事業内容
エン株式会社(旧エン・ジャパン)は2000年創業の東証プライム上場の総合人材サービス企業。「エン転職」「エンエージェント」「エンワールド・ジャパン」等の求人メディア・人材紹介を中核に、採用管理システム(ゼクウ)、リファレンスチェック(back check)、タレントマネジメント・オンボーディング支援まで、企業の採用から人材定着・活躍までをワンストップで支援する。
国内に加えベトナム(Navigos Group)・インド(New Era India、Future Focus Infotech)・米国にも展開し、グローバル人材紹介・ITエンジニア派遣も手掛ける。主要顧客は国内外の採用企業で、中小企業から大手グローバル企業まで幅広い。
ビジネスモデル
主力の求人メディア(エン転職等)は企業からの求人掲載料を収益源とし、人材紹介(エンエージェント・エンワールド)は採用成功時の成功報酬型で収益を得る。採用管理システム(ゼクウ)やタレントマネジメント・オンボーディングサービスはSaaS型の継続課金モデル。
海外ではメディア広告・人材紹介・ITエンジニア派遣の複合モデルを展開。複数の収益モデルを組み合わせることで景気変動への耐性を持たせている。
企業の強み
エン転職・エンエージェント・AMBI・ミドルの転職・エンバイト等、転職層・年齢層・雇用形態別に複数の求人メディアを保有。2026年3月期においてエン転職は減収ながら利用企業数が増加に転じており、顧客基盤の厚みを示す。エージェント売上高は前期比9.4%増と成長を維持している。
ベトナム(Navigos Group)・インド(New Era India・Future Focus Infotech)・米国でITエンジニア派遣・人材紹介を展開。2026年3月期の海外売上高は前期比7.6%増の6,464百万円、海外営業利益は前期比99.0%増の1,264百万円と黒字化が大幅に進展。
継続的なコストコントロールと米国IT派遣の成長が寄与している。
ゼクウ(採用管理システム)は取引単価向上により増収増益。2025年10月に連結子会社化したback checkのリファレンスチェックサービスが新規寄与し、採用サービスその他セグメントは前期比41.1%増の2,533百万円・営業利益前期比66.7%増を達成。
SaaS型の継続課金モデルが収益安定性に貢献している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2023年3月期の67,716百万円をピークに3期連続で減少し、2026年3月期は59,093百万円(前期比10.0%減)。主因はエン転職(前期比12.0%減)とengage(前期比27.6%減)の国内メディア事業の不振。
営業利益は3,962百万円(前期比32.7%減)、経常利益は4,191百万円(前期比29.5%減)。当期純利益は2,616百万円(前期比65.7%減)と大幅減益だが、前期は株式会社タイミー株式売却益5,456百万円という一過性特別利益が含まれていた点に留意が必要。
エージェント・海外・採用サービスその他は増収を確保しており、事業ミックスの変化が進行中。2027年3月期はengage事業売却益4,449百万円の計上により純利益の大幅回復を見込む一方、売上高は50,000百万円とさらなる縮小を計画している。
成長戦略
構造改革2年目:事業ポートフォリオ再構築・コスト削減・成長投資の3戦略を推進
2026年4月1日付でengage事業を株式会社エンゲージに吸収分割し、発行済株式の85.1%をカカクコムに譲渡。売却益4,449百万円を2027年3月期第1四半期に計上見込み。経営資源をエン転職・エージェントに集中する事業ポートフォリオ最適化の中核施策。
前期までの投資抑制の影響で売上高は減収継続(15,306百万円、前期比12.0%減)だが、利用企業数は増加に転じ改善傾向が確認された。主力事業の収益力回復が構造改革後の再成長の鍵となる。
エンワールド・ジャパンのコンサルタント増員と生産性改善により2026年3月期のエージェント売上高は10,852百万円(前期比9.4%増)を達成。エンエージェントも高年収帯での決定増加により増収。
ベトナム景気回復とITエンジニア派遣の米国事業成長により海外売上高6,464百万円(前期比7.6%増)を達成。インド・ベトナムの人口構造と旺盛なIT人材需要を背景に中長期的な成長ポテンシャルを維持。
2025年10月にリファレンスチェックサービスを展開するback check株式会社を取得価格1,942百万円(のれん1,115百万円、無形資産1,230百万円)で連結化。採用サービスその他の売上高は2,533百万円(前期比41.1%増)に拡大。
求人・求職データの分析精度向上、スクリーニング自動化、キャリア提案高度化等へのAI活用を推進方針として掲げる。具体的な投資額・KPIは未開示だが、競争優位性を左右する重要施策と位置づけている。
最終更新: 2026年7月19日

