新薬開発の不確実性
医療用医薬品の開発には多額の研究開発投資と長期間を要し、前臨床・臨床試験での成功が後続段階の成功を保証しない。規制当局との合意形成の遅れや承認取得失敗により開発延長・中止となった場合、当該開発への投資全額を失うリスクがある。対応策として、パイプライン・対象疾患の拡充と規制当局との事前相談を通じた適切な助言取得に努めている。
リードパイプライン競合リスク
脳梗塞治療薬TMS-007のリードパイプラインに対し、Tenecteplase(米国で承認済)、Sovateltide(インド承認・米国第Ⅲ相開始)、LT3001(第Ⅲ相移行意図表明)、HRS-7450(TMS-007類縁体、中国第Ⅱ相開始)など複数の競合品が存在する。競合新薬の先行上市によりTMS-007の優位性が低下した場合、提携先が開発を中断・遅延させる可能性があり、当社のマイルストーン・ロイヤリティ収入に甚大な影響を及ぼす。バイオシミラー参入の可能性も存在する。
提携先依存と収益変動
当社収益はTMS-007の提携先(CORXEL)からのマイルストーン・ロイヤリティ収入に強く依存しており、提携先の戦略変更・ポートフォリオ見直し・開発中止等により収益が大きく変動するリスクがある。提携先はTMS-007関連特許を単独所有し臨床試験の大部分を管理するため、当社の情報アクセス権は限定的であり、将来収益の正確な予測が困難である。次のマイルストーンは日本以外の地域におけるTMS-007第Ⅲ相臨床試験の5例目投与完了時を見込んでいる。
資金繰りと継続企業リスク
当社は研究開発型企業として継続的に営業損失・営業キャッシュ・フローのマイナスを計上しており、2025年12月期末時点で3,763百万円の繰越欠損金が存在する。安定的な収益源を確保するまでの間、適切な時期に資金調達を実施する方針だが、必要なタイミング・条件で資金確保できない場合、事業継続に重大な懸念が生じる可能性がある。2025年3月には行使価額修正条項付第10回新株予約権(潜在株式数2,870,000株、発行済株式総数の6.3%相当)を発行し資金調達を図っている。
知的財産権の保護リスク
TMS-007の成立済重要特許の有効期間は2030年満了見込みであり、出願中特許が認められた場合でも2042年満了見込みにとどまる。TMS-008・TMS-009の成立済特許は2027年満了見込みと短く、追加特許取得ができない場合、製品候補の開発・商業化能力に悪影響が及ぶ。また、提携先がSMTP化合物関連知的財産権を独占行使する権限を有しており、提携先が適切に権限行使しない場合、当社の開発能力が制約される可能性がある。
薬価規制・医療費削減圧力
日本では継続的な薬価基準改定・後発医薬品促進策により薬価抑制が進んでおり、米国では2023年8月成立のインフレ抑制法(Inflation Reduction Act of 2022)による薬価規制強化の動きがある。欧州でも並行輸入品・後発品との競争や費用対効果評価の利用増加により薬価下落圧力が存在する。これらの行政施策により当社が製品候補の販売から得るロイヤリティ収入が減少する可能性がある。
外部委託先への依存リスク
当社は製造設備を保有せず、製品候補の製造・供給を日本マイクロバイオファーマ株式会社等の第三者受託製造機関に依存している。代替先確保が困難な委託先との契約が不測の理由で終了した場合や、自然災害・規制当局の取り締まり等により委託業務が停滞した場合、事業活動に重大な支障が生じる。TMS-007とTMS-008の製造が共通の受託機関に集中しており、製造時期の重複が生じた場合にいずれかの開発スケジュールに影響を及ぼす可能性もある。
小規模組織・人材依存リスク
当事業年度末現在、正社員18名の小規模組織であり、代表取締役社長・取締役会長(創業研究者)・開発担当取締役をはじめとする少数の主要人材に事業活動が強く依存している。主要人材の流出や人材確保・育成が順調に進まない場合、事業活動に支障が生じ業績・財政状態に重大な影響を及ぼす可能性がある。組織文化の醸成と新規採用を含む社内体制強化を進めているが、小規模ゆえの脆弱性は継続的なリスクである。
株式希薄化リスク
当社は研究開発資金確保のため新株発行を伴う資金調達を機動的に実施する方針であり、2025年3月発行の第10回新株予約権(行使価額修正条項付)の潜在株式数は2,870,000株(発行済株式総数45,485,767株の6.3%相当)に上る。ストック・オプション等の新株予約権行使による潜在株式数は2,372,380株が存在し、これらが行使された場合、1株当たりの株式価値が希薄化し株価形成に影響を与える。また、発行済株式総数の19.1%をVC等が保有しており、売却時の需給変動による株価への影響も懸念される。
情報セキュリティリスク
当社は研究開発に関する機密情報・個人情報を保有しているが、現時点でサイバーセキュリティ保険には未加入であり、役職員の不注意・故意やサイバー攻撃等による情報漏洩リスクが存在する。重要な機密情報が流出した場合、事業展開・経営成績への影響に加え、変化の激しいデータプライバシー規制への違反により業務停止を含む規制上の措置・制裁や訴訟の対象となる可能性がある。情報セキュリティ管理規程・個人情報保護管理規程の整備と提携先・取引先との守秘義務契約締結により対応している。
重要度・発生可能性は企業の開示情報に基づいて表示されています
最終更新: 2026年4月27日

