事業内容
あすか製薬ホールディングス株式会社は2021年4月に単独株式移転により設立された持株会社で、子会社5社・関連会社6社から構成される。中核の医薬品事業では産婦人科・内科・泌尿器科の3分野に特化し、子宮筋腫治療剤「レルミナ」、月経困難症治療剤「ドロエチ」、甲状腺ホルモン剤「チラーヂン」等の専門性の高い医療用医薬品を製造・販売する。
これに加え、動物用医薬品・飼料添加物を手掛けるアニマルヘルス事業、ベトナムのHataphar社を中核とする海外事業、臨床検査・医療機器等のその他事業を展開し、医療関連ビジネスを多角的に運営している。東京証券取引所プライム市場上場。
ビジネスモデル
売上高の80.4%(57,155百万円)を武田薬品工業との販売契約に依存する構造を持ち、同社の流通網を活用して専門領域製品を医療機関に届ける。自社創薬に加え、海外製薬企業からの技術導入(ドロスピレノン製剤、レルゴリクス配合剤等)により製品パイプラインを拡充し、承認取得後に国内独占販売権を行使して収益化する。
研究開発費は7,060百万円(2026年3月期)を投じ、将来の収益源を継続的に育成している。
企業の強み
レルミナ(11,173百万円、前期比6.1%増)、ドロエチ(8,312百万円、同10.8%増)が2026年3月期も二桁前後の成長を継続。2025年5月にはLF111(ドロスピレノン単剤経口避妊剤)の製造販売承認を取得し、産婦人科領域の製品ラインが更に拡充された。
スペシャリティエリア制による質の高い情報提供体制が競合参入障壁を形成している。
甲状腺ホルモン剤チラーヂンは国内シェア9割超を維持し、2026年3月期売上高は8,775百万円(前期比8.2%増)と安定成長を継続。長年の処方実績と医師・患者の信頼に基づく高いブランド定着度は、後発品参入が困難な構造的優位性を形成しており、安定的なキャッシュ創出源となっている。
2026年3月期末の自己資本比率は62.61%、純資産合計は76,819百万円と財務健全性が高い。営業キャッシュフローは6,303百万円(前期比2,485百万円から大幅改善)を確保し、研究開発投資7,060百万円・設備投資2,702百万円を自己資金で賄いながら配当も継続できる財務体力を有する。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
2026年3月期は売上高71,127百万円(前期比10.9%増)、営業利益5,834百万円(同9.4%増)、親会社株主帰属純利益5,424百万円(同6.3%増)と全指標で増収増益を達成。売上増加の主因は産婦人科・内科領域の重点品伸長に加え、ベトナム子会社ハタファー社の連結寄与(海外事業売上高4,640百万円)。
売上原価率は前期比0.9%上昇し、販管費も研究開発費増加(7,060百万円)等で2,307百万円増加したが、増収効果が吸収した。営業CFは6,303百万円と前期(2,485百万円)から大幅改善。
2027年3月期は売上高73,000百万円(2.6%増)・営業利益6,200百万円(6.3%増)と増収増益を見込む一方、特別利益剥落等により純利益は4,800百万円(11.5%減)と減益予想。外部環境として毎年薬価改定が継続するが、最低薬価引き上げが一部製品の追い風となる。
成長戦略
ASKA VISION 2035のもと創薬・グローバル・アニマルヘルス・検査の4軸で持続成長を追求
レルミナ・ドロエチ・チラーヂン・リフキシマ等の主力品が堅調に推移。2027年3月期もレルミナ11,340百万円・チラーヂン9,082百万円・リフキシマ8,023百万円と増収を見込み、既存製品の市場浸透深化が安定収益基盤を支える。
LF111(ドロスピレノン、避妊)が2025年5月に承認取得済み。AKP-022(レルゴリクス配合剤)は子宮筋腫・子宮内膜症でPhaseⅢ試験進行中。AKP-009(前立腺肥大症)はPhaseⅡ段階。承認・上市により医薬品事業の次の成長ドライバーを確立する。
2026年3月期に海外事業セグメント利益108百万円と黒字化を達成。新工場建設・稼働に向けた協業推進により生産能力を拡大し、東南アジア市場での競争力強化とグループのノウハウ移転による収益性向上を目指す。
2026年度を初年度とする中期経営計画2028を開始。国内医療用医薬品事業を基盤に、創薬・グローバル・アニマルヘルス・検査・アラウンドピルの各事業成長を推進し、持続的な収益拡大と企業価値向上を目指す。
2026年3月期年間配当60円(前期比5円増)を実施。2027年3月期より総還元性向40%を目安とし、累進配当(特別配当を除く)を導入。2027年3月期年間配当65円(中間32円・期末33円)を予定し、株主還元の充実を図る。
最終更新: 2026年7月19日

