新薬開発の不確実性
抗体医薬品の開発は成功確率が極めて低く、臨床試験での有効性不足・重篤な副作用・当局の承認不取得等により研究開発が遅延・中止となるリスクがある。開発遅延や追加試験が必要となった場合には計画外の追加資金調達が必要となり、その実現自体にも不確実性が伴う。当社では医師等専門家の指導のもと治験デザインを策定するなどリスク低減に努めているが、根本的な不確実性は排除できない。
資金繰りリスク
研究開発型企業として継続的に営業損失を計上しており、営業キャッシュ・フローのマイナスが続いている。導出活動による提携先からの一時金・マイルストーン収入や新株発行による資金調達を方針としているが、これらが進まない場合には今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性がある。収益の大部分が製薬企業との契約に依存しており、研究開発の進捗遅延や導出先の方針変更により収入が大きく変動するリスクも内包している。
グロース市場上場廃止リスク
東京証券取引所は2030年以降、上場後5年を経過した銘柄に対して時価総額100億円以上を上場維持基準として適用する予定であるが、本書提出日現在、当社の株式時価総額は当該基準を下回っている。当社は上場維持基準の充足に向けた経営に取り組んでいるが、基準に適合できない場合には上場廃止となる可能性がある。上場廃止は資金調達手段の喪失や企業信用の毀損につながり、事業継続に重大な影響を及ぼしうる。
パイプライン開発遅延・中止
主要パイプラインであるPPMX-T002は富士フイルムへの権利許諾後に返還され、現在は放射性同位体(アクチニウム225)への変更と新たな導出先選定を進めているが、協業先が見つからない可能性や競合新薬の上市等により開発が遅延・中止となるリスクがある。PPMX-T003は第Ⅰ相試験が2024年6月に終了し導出活動中であるが、導出先が見つかるまでに想定を大幅に超える時間を要する可能性がある。いずれのパイプラインも開発遅延・中止の場合には追加資金調達の必要性が生じる。
法的規制・薬事規制の変更
医薬品業界は薬機法をはじめとする各国の薬事規制・医療保険制度等の規制下にあり、開発の長期間中にこれらが改定・変更される可能性がある。規制変更により既存の研究開発体制(製造方法・開発手法・臨床試験の進め方等)の変更が必要となり、追加コストや開発遅延が生じるリスクがある。当社は法令・制度変更に関する情報収集と適切な対応を方針としているが、変更の影響を完全に回避することは困難である。
競合・市場環境リスク
抗体医薬品市場では欧米を中心に多くのベンチャー企業を含む競合他社が参入しており、競合他社の開発品が同一疾患領域で先行した場合、当社の事業優位性が低下するリスクがある。また、低分子医薬品・核酸医薬品・再生細胞医療等の競合モダリティの発展により抗体医薬品市場が想定どおりに拡大しない可能性もある。当社は特許取得等により競争優位性の確保に努めているが、市場環境の変化を完全にコントロールすることはできない。
特許・知的財産リスク
出願済みの特許が全て権利化されるとは限らず、他社の優れた特許発明により当社特許が無力化される可能性が潜在的に存在する。国によって特許法令・ガイドラインの解釈が異なるため、海外での特許取得が事前の想定どおりに進まない可能性があり、第三者が当社の特許技術を無断利用するリスクもある。当社が実施許諾を受けた権利の契約が終了・不利な条件で改定された場合にも、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がある。
外部委託先リスク
当社は原薬・製剤製造、非臨床試験、臨床試験モニタリング等の主要業務を国内外のCRO・製造業者等に委託しており、委託先における自然災害・感染症流行・経営悪化等により原薬の安定供給や適時なサービス提供が困難となるリスクがある。海外委託先については現地法令・商取引慣行の相違や地政学的リスク(戦争・紛争等)による事業制約も生じうる。予期せぬ契約終了や不利な条件での契約改定が行われた場合には、研究開発活動の遅延・停止につながる可能性がある。
人材確保・流出リスク
従業員40名未満の小規模組織であり、研究開発分野における専門的知識・技能を持つ優秀な人材の確保が事業成長の不可欠な要素となっている。必要な人員を確保できない場合や重要な人材が社外に流出した場合には、組織的な事業展開や研究開発の推進に支障をきたす可能性がある。今後の事業拡大に応じた内部管理体制の充実と研究開発要員の確保に努める方針であるが、競争が激しい専門人材市場において確実な確保は保証されない。
ITセキュリティ・情報漏洩
役職員・外部委託先の不注意・故意の行為やサイバーアタックにより、システムの停止・中断や秘密情報・個人情報の漏洩が発生するリスクがある。研究開発を事業の中心に据えているため、知的財産等の機密情報の流出は事業競争力に直接的な打撃を与えうる。情報セキュリティ管理規程・個人情報保護方針に基づく運用、内部監査、外部専門家の活用によりセキュリティ強化に努めているが、リスクを完全に排除することは困難である。
重要度・発生可能性は企業の開示情報に基づいて表示されています
最終更新: 2026年7月19日

