事業内容
ライオン株式会社は1891年創業、1980年にライオン歯磨とライオン油脂が合併して現在の形となった東証プライム上場の総合ヘルスケアメーカーである。国内では「システマ」「クリニカ」「NONIO」等のオーラルケアブランドを筆頭に、洗濯・住居・ビューティケア、一般用医薬品(バファリン等)を展開する一般用消費財事業(売上高258,874百万円)が中核を担う。
産業用品事業(58,316百万円)では導電性材料・ゴム用添加剤・業務用洗浄剤等のB2B製品を手掛け、海外事業(177,999百万円)はタイ・マレーシア・中国・韓国等アジア全域で日用品を製造販売する。グループは当社・子会社26社・関連会社4社で構成され、連結売上高422,092百万円を誇る。
ビジネスモデル
国内一般用消費財は代理店・特約店経由で量販店等に販売し、最大顧客のPALTACへの販売高は97,604百万円(売上比23.1%)に達する。高付加価値新製品の育成と値上げによる粗利改善が収益の柱であり、サプライチェーンのデジタル化による物流費抑制も利益率向上に寄与する。
海外はタイ・マレーシア等の現地子会社が製造・販売を担い、現地ニーズに適合した製品開発で成長を図る。研究開発費はグループ全体で11,915百万円を投じ、科学的根拠に基づく製品差別化を維持している。
企業の強み
「システマ」「クリニカ」「NONIO」「デントヘルス」等の複数ブランドを保有し、国内オーラルヘルスケア分野の売上高は80,223百万円(前期比4.7%増)。歯科ルート向け製品も好調で、最高価格帯新製品「デントヘルス薬用ハミガキDXプレミアム」も市場に受け入れられ、高付加価値化が着実に進んでいる。
2025年12月期の事業利益は30,760百万円(前期比16.8%増)、営業利益は36,368百万円(同28.1%増)、親会社帰属当期利益は27,587百万円(同30.1%増)と大幅増益。一般用消費財事業の事業利益率は8.4%(前期7.0%)へ改善し、ROEは9.0%を達成した。
海外事業売上高は177,999百万円(前期比3.6%増)で、東南・南アジアの事業利益は前期比42.3%増の7,109百万円。マレーシア売上高は前期比12.5%増、ベトナム子会社化・バングラデシュ新工場完工・オーストラリアSukinブランド取得と地理的拡大が続いている。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2021年12月期366,234百万円から2025年12月期422,092百万円へ5期連続増収。営業利益は2023年12月期20,505百万円を底に2024年12月期28,387百万円、2025年12月期36,368百万円と急回復し、2026年1Qも前年同期比11.6%増の6,292百万円と増益基調を維持している。
2026年1Q売上高は99,205百万円(前年同期比5.3%増)で、為替変動除きの実質成長率は1.7%増。海外事業の事業利益が前年同期比60.7%増と牽引した一方、一般用消費財事業は広告宣伝費増加により事業利益が8.1%減少。
外部要因として円安が海外売上の円換算額を押し上げており、実質成長率との乖離に留意が必要。2026年通期は営業利益40,000百万円(前期比10.0%増)を予想しており、増益基調の継続が見込まれる。
成長戦略
「収益力の強靭化」を掲げ、オーラルヘルスケア最重点投資とアジア・オセアニア拡大で持続成長を目指す
国内では「デントヘルス薬用ハミガキ DXプレミアム」等の最高価格帯製品育成と歯科ルート向け製品の拡販を推進。海外でも「システマ」等高付加価値ブランドを韓国・中国等で展開し、2026年1Q国内オーラルヘルスケア分野は前年同期比9.8%増を達成。
2026年1月にオーストラリアのナチュラルビューティケア企業PNB Consolidated Pty Ltdを100%子会社化(取得支出13,599百万円)し、東南・南アジア/オセアニア地域の売上高を前年同期比18.8%増に拡大。チャレンジ事業であるビューティケアの新たな事業機会創出を図る。
化学品事業子会社2社の株式譲渡を決定し、経営資源を高収益・高成長事業に集中させる方針を推進。昨年10月の調理関連品ブランド「リード」の他社譲渡に続き、ポートフォリオの選択と集中を着実に実行している。
すすぎ0回・15分洗濯完了・高抗菌効果を訴求する衣料用洗剤新製品「NANOX one 抗菌×時短」を一部販売店で発売し、新たな洗濯習慣を提案。「ソフラン プレミアム消臭」改良新発売等、既存ブランドのリステージも並行して実施。
最終更新: 2026年7月17日

