製品安全性・品質管理リスク
紅麹関連製品において想定外の成分混入による健康被害が発生し、多数の消費者および取引先企業に損害を与えた。今後も補償費用や品質向上投資コストが想定以上に増加する可能性があり、経営成績・財政状態への悪影響が継続しうる。対応として品質安全保証本部主導の連続的PDCAを実施し、2024年9月に再発防止策を策定・推進中。
レピュテーション低下リスク
本件事案(紅麹問題)を受けた補償・再発防止策の進捗遅延や、製品パッケージ・広告表現の法令違反・不適切表現のSNS拡散等により、ブランドイメージおよび社会的信用が低下するリスクがある。健康食品・医薬品等に対する消費者の信用低下と購買意欲の低下が長期化する可能性も明示されている。国内外の表現品質管理部門による事前チェック体制を整備し、全社一丸での信頼回復に取り組んでいる。
設備投資・減損リスク
仙台小林製薬の工場増設や中央研究所の移転新築等の大型設備投資を継続しており、市場需要予測の乖離・競合環境変化・ブランドイメージ低下等により期待キャッシュ・フローが生み出せない場合、多額の減損損失が発生するリスクがある。実際に当連結会計年度において建設中の新工場に係る固定資産の減損損失を計上した事実が開示されている。今後は財務本部長を委員長とする「投資専門委員会」での厳格な精査と、投資計画の不断の見直しによるリスク検知の早期化を徹底する方針。
法的規制変更リスク
医薬品・医薬部外品・化粧品等を扱う当社グループは医薬品医療機器等法等の法規変更により製品の開発中止・販売中止を余儀なくされる可能性がある。また輸出入規制の変更により海外売上が変動するリスクも存在する。本件事案を受けて2025年に製品開発・製造関連法規を専門的に扱う部門を新設し、法的規制への対応強化を進めている。
人的資本確保・組織風土改革リスク
本件事案を受けた「品質・安全ファースト」意識の徹底停滞、退職者の急激な増加、品質管理体制強化に必要な人材獲得・育成の遅延、組織風土改革の停滞が生じた場合、社会的責任の遂行が困難となり経営成績・財政状態に悪影響を及ぼす可能性がある。毎月の全役職員向け「品質安全教育」の実施、社長によるワークショップ・エンゲージメント調査、2026年1月導入の新人事制度、組織風土改革プロジェクトの発足等により対応している。
コンプライアンス違反リスク
製品品質・安全性確保、健全な営業活動、会計・税法の適正運用等の観点で多様な法令適用を受けており、役員・従業員のコンプライアンス意識欠如による重大問題発生時には信用・経営成績・財政状態への悪影響が生じる。「小林製薬グループ企業行動憲章」に基づくコンプライアンス推進、年1回の従業員意識調査・コンプライアンスアンケート、「従業員相談室」および海外内部通報窓口の運用等により対応している。
海外事業・為替リスク
海外売上構成比の上昇傾向の中、進出各国の経済成長鈍化・規制変更・資本流出規制等により海外事業業績が変動し投資回収効率が低下するリスクがある。加えて在外連結子会社の財務数値の円換算時に為替レートが大幅変動した場合、連結業績が大きく変動する可能性がある。段階的・合理的な投資予算原則の適用、毎月の現地法人社長からの状況報告体制、主要通貨の変動モニタリングにより対応している。
新製品投入ビジネスモデルリスク
毎年春秋に多数の新製品を発売する成長戦略において、アイデア創出難航・開発中止・競合類似品の先行発売等により新製品売上が想定を下回るリスクがある。特に本件事案を受けて健康食品の新製品については期待売上に達しにくい状況が続く可能性が明示されている。月次「アイデア会議」の開催、「新製品ポートフォリオ」による開発進捗管理、既存ブランド戦略の半年ごとのレビューにより対応している。
情報セキュリティリスク
顧客個人情報・開発中新製品情報・各種ノウハウ等を保有する中、情報漏洩発生時には補償・信用失墜による経営悪化、サイバー攻撃によるシステム停止時には事業活動の中断、企業秘密漏洩時には競争優位性の低下が生じるリスクがある。個人情報保護規程に基づく社内管理体制の整備、重要システムの遠隔地冗長化、重要デジタルデータの日次バックアップ・遠隔地サーバ保存により対応している。
訴訟・知的財産リスク
本件事案に関連して消費者からの訴訟が既に提起されており、今後も紅麹製品購入者や紅麹原料購入企業等からの訴訟を受ける可能性がある。また国内外での幅広い製品展開に伴い第三者による知的財産権侵害または当社による第三者権利侵害が生じた場合、補償負担・信用失墜のリスクがある。関係各国の弁護士事務所との連携による訴訟対応体制の整備、デジタル技術を活用した知財侵害チェックの効率化、被害者への誠実な補償継続により対応している。
重要度・発生可能性は企業の開示情報に基づいて表示されています
最終更新: 2026年4月28日

