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株式会社資生堂

4911東証プライム化学

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株式会社資生堂4911

事業内容

株式会社資生堂は1872年の創業以来150年超の歴史を持つ日本最大の化粧品メーカーで、当社・子会社64社・関連会社3社で構成される。化粧品・化粧用具・美容食品・医薬品の製造・販売を主軸に、日本・中国・トラベルリテール・アジアパシフィック・米州・欧州の6セグメントでグローバル展開する。

売上高969,992百万円のうち中国・トラベルリテール事業が35.3%、日本事業が30.4%を占め、「SHISEIDO」「クレ・ド・ポー ボーテ」「エリクシール」「NARS」「Drunk Elephant」等の多様なブランドポートフォリオを保有する。主要顧客は世界各地の一般消費者および免税店・百貨店・Eコマース等の流通チャネルを通じた購買者層である。

ビジネスモデル

自社研究開発(研究開発費271億円、売上高比2.8%)で生み出した皮膚科学・処方技術を基盤に、「SHISEIDO」「クレ・ド・ポー ボーテ」等のプレステージブランドへ選択と集中を図る。百貨店・専門店・Eコマース・免税店(トラベルリテール)等の多チャネルを通じて世界販売し、高差益率のプレミアム製品ミックスで収益を確保する。

コア営業利益率は全社4.6%(2025期)だが、中国・トラベルリテール事業は18.7%、日本事業は13.1%と高収益セグメントが利益を牽引する構造である。

企業の強み

資生堂グローバルイノベーションセンターを中心に米・仏・中に研究拠点を展開。第35回国際化粧品技術者会連盟カンヌ大会2025でポスター発表最優秀賞、第17回アジア化粧品技術者会マニラ大会2025で口頭発表1等賞を受賞。

マサチューセッツ総合病院・東北大学・東京大学等との共同研究で世界初の知見を継続的に創出している。

連結売上高の35.3%を占める中国・トラベルリテール事業は、2025期のコア営業利益率18.7%(64,525百万円)を達成。「クレ・ド・ポー ボーテ」「NARS」等注力プレステージブランドが中国Eコマース(ダブルイレブン)で大きく伸長し、固定費低減の構造改革効果も加わり、グループ利益の最大貢献セグメントとなっている。

「ミライシフト NIPPON 2025」に基づく固定費低減・ブランド選択集中により、日本事業のコア営業利益率は前期8.8%から2025期13.1%へ大幅改善。コア営業利益は25,879百万円から38,972百万円へ前年比50.6%増益を達成。

訪日外国人旅行者数の過去最多更新によるインバウンド需要も継続的に寄与している。

エンヴァリスの着眼点

2026年1Qのコア営業利益13,029百万円は通期予想69,000百万円の18.9%、親会社帰属純利益8,371百万円は通期予想42,000百万円の19.9%に相当し、季節性を考慮しても進捗率は良好。売上高実質増減率は△2.7%と為替・事業譲渡影響を除くと微減だが、利益改善の質は高く、構造改革効果の発現が確認できる。

通期業績予想は修正なし。

欧州事業のコア営業損失は△1,637百万円(前年同期△422百万円から悪化)、日本事業も売上高71,218百万円(前年同期比△4.0%)と減収。一方、米州事業はコア営業利益329百万円と前年同期の△1,853百万円から黒字転換し、Drunk Elephantのターンアラウンドが進捗。

外部要因として円安(在外換算差額プラス)が包括利益を押し上げているが、実質ベースの売上回復が課題として残る。

後発事象として台湾資生堂新竹工場(スキンケア製品等)の閉鎖・国内移管を決定。閉鎖費用は総額35億円程度(非経常項目)で、うち当期約20億円は通期業績予想に織り込み済み、翌期約15億円が追加発生見込み。

グローバル工場稼働率向上とコスト効率改善を目的とした「2030中期経営戦略」の「グローバルオペレーション進化」施策の具体化であり、中長期的な収益改善に寄与すると判断される。

成長戦略

2030中期戦略でブランド価値最大化・グローバルオペレーション進化・サステナブル価値創造を推進

固定費低減・不採算事業整理・組織スリム化を通じたコスト構造の抜本改革。2026年1Qのコア営業利益率5.6%(前年同期3.6%)への改善で効果が顕在化。本社費用削減(前年同期△19,367百万円→当期△15,598百万円)が利益改善を牽引。

「SHISEIDO」「クレ・ド・ポー ボーテ」「NARS」等注力ブランドへの戦略的投資集中。中国・トラベルリテール事業でコア営業利益率19.8%を達成し、高付加価値ブランドへの集中効果が数値に表れている。

台湾資生堂新竹工場を2027年第1四半期に生産終了・下期閉鎖予定とし、那須工場等国内拠点へ製造移管。グローバル工場稼働率向上とコスト効率改善を図り、台湾資生堂は現地流通事業へ経営資源を集中。閉鎖費用約35億円は業績予想に織り込み済み。

米州事業は2026年1Qにコア営業利益329百万円と前年同期の△1,853百万円から黒字転換。実質売上増減率5.1%増と実態回復が確認された。Drunk Elephantの構造改革と主力ブランドへの戦略的投資強化が奏功しつつある。

欧州事業は2026年1Qコア営業損失△1,637百万円と前年同期△422百万円から悪化。「Zadig&Voltaire」「narciso rodriguez」等フレグランス新商品投入による成長と、プレステージスキンケアの回復が収益改善の鍵。

外部要因として欧州通貨安(実質増減率△9.9%)が逆風となっている。

最終更新: 2026年7月17日