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クリングルファーマ株式会社

4884東証グロース医薬品

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クリングルファーマ株式会社4884

事業内容

クリングルファーマは2001年設立の大学発創薬バイオベンチャーで、大阪大学名誉教授・中村敏一氏が発見したHGF(肝細胞増殖因子)タンパク質を唯一の創薬シーズとして難治性疾患治療薬の開発を行う。脊髄損傷急性期・声帯瘢痕・ALS・急性腎障害の4疾患で臨床試験を実施済みまたは進行中。

自社での医薬品製造販売承認取得を基本方針とし、承認後は丸石製薬・東邦ホールディングスとの提携によるサプライチェーンを活用した販売を想定。2020年12月に東京証券取引所マザーズ(現グロース)に上場。

現在は脊髄損傷急性期と声帯瘢痕の2パイプラインに経営資源を集中している。

ビジネスモデル

現時点の売上は米国クラリス・バイオセラピューティクス社からの技術アクセスフィー(年間定額ロイヤリティ)が唯一の収益源(2025年9月期:72百万円)。承認後は契約一時金・開発マイルストーン・販売マイルストーン・ロイヤリティ・製品販売の複合収益を想定。

製造は外部受託機関に委託し、販売は提携先(丸石製薬・東邦HD)に依存する軽資産モデルを採用。公的資金(AMED-CiCLE)や新株予約権行使による増資で開発費を補填している。

企業の強み

第Ⅰ/Ⅱ相試験でASIA motor scoreの20週時に有意差を確認しPOCを取得。2019年9月に国内で希少疾病用医薬品指定、2025年6月にはFDAより米国でもOrphan Drug Designationを取得。優先審査・開発費助成等の制度的優遇を国内外で確保している。

HGF製剤組成に関する特許2件(HGF製剤・神経疾患治療に適したHGF製剤)を日本・米国・欧州・カナダ・韓国の5カ国・地域で権利化済み。物質特許失効後も製剤特許によりグローバルでの事業展開に有利な知財環境を構築している。

脊髄損傷急性期製品(KP-100IT)について、救急領域スペシャリティファーマの丸石製薬と独占的販売許諾契約(承認後15年間)、東邦ホールディングスと独占的卸売販売権契約を締結済み。承認時点で即座に商業販売を開始できる体制が整備されている。

エンヴァリスの着眼点

2025年7月に追加臨床試験の実施を決定したことで、当初想定していた承認申請時期が大幅に延期された。継続的な営業損失(2026年3月期中間期516百万円の中間純損失)と営業CFのマイナスが続く中、手元現金は960百万円(うち627百万円はAMED担保の定期預金)まで減少。

実質的な自由資金は限られており、第16回新株予約権の行使進捗(後発事象含め284百万円調達)が資金繰りの生命線となっている。

2026年1月に声帯瘢痕第Ⅲ相試験(プラセボ対照二重盲検比較試験、8施設)の最終症例組入れが完了した。今後のデータ解析・結果公表が次の重要なバイナリーイベントとなる。

AMEDのCiCLE事業による公的資金支援も受けており、試験の成否が企業価値に直結する。成功すれば声帯瘢痕での承認申請・販売提携交渉が加速し、失敗すれば財務・開発両面での打撃が大きい。

2026年3月期中間期にクラリス・バイオセラピューティクス社からHGF原薬の受注があり、前受金232百万円を計上。2026年4月に収益認識予定であり、通期売上高予想332百万円(前期比360%増)の大部分を占める。

ただし、これは一過性の原薬供給収入であり、構造的な収益改善を意味しない。毎年定額の技術アクセスフィーは36百万円程度に留まり、承認取得なき限り持続的な収益基盤の構築は困難な状況が続く。

成長戦略

脊髄損傷急性期の国内承認取得を最優先とし、声帯瘢痕・米国展開・適応拡大で企業価値を最大化

第Ⅲ相試験速報結果を踏まえPMDAと協議の結果、2025年7月に追加臨床試験の実施を決定。第Ⅰ/Ⅱ相・第Ⅲ相の知見を基に成功確度の高い試験を立案し、有効性追加データ取得後に承認申請を行う予定。第16回新株予約権の行使資金を治験費用に充当。

2026年1月に8施設での最終症例組入れが完了。AMEDのCiCLE事業による公的資金支援を活用しながらデータ解析を進め、承認申請を目指す。市販製剤開発費用調達のため2025年8月に新株予約権を発行済み。

2025年6月にFDA希少疾病用医薬品指定を取得、2025年11月に米国子会社Kringle Pharma USA, Inc.を設立。北米KOLとの連携体制を構築し、IND申請に向けた準備を進めている。

License and Supply Agreementに基づく毎年定額の技術アクセスフィーに加え、原薬供給による収益を確保。2023年9月からは製造法効率化に向けた業務提携も開始し、グローバル供給体制の構築を目指す。

特発性肺線維症(金沢大学)、ペロニー病(神戸大学)、末梢神経障害(慶應義塾大学)、難治性創傷(京都大学)など新規適応への探索研究を推進。線維化疾患を中心に適応拡大の可能性を広げ、企業価値の底上げを図る。

最終更新: 2026年7月17日