事業内容
株式会社ファンペップは、大阪大学大学院医学系研究科の研究成果である機能性ペプチドを医薬品・化粧品等として開発することを目的に2013年10月に設立された創薬系バイオベンチャーである。中核技術は、独自の抗体誘導ペプチド創薬プラットフォームSTEP UPであり、患者体内で抗体産生を誘導するペプチド治療ワクチンを開発する。
主要パイプラインは、花粉症対象のFPP004X(第Ⅰ相臨床試験中)、皮膚潰瘍対象のSR-0379(追加第Ⅲ相臨床試験中)、乾癬・強直性脊椎炎対象のFPP003(臨床試験完了・パートナー探索中)。塩野義製薬・住友ファーマ等の大手製薬会社との提携体制を構築し、大学発シーズを製薬会社へ橋渡しするインキュベーター機能を担う。
東京証券取引所グロース市場上場。
ビジネスモデル
当社グループは自社で研究開発を推進しつつ、製造・試験業務を外部委託することで固定費を抑制する少人数制の研究開発体制を採る。収益は製薬会社との提携契約に基づく契約一時金・開発マイルストーン・研究開発協力金・ロイヤリティ・販売マイルストーンで構成される。
現時点では上市品がなく、事業収益はほぼゼロの段階にあり、増資による資本市場からの資金調達で研究開発費を賄っている。将来の上市後ロイヤリティ収入が本格的な利益拡大の源泉となる計画である。
企業の強み
AJP001をキャリアとし、エピトープ選定ノウハウを組み合わせた創薬プラットフォームSTEP UPを保有。IL-17A(FPP003)・IgE(FPP004X)・IL-23(FPP005)に加え、片頭痛・アルツハイマー病・高血圧・脂質異常症・心不全・精神神経疾患等、多様な標的タンパク質への展開が可能であり、パイプライン拡充の基盤となっている。
SR-0379については2015年10月にライセンス契約を締結し、塩野義製薬が治験薬製造(CMC)・販売を担当する共同開発体制を構築。FPP004Xについては2024年3月にオプション契約を締結し、全世界・全疾患の独占的研究開発・商業化権のオプションを付与。
契約一時金・マイルストーン・ロイヤリティの受領権を確保している。
オーストラリアで実施したFPP003の第Ⅰ/Ⅱa相臨床試験において、高用量コホートの78%(9例中7例)で抗IL-17A抗体価の持続的上昇を確認。安全性面でも臨床的に問題となる有害事象は認められず、抗体誘導ペプチドの概念実証(PoC)が臨床レベルで示されている。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
2026年12月期第1四半期(2026年1月〜3月)の事業収益は0百万円(前年同期も0百万円)と引き続きゼロ。営業損失は294百万円と前年同期の603百万円から大幅に縮小した。
研究開発費がFPP004Xの開発費減少により前年同期比306百万円減の195百万円となったことが主因。過去5期の年間業績では売上高がほぼゼロで推移し、2025年12月期は営業損失1,649百万円・当期損失1,912百万円と損失が大幅拡大していたが、2026年Q1は費用構造の改善が確認された。
総資産2,053百万円、現金及び預金1,867百万円(前期末比98百万円増)と手元流動性は維持されている。なお、継続企業の前提に関する注記は該当なし。
成長戦略
FPP004X・SR-0379の臨床進捗によるライセンス収入獲得とSTEP UPプラットフォームの多疾患展開
2026年4月に全被験者の観察期間が終了。データ収集・解析を進め、速報結果を2026年第3四半期(7月〜9月)に開示予定。安全性・免疫原性の評価結果が良好であれば、塩野義製薬によるオプション権行使(全世界・全疾患の独占的研究開発・商業化権)に伴うライセンス収入発生が期待される。
2024年12月開始の02試験は2025年12月に目標被験者数の半数の症例登録を完了し進捗は順調。01試験の事後部分集団解析で確認された有効性の再現性を検証する試験であり、結果が良好であれば塩野義製薬との共同開発による薬事承認申請・上市に向けた次ステップへ進む。
尋常性乾癬を対象とした第Ⅰ/Ⅱa相試験(オーストラリア)で抗体産生の概念実証を達成済み。強直性脊椎炎を対象とする医師主導治験(第Ⅱa相)も実施済み。これらの初期臨床試験結果を基に新規開発パートナーの確保に向けたアライアンス活動を継続中。
大阪大学・熊本大学・東京大学との共同研究により、片頭痛・アルツハイマー病・高血圧・抗血栓・脂質異常症・心不全を対象とする抗体誘導ペプチドの探索研究を実施中。塩野義製薬との新規ワクチンアジュバント共同研究(2024年10月開始)も並行して推進し、製剤技術の強化を図る。
非天然アミノ酸を含む環状ペプチドを用いた特殊ペプチド創薬の研究を実施中。次世代モダリティとして期待される分野への参入により、既存の抗体誘導ペプチドプラットフォームを補完する新たな技術基盤の構築を目指す。
最終更新: 2026年7月17日

