事業内容
室町ケミカル株式会社は1917年創業、福岡県大牟田市に本社を置く東証スタンダード上場企業。医薬品事業では原薬の輸入・合成・精製・分析を一貫提供する「原薬トータルサービス」を展開し、国内製薬会社・医薬品商社を主要顧客とする。
化学品事業ではイオン交換樹脂・分離膜・水処理装置を軸に半導体・電力・化学メーカー向けに液体処理ソリューションを提供する。健康食品事業(スティックゼリーODM)は2026年5月期末をもって撤退を決定済みであり、今後は医薬品・化学品の2事業に経営資源を集中させる方針を掲げている。
ビジネスモデル
医薬品事業では海外原薬メーカーからの直接調達(商社機能)と自社工場での製造・精製・分析(メーカー機能)を組み合わせ、品質保証と調達コスト削減を同時に実現する。化学品事業ではイオン交換樹脂等の仕入販売に加え、自社加工・水処理装置設計・受託加工を組み合わせた高付加価値サービスを提供する。
両事業とも自社分析・開発部門を保有し、顧客課題への技術提案力が差別化の源泉となっている。
企業の強み
中国・インド・オランダ等の海外原薬メーカーからの直接調達ネットワークと、自社医薬品合成工場・医薬品開発センターによる製造・分析能力を併せ持つ。日本薬局方に基づく自社試験体制により、輸入から製造・加工・分析・試験まで一貫したトータルサービスを提供できる点が競合との差別化要因となっている。
国内でも数少ないイオン交換樹脂の再生・乾燥・粉砕等の加工設備を保有し、ランクセス社製レバチット®やデュポン社製デュオライト™等の複数メーカー品を取り扱う。純水製造以外の特殊液体処理用途への対応を得意とし、自社分析・開発部門のノウハウと組み合わせた顧客課題解決型の提案力を有する。
2025年5月期末の自己資本比率は46.6%と、中期経営計画2025の目標値35%以上を上回る水準を確保。総資産5,264百万円に対し純資産2,451百万円。コミットメントライン1,300百万円・当座貸越300百万円の借入枠を確保しており、設備投資や事業拡大に向けた財務的な余力を維持している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2022期5,681百万円から2026期7,841百万円へ5年間で38%増と成長が加速。2026年5月期の売上高は前期比17.9%増と近年最大の伸び率を記録し、営業利益率も6.5%から9.5%へ改善した。
医薬品事業の輸入原薬売上大幅伸長(前期比23.9%増)と健康食品事業の黒字転換が主要ドライバー。外部要因としてAI・半導体関連投資需要の拡大が化学品事業の追い風となった。
一方、医薬品合成事業の減損損失399百万円が特別損失として計上され、当期純利益は163百万円(前期241百万円)と減少。2027年5月期は健康食品撤退後の間接費負担増等により営業利益550百万円(前期比26.0%減)を予想している。
成長戦略
健康食品撤退完了後の医薬品・化学品2事業集中により中長期的な収益力向上を目指す
輸入原薬の調達ネットワーク拡充および海外企業とのアライアンスを活用し、取引品目・供給先の多様化を推進。2026年5月期に輸入原薬売上が大幅伸長した実績を基盤に、さらなる事業基盤強化を図る。売上構成変化により当面利益率の低下が見込まれる点が課題。
自社製造原薬では第2四半期上市の新製品が好調に推移した実績を踏まえ、販売拡大および開発案件の受注獲得に継続取り組む。医薬品開発センターを活用した将来的な製造原薬の立ち上げにより、メーカー機能の収益貢献拡大を目指す。
半導体・電力業界向けのイオン交換樹脂販売拡大に加え、開発センター整備を通じてPFAS関連分野・電力市場等への新市場展開を推進。液体処理技術の知見・ソリューション提案力強化により案件受注の迅速化を図る。2026年5月期は前期比11.6%増収・59.7%増益を達成。
2026年5月期末に健康食品事業からの撤退を予定通り完了。撤退に伴い生じた人員・製造スペース・倉庫等の経営資源を医薬品・化学品の2事業へ再配置し、両事業の強化を推進。間接費負担の一時的増加を吸収しながら中長期的な収益力向上を目指す。
最終更新: 2026年7月17日

