事業内容
株式会社ケイファーマは2016年11月設立の慶應義塾大学医学部発バイオベンチャーで、「医療イノベーションを実現し、医療分野での社会貢献を果たします」を経営理念に掲げる。ALS・脊髄損傷・認知症等、有効な治療法が未確立の中枢神経疾患領域を対象に、iPS細胞を活用したiPS創薬事業(6パイプライン)と再生医療事業(5パイプライン)をハイブリッドで展開する。
2023年10月に東京証券取引所グロース市場へ上場。現時点では売上計上段階に至っておらず、研究開発の進捗が主要な経営指標となっている。
ビジネスモデル
慶應義塾大学等の基礎研究成果・特許の独占的実施許諾権を取得し、自社で研究開発を推進したうえで、製薬会社等パートナーへ共同研究契約またはライセンス契約を通じて権利を導出する。収入形態は契約一時金・開発達成マイルストン・販売ロイヤリティ・販売達成マイルストンの4層構造。
ALS治療薬KP2011はアルフレッサ ファーマ株式会社へ導出済みで、開発費用は同社が負担する。再生医療事業では中長期的に自社製造販売も視野に入れる。
企業の強み
岡野栄之教授(CSO)・中村雅也教授(CTO)が取締役として参画し、慶應義塾大学との共同研究契約・特許実施許諾契約を複数締結。2023年2月には慶應義塾大学信濃町キャンパス内に「ケイファーマ・慶應 脊髄再生ラボ」を開設し、最先端基礎研究を直接事業に転換する体制を構築している。
ロピニロール塩酸塩のALS第Ⅰ/Ⅱa相医師主導治験でプラセボ比27.9週の病勢進行抑制を確認し、Cell Stem Cell誌(2023年)に掲載。2023年3月にアルフレッサ ファーマ株式会社へ国内開発権・製造販売権を導出し、2025年12月に同社がKA-2301の第I相臨床試験を完了した。
iPS創薬事業6パイプライン(ALS・難聴・前頭側頭型認知症・ハンチントン病等)と再生医療事業5パイプライン(亜急性期・慢性期脊髄損傷・慢性期脳梗塞等)を並行展開。亜急性期脊髄損傷の医師主導臨床研究では4症例全例が安全性・有効性評価に含まれ、企業治験移行準備段階に到達している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
2026年12月期第1四半期累計(2026年1月〜3月)は売上高ゼロが継続。販売費及び一般管理費237百万円(前年同期199百万円)の増加により営業損失237百万円(前年同期198百万円)、経常損失242百万円(前年同期198百万円)、四半期純損失250百万円(前年同期199百万円)と損失が拡大した。
社債利息7百万円の計上(前年同期ゼロ)および減損損失7百万円の特別損失計上も純損失拡大に寄与。過去実績では2023期に営業利益366百万円を計上したが、2024期以降は研究開発投資の本格化により損失フェーズに転換。
通期業績予想は営業損失1,520百万円、当期純損失1,616百万円(1株当たり純損失139.28円)と大幅赤字が続く見通し。
成長戦略
ALS第Ⅲ相試験・脊髄損傷企業治験・海外特許取得の3軸で収益化を目指す
アルフレッサ ファーマと共同で国内における検証的治験(第Ⅲ相試験)に向けた準備を推進。一刻も早い患者への治療薬提供を目指しており、治験開始が承認申請・ライセンス収益化への最重要マイルストン。
米国特許庁よりALS治療薬に関する特許査定通知を受領。海外でのライセンスアウトや共同開発交渉の基盤となる知財を確保し、グローバルな収益機会の拡大を図る。
ニコン・セル・イノベーションとの基本合意書締結(2026年2月)に基づき、技術移管および治験製品製造を推進。企業治験開始に向けた具体的な準備が進展しており、再生医療事業の収益化第1弾となることが期待される。
国立病院機構大阪医療センターとの共同研究契約を2029年3月31日まで延長し、ヒトiPS細胞由来再生医療等製品の企業治験に向けた具体的準備を推進。一定の進捗・成果を踏まえた延長であり、治験申請への移行が次の評価ポイント。
学校法人北里研究所との共同研究契約を2027年3月まで延長し、臨床試験開始に向けた非臨床データ取得および各種評価系を用いた有効性評価を継続。ALS・脊髄損傷に続く第3のパイプライン収益化を目指す。
最終更新: 2026年7月17日

