株式会社ペルセウスプロテオミクス logo

株式会社ペルセウスプロテオミクス

4882東証グロース医薬品

株式会社ペルセウスプロテオミクス logo
株式会社ペルセウスプロテオミクス4882

事業内容

株式会社ペルセウスプロテオミクスは、東京大学先端科学技術研究センター(LSBM)で開発された蛋白質発現・抗体作製技術を基盤として2001年に設立された創薬ベンチャーである。ハイブリドーマ法、ファージディスプレイ法(独自のICOS法を含む)、シングルBセルスクリーニング法という複数の抗体取得技術を保有し、主にがん領域の治療用抗体医薬品の研究開発を行う。

事業は創薬(パイプライン開発・導出)、抗体研究支援(受託サービス)、抗体・試薬販売の3領域で構成される。主要顧客は国内外の製薬企業・研究機関・アカデミアであり、核内受容体抗体48種類を世界の研究者に販売するほか、R&D Systems等グローバル代理店を通じた試薬販売も行っている。

2021年に東証グロース市場に上場。

ビジネスモデル

当社の収益は、①抗体研究支援(受託サービス)と②抗体・試薬販売による継続的な小規模収入、および③創薬パイプラインの製薬企業への導出による契約一時金・マイルストーン・ロイヤリティ収入の3層構造で成り立つ。2026年3月期の売上高135,507千円のうち、抗体研究支援が40,270千円、抗体・試薬販売が95,237千円を占める。

創薬導出収入は現時点で未実現であり、PPMX-T002・T003・T004の導出成否が将来の収益規模を大きく左右する。研究開発費573,593千円を含む費用が売上を大幅に上回る赤字構造であり、新株予約権行使や助成金獲得で資金を補完している。

企業の強み

ハイブリドーマ法、ファージディスプレイ法(独自ICOS法)、シングルBセルスクリーニング法の3手法を組み合わせ、従来困難だった標的蛋白質への抗体取得を可能にする。2026年3月期にはPPMX抗体ライブラリ2の作製に成功し、AI創薬との連携も進めており、技術基盤の継続的強化が確認されている。

PPMX-T003のANKL対象開発において、2022年3月および2025年2月の二度にわたりAMED「希少疾病用医薬品指定前実用化支援事業」に採択。2026年3月期に助成金収入53,311千円を計上し、長期預り金78,765千円が増加。公的機関による科学的妥当性の認定と資金支援が継続している。

抗体研究支援売上高は2026年3月期に40,270千円(前期比65.4%増)となり、6期連続で増加。2025年5月にはVHH抗体ライブラリを用いた新サービスを開始し、あすか製薬(2025年11月)・Eurus Therapeutics(2025年12月)との新規共同研究契約も締結。

顧客ネットワークの着実な拡大が実績として確認されている。

エンヴァリスの着眼点

2026年3月期の営業損失は745百万円(前期826百万円)、当期純損失は718百万円(前期905百万円)と、いずれも前期比で改善した。費用効率化と売上増収の両面が寄与しており方向性は評価できる。

ただし売上高136百万円に対し損失規模は依然として圧倒的に大きく、黒字転換の時期は臨床開発の進捗次第で不透明なままである。

2026年3月期末の現金及び現金同等物は1,515,346千円。当期の営業キャッシュアウトフローは653,334千円であり、単純計算で約2年分の運転資金を確保している。ただし新株予約権行使(500,500千円)による資金調達が継続しており、希薄化リスクは投資家が注視すべき外部要因として残る。

売上高の増収基調(2022期72百万円→2026期136百万円)や共同研究契約の拡大は明るい材料だが、規模は限定的であり、企業価値の大部分はPPMX-T003を中心とするパイプラインの臨床開発成否に依存する。希少疾病領域という市場環境として規制上の優遇(希少疾病用医薬品指定)が追い風となり得るが、開発の不確実性は高く、バイナリーイベントリスクとして認識する必要がある。

成長戦略

主力パイプラインの臨床開発推進と複数の外部提携による導出機会の創出

AMEDの希少疾病用医薬品指定前実用化支援事業採択を受け、ANKL(侵襲性NK細胞白血病)を対象とした主力パイプラインの臨床開発を推進。長期預り金78,765千円増加はAMED資金受入の進捗を示す。

2025年11月にあすか製薬、同年12月にEurus Therapeuticsとの共同研究契約を締結。外部製薬企業との連携によりパイプラインの多様化と導出機会の拡大を図る。

ラクダ由来VHH抗体スクリーニングサービスの開始等により新規受注を拡大し、当面の収益基盤を強化。2026年3月期売上高136百万円(前期比+13%)として増収に貢献。

新株予約権行使による株式発行収入500,500千円を当期に調達。期末現金残高1,515,346千円を確保し、研究開発継続の財務基盤を維持。希薄化リスクとのバランス管理が課題。

最終更新: 2026年7月19日