事業内容
株式会社ペルセウスプロテオミクスは、東京大学先端科学技術研究センター(LSBM)で開発された蛋白質発現・抗体作製技術を基盤として2001年に設立された創薬ベンチャーである。ハイブリドーマ法、ファージディスプレイ法(独自のICOS法を含む)、シングルBセルスクリーニング法という複数の抗体取得技術を保有し、主にがん領域の治療用抗体医薬品の研究開発を行う。
事業は創薬(パイプライン開発・導出)、抗体研究支援(受託サービス)、抗体・試薬販売の3領域で構成される。主要顧客は国内外の製薬企業・研究機関・アカデミアであり、核内受容体抗体48種類を世界の研究者に販売するほか、R&D Systems等グローバル代理店を通じた試薬販売も行っている。
2021年に東証グロース市場に上場。
ビジネスモデル
当社の収益は、①抗体研究支援(受託サービス)と②抗体・試薬販売による継続的な小規模収入、および③創薬パイプラインの製薬企業への導出による契約一時金・マイルストーン・ロイヤリティ収入の3層構造で成り立つ。2026年3月期の売上高135,507千円のうち、抗体研究支援が40,270千円、抗体・試薬販売が95,237千円を占める。
創薬導出収入は現時点で未実現であり、PPMX-T002・T003・T004の導出成否が将来の収益規模を大きく左右する。研究開発費573,593千円を含む費用が売上を大幅に上回る赤字構造であり、新株予約権行使や助成金獲得で資金を補完している。
企業の強み
ハイブリドーマ法、ファージディスプレイ法(独自ICOS法)、シングルBセルスクリーニング法の3手法を組み合わせ、従来困難だった標的蛋白質への抗体取得を可能にする。2026年3月期にはPPMX抗体ライブラリ2の作製に成功し、AI創薬との連携も進めており、技術基盤の継続的強化が確認されている。
PPMX-T003のANKL対象開発において、2022年3月および2025年2月の二度にわたりAMED「希少疾病用医薬品指定前実用化支援事業」に採択。2026年3月期に助成金収入53,311千円を計上し、長期預り金78,765千円が増加。公的機関による科学的妥当性の認定と資金支援が継続している。
抗体研究支援売上高は2026年3月期に40,270千円(前期比65.4%増)となり、6期連続で増加。2025年5月にはVHH抗体ライブラリを用いた新サービスを開始し、あすか製薬(2025年11月)・Eurus Therapeutics(2025年12月)との新規共同研究契約も締結。
顧客ネットワークの着実な拡大が実績として確認されている。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2022期72百万円から2026期136百万円へ5期連続増収。営業損失は2024期895百万円をピークに2025期826百万円、2026期745百万円と2期連続で縮小した。
当期純損失も2024期1,104百万円→2025期905百万円→2026期718百万円と改善が続く。2026年3月期の改善要因は、ラクダ由来VHH抗体スクリーニングサービス開始等による売上増加と、研究開発費を含む販管費の効率化が主因。
AMED助成金53,311千円の計上も損益改善に寄与した。なお今回の訂正は売上原価明細書の「当期製品製造原価」前期欄(「-」→「16,554千円」)およびCF計算書の有形・無形固定資産取得支出の内訳修正(合計額10,062千円に変更なし)であり、損益への影響はない。
成長戦略
主力パイプラインの臨床開発推進と複数の外部提携による導出機会の創出
AMEDの希少疾病用医薬品指定前実用化支援事業採択を受け、ANKL(侵襲性NK細胞白血病)を対象とした主力パイプラインの臨床開発を推進。長期預り金78,765千円増加はAMED資金受入の進捗を示す。
2025年11月にあすか製薬、同年12月にEurus Therapeuticsとの共同研究契約を締結。外部製薬企業との連携によりパイプラインの多様化と導出機会の拡大を図る。
ラクダ由来VHH抗体スクリーニングサービスの開始等により新規受注を拡大し、当面の収益基盤を強化。2026年3月期売上高136百万円(前期比+13%)として増収に貢献。
新株予約権行使による株式発行収入500,500千円を当期に調達。期末現金残高1,515,346千円を確保し、研究開発継続の財務基盤を維持。希薄化リスクとのバランス管理が課題。
最終更新: 2026年7月19日

