事業内容
株式会社坪田ラボは2012年設立の慶應義塾大学医学部発ベンチャーで、「VISIONary INNOVATIONで未来をごきげんにする」をパーパスに掲げる。近視・ドライアイ・老視・脳疾患という高アンメット・メディカル・ニーズ領域に特化し、バイオレットライト(波長360〜400nm)技術を中核とした独自の光科学×医科学融合アプローチで研究開発を推進する。
慶應義塾大学医学部眼科学教室との共同研究を基盤に、ロート製薬・マルホ・ジンズホールディングス・Laboratoires Théa等の国内外パートナー企業へ研究成果を導出するB2B型の研究開発事業を単一セグメントで展開している。
ビジネスモデル
独自のCo-Creation Core(CCC)コンセプトのもと、大学・研究機関との共創で生み出した研究成果を知的財産として確立し、パートナー企業との共同研究開発契約・実施許諾契約を通じて契約一時金・マイルストーン・上市後ロイヤリティを収益源とする。得られた収益を新たな研究開発へ再投資する循環型イノベーションモデルを採用。
研究予算の約70%を既存パイプライン深化、約30%を新領域探索に配分するT型戦略で短期成果と中長期成長の両立を図る。
企業の強み
2017年に慶應義塾大学医学部眼科教室でバイオレットライト(360〜400nm)が近視進行抑制に有効であることを発見。OPN5を介した脈絡膜血流増加メカニズムを解明し、関連特許を積極的に出願・取得。
2025年4月には「知財功労賞 特許庁長官表彰」を受賞しており、他社が短期間で模倣困難な独自の知的財産基盤を構築している。
ロート製薬・マルホ・ジンズホールディングス・Laboratoires Théa・Shenyang Xingqi・Beijing Yijieとの実施許諾契約を締結済み。TLM-001(マルホ)・TLM-003(ロート・Théa)・TLG-001(ジンズ・中国2社)等、複数パイプラインが第II相臨床試験段階に進展しており、マイルストーン収入の段階的計上実績を有する。
慶應義塾大学医学部眼科学教室との共同研究契約を2027年3月まで締結し、近視進行の分子機序解明を継続推進。独自の研究助成制度T-SBIRを設立し、アカデミアネットワークを国内外に構築。外部研究者(委託研究員)との連携により、少人数組織で多疾患領域に対応できる効率的な研究開発体制を実現している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
過去5期の売上高推移は641百万円(2022期)→955百万円(2023期)→674百万円(2024期)→1,357百万円(2025期)→200百万円(2026期)と、導出契約の成立タイミングに連動した激しい変動を繰り返している。2026年3月期は前期に計上された大型導出契約一時金の反動に加え、研究開発投資を継続したことで営業損失788百万円・当期純損失762百万円を計上した。
販売費及び一般管理費は919百万円と高水準を維持しており、売上高200百万円に対して売上総利益132百万円では固定費を到底吸収できない構造となっている。2027年3月期は導出済みプロジェクトのマイルストーン収入と新規導出一時金により売上高1,100〜1,500百万円・営業黒字化を会社は予想している。
成長戦略
既存パイプラインの臨床進展・新規導出契約締結と収益源多様化による持続的成長
MGDを対象としたTLM-001についてマルホ株式会社が第IIa相試験を開始し、2026年3月期にマイルストーン収入を計上済み。今後の試験進捗に応じた追加マイルストーン収入の計上が見込まれる。
近視治療薬TLM-003について、ロート製薬との長期開発契約に基づく国内第II相臨床試験が開始されたほか、欧州導出先Théa社による第II相試験も開始。開発進捗に応じたマイルストーン収入の計上が期待される。
バイオレットライト技術を用いた医療機器TLG-001の検証的臨床試験の観察期間が完了し、有効性の主要解析を実施。重篤な有害事象による中止例はなく良好な安全性プロファイルが確認された。屋外活動時間が短い被験者群で統計的有意差を確認。今後の承認申請・取得が近中期の最重要カタリスト。
角結膜障害対象TLM-017の特定臨床研究開始、網膜色素変性症対象TLG-020の慶應義塾大学での特定臨床研究開始、月経不順対象TLG-021の特定臨床研究実施と新たな介入アプローチの可能性確認など、複数の新規パイプラインが臨床段階に進展。将来的な導出機会の創出につながる。
ハーバード大学での研究を基盤に米国Delavie Sciences社が開発した基礎化粧品ブランド「aeonia」の日本国内独占販売契約を締結し販売を開始。ライセンス収入依存からの脱却と収益の安定化を目指す新たな取り組み。
次期事業年度において研究開発投資400百万円を計画し、国内外の有力研究機関・共同研究先との連携強化を通じて知的財産の強化とパイプライン拡充を推進。導出済みプロジェクトのマイルストーン収入と新規導出一時金により売上高1,100〜1,500百万円・営業利益5〜50百万円の黒字化を目指す。
最終更新: 2026年7月19日

