており、長年蓄積された高純度合成・精製技術は競合が短期模倣困難な固有優位性である。
感光性材料事業(売上高26,417百万円)と化成品事業(売上高15,538百万円)が密接に連携し、高純度溶剤の製造・精製から液体化学品の保管・物流(高浜油槽所)まで一貫したサプライチェーンを自社内で完結させる。タンクターミナルは輸入品保管需要の増加によりタンク契約率が高水準を維持しており、安定的な物流収益が感光材事業の変動リスクを補完する構造となっている。
2020年に第4感光材工場竣工、2024年に開発分析棟・第4感光材工場第2期工事竣工、2025年3月に淡路工場第2屋内充填所竣工と、中期経営計画「Beyond500」に沿った設備投資を着実に実行している。2026年3月期の設備投資総額は4,336百万円で、新規感光材工場の建設準備および将来の事業用地取得も完了しており、次期供給能力拡大への布石が打たれている。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2024年3月期の31,956百万円を底に2期連続増収で41,956百万円まで回復。しかし利益面では、2024年完成の大型設備・生産情報システムの稼働開始に伴う減価償却費(5,084百万円)と人員増強が期初から固定費を大幅に押し上げ、営業利益率は8.7%(前期10.6%)に低下。
当期純利益は2,692百万円と2024年3月期(2,396百万円)に次ぐ低水準。外部要因として、AI関連半導体需要の拡大が下期にかけて売上を牽引した一方、米国関税措置が香料材料関連製品の売上を圧迫した。
2027年3月期は先端半導体関連需要の拡大と販売価格見直しを織り込み、営業利益5,000百万円(前期比+36.3%)への大幅回復を予想する。
成長戦略
中期計画「Beyond500」のもと先端半導体材料の供給能力増強と技術革新で売上高500億円超を目指す
2024年完成の大規模新規生産設備・感光材開発分析棟に加え、第4感光材工場の増強および新規感光材工場の建設準備を進める。将来の事業用地も取得済みであり、AI・データセンター需要拡大に対応した中長期的な供給能力増強を図る。
淡路工場第2屋内充填所の活用による出荷能力・製品品質向上に加え、タンクヤードおよびローリー充填所の新設に着手。将来の供給能力拡大に向けた事業用地も取得し、先端ロジック・メモリ向け高純度溶剤の需要拡大に対応する。
感光材開発分析棟を活用した開発・分析体制の強化により、次世代製品に必要な要素技術の開発を推進。半導体の微細化・高集積化に対応する新規材料の研究開発、製造技術開発、品質管理の高度化および生産性向上に継続的に取り組む。
原燃料・物流費の上昇に対し、顧客との協議を通じた販売価格の見直しを実施・検討。2027年3月期業績予想に一定程度織り込み済みであり、契約条件・反映時期の進捗が利益率回復の重要変数となる。
最終更新: 2026年7月19日

