事業内容
サワイグループホールディングスは、中核子会社の沢井製薬を中心に、ジェネリック医薬品(後発医薬品)の研究開発・製造・販売を行う持株会社である。循環器官用薬・中枢神経系用薬・消化器官用薬など約700品目を提供し、全国6工場・9製造拠点を有する。
主要顧客は卸売業者(メディセオ、アルフレッサ等)を通じた病院・薬局であり、国内医療用医薬品市場に特化した単一セグメント体制で事業を展開する。2021年に持株会社体制へ移行し、デジタルヘルスケア事業(FrontAct)も傘下に加え、ヘルスケア領域への事業拡張を進めている。
ビジネスモデル
自社工場での大量生産によるコスト競争力を基盤に、卸売業者経由で医療機関・薬局へ販売する。薬価制度下での価格競争に対応するため、一番手上市による市場シェア獲得と製剤技術「SAWAI HARMOTECH®」による付加価値差別化を組み合わせる。
売上収益201,676百万円のうち上位2社(メディセオ・アルフレッサ)で約40%を占める卸依存型の販売構造を持つ。
企業の強み
沢井製薬は全国6工場・9製造拠点を有し、当連結会計年度末の生産能力は約205億錠(錠換算)。2024年7月に第二九州工場新固形剤棟が竣工し最終35億錠の生産能力を追加。清間第二・第三工場への追加投資により年間250億錠体制の構築を目指しており、業界内で突出した生産規模を誇る。
循環器官用薬・中枢神経系用薬・消化器官用薬など約700品目を提供。当連結会計年度にジェネリック医薬品11成分20品目の製造販売承認を取得し、ダパグリフロジン錠・ラコサミド錠等5成分9品目を新規発売。
独自製剤技術「SAWAI HARMOTECH®」を公開し、高付加価値製品の一番手上市を競争優位の柱としている。
当連結会計年度の研究開発費は12,388百万円。中期経営計画3年間合計で研究開発投資約350億円を計画しており、製剤技術の蓄積と新製品パイプラインの継続的な充実を図っている。
2024年12月には発がん性物質ニトロソアミン類の分析に特化した神戸分析研究センターを開設し、品質管理体制の高度化にも投資している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上収益は2026年3月期に201,676百万円(前期比6.7%増)と5期ぶりに200,000百万円台を回復。営業利益は15,894百万円と前期比292.5%増だが、前期に計上した訴訟等引当金(16,902百万円)の取崩が主因であり、経常的収益力を示すコア営業利益は24,778百万円(前期比3.6%減)。
親会社帰属当期利益は10,438百万円(前期比12.8%減)で、非継続事業(米国事業)からの損失1,098百万円が影響。外部要因としてエネルギー・原材料価格高騰・円安によるコスト上昇が継続しており、売上原価率は70.8%(前期70.2%)に上昇。
2027年3月期はコア営業利益29,600百万円(前期比19.5%増)を予想し、最低薬価引き上げ効果と新規上市品の寄与による収益性改善を見込む。
成長戦略
GE着実成長・生産能力増強・デジタルヘルス育成の三本柱で中計最終年度へ
選定療養制度(2024年10月導入)によるGE需要促進を追い風に、ダパグリフロジン錠・ラコサミド錠等5成分9品目を2025年12月に発売。エーザイからワーファリン権利承継(2025年3月契約)で循環器領域を強化し、売上収益208,400百万円(2027年3月期予想)を目指す。
第二九州工場新固形剤棟(最終35億錠、2024年7月竣工)に続き、清間第二・第三工場への設備投資で25億錠の増産を計画。トラストファーマテックの稼働率向上も並行推進し、グループ年間250億錠体制の確立を目指す。2026年3月期の有形固定資産取得支出は13,416百万円。
FrontAct子会社化(2025年6月)によりPHR事業の専門人材・ノウハウを獲得。東京都・都内4区市との高齢者健康づくり連携協定(2025年10月)を締結。CureAppとのアルコール依存症DTxは2025年9月に販売開始。無形資産取得支出11,055百万円を計上し事業基盤を整備中。
日医工との後発医薬品品目統合等に向けた協業合意(2025年9月)により、少量多品目構造の解消と安定供給体制の業界全体での構築を推進。後発医薬品製造基盤整備基金の活用も視野に、生産効率向上と法的枠組み整備への対応を進める。
自己株式33,240百万円を当期消却し資本構造を最適化。年間配当55円(2026年3月期)・56円(2027年3月期予想)と増配基調を維持。親会社所有者帰属持分比率は49.6%に改善。中計重点テーマ「資本効率改善」のもとROE向上を目指す。
最終更新: 2026年7月19日

