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荒川化学工業株式会社

4968東証プライム化学

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荒川化学工業株式会社4968

事業内容

荒川化学工業は1876年創業の特殊化学品メーカーで、連結子会社15社を含むグループで事業を展開する。主力事業は光硬化型樹脂・熱硬化型樹脂を扱う機能性コーティング事業、紙力増強剤・サイズ剤を中心とする製紙・環境事業、水素化石油樹脂・ロジン系粘着接着剤用樹脂の粘接着・バイオマス事業、精密研磨剤・ファインケミカル製品のファイン・エレクトロニクス事業の4セグメント。

日本・中国・台湾・タイ・ベトナム・欧米に製造・販売拠点を持ち、半導体・電子部品・製紙・粘着テープ等の幅広い産業を顧客基盤とする。2026年度に創業150周年を迎え、第6次中計のもとライフサイエンス領域への新規展開も開始している。

ビジネスモデル

顧客の製造工程・製品性能向上ニーズに対し、研究開発本部(研究開発費3,043百万円、研究開発スタッフ247名、国内外特許922件保有)が提案型製品開発を行い、国内外の自社製造拠点で生産・供給する。見込生産方式を採用し、電子材料・製紙・粘接着等の複数産業に分散した顧客基盤から継続的な受注を確保。

高付加価値の電子材料領域に重点投資しつつ、製紙・粘接着事業の安定収益でキャッシュを創出する複合ポートフォリオ型の収益構造を持つ。

企業の強み

機能性コーティング事業の光硬化型樹脂は、AIサーバー・スマートフォン・ディスプレイ向けで需要が伸長し、2025年度に過去最高販売を達成。売上高18,206百万円、セグメント利益率12.1%を実現した。

ナノインプリントリソグラフィ用材料の開発も進行中であり、電子材料製造工程向けコーティング剤としての実績も拡大している。

日本国内の富士・小名浜・水島等の製造拠点に加え、中国(南通・梧州・上海)、台湾、タイ、ベトナム、欧州(ドイツ)、米国に連結子会社を展開。千葉アルコン製造㈱では欧州に続き米国向けにも水素化石油樹脂の安定供給を開始するなど、グローバルな供給体制を構築している。

山口精研工業㈱が手掛けるHDD用精密研磨剤は、データセンター投資拡大を背景に旺盛な需要が継続し、2025年度も過去最高販売を達成。SiC基板向けやガラスディスク用研磨剤の開発も進行中であり、半導体・ストレージ分野での技術的な差別化を維持している。

エンヴァリスの着眼点

2026年3月期の営業利益は2,500百万円(前期比136.4%増)と大幅改善したが、売上高営業利益率は3.0%にとどまる。2022年3月期の3,304百万円にも届かず、第5次中計の営業利益目標も未達で終了した。

千葉アルコン製造㈱を抱える粘接着・バイオマス事業のセグメント損失は1,400百万円と依然大きく、全社収益の構造的な重荷となっている。第6次中計の2028年度営業利益目標5,000百万円達成には、同事業の黒字転換が不可欠である。

外部要因として生成AI需要拡大・データセンター投資活発化という強力な追い風が継続しており、ファインケミカル製品・HDD用精密研磨剤・AIサーバー向け光硬化型樹脂がいずれも過去最高販売を記録した。半導体関連先端材料用新設備の量産化(2026年度後半予定)が実現すれば、ファイン・エレクトロニクス事業の収益貢献が一段と拡大する見込み。

一方、米国関税政策の影響が粘着・接着剤関連需要に波及するリスクには注意が必要。

2026年3月期の親会社株主帰属当期純利益は2,201百万円と前期の2,644百万円から減少した。営業利益・経常利益が大幅改善した一方で、特別利益(固定資産売却益・投資有価証券売却益)が前期2,252百万円から1,016百万円へ縮小し、特別損失(関係会社整理損470百万円・解決金155百万円等)が1,002百万円発生したことが純利益を押し下げた。

非支配株主に帰属する当期純損失が1,535百万円と高水準で継続しており、千葉アルコン製造㈱の損失が連結業績に与える影響の大きさを示している。

成長戦略

電子材料・ライフサイエンスへの集中投資と粘接着損失解消・資本効率向上の三本柱

AIサーバー・半導体向け光硬化型樹脂・ファインケミカル製品・精密研磨剤の生産能力増強投資を第5次中計で完了。半導体関連先端材料用新設備は顧客認証取得後2026年度後半からの量産化を予定しており、ファイン・エレクトロニクス事業の収益拡大が期待される。

第6次中計2030年度目標:ファイン・エレクトロニクス売上高18,500百万円・利益率7.6%。

「アルコン特別委員会」主導で課題解決体制を強化し、2026年3月期の稼働率は前年度から改善・生産量増加を達成。欧州に続き米国向けにも安定供給を開始。

ただし目標稼働率には未達でセグメント損失1,400百万円が継続。製造拠点統廃合によるロジン系樹脂の収益性向上も進行中。

第6次中計2028年度目標:セグメント利益600百万円(黒字転換)。

ヘルスケア(松葉抽出物サプリ「Pino Fleur®」EC販売開始、微細藻類事業をSoPros㈱から譲受)、アグリ(農業資材「EcoRosin®」EC販売開始)、コスメ(ナチュラルウェーブ㈱子会社化)の3分野で事業化を推進。「探索・共同研究」フェーズから「商用化・社会実装」フェーズへ移行。

第6次中計2028年度目標:ライフサイエンス売上高500百万円・利益40百万円。

第6次中計でROICを事業評価指標に加え、低収益・非中核事業の継続的見直しを実施。2026年3月期のROICは2.0%(2025年度実績)で、2028年度目標3.5%以上・2030年度目標5%以上を掲げる。

累進配当を原則とし配当性向目標を50%に引き上げ、キャッシュ創出力強化とPBR向上を目指す。2027年3月期配当予想は年間55円(普通配当52円+創業150周年記念配当3円)。

最終更新: 2026年7月19日