NCD株式会社 logo

NCD株式会社

4783東証スタンダード情報通信業

NCD株式会社 logo
NCD株式会社4783

事業内容

NCD株式会社(旧・日本コンピュータ・ダイナミクス)は1967年創業の独立系SIer。保険・金融・建設業向けシステム開発を主軸とする「システム開発事業」(売上高12,729百万円)、インフラ構築・運用と業務サポートを担う「サポート&サービス事業」(9,961百万円)、駐輪場の設営・運営・管理受託を行う「パーキングシステム事業」(8,128百万円)の3セグメントで構成される。

主要顧客はメットライフ生命保険をはじめとする保険・金融機関、建設業、小売業など。国内6子会社と中国現地法人を擁し、グループ連結売上高は30,867百万円に達する。

ビジネスモデル

IT関連事業ではアプリケーション保守・インフラ運用等の継続的な受注を積み上げ、安定的な売上基盤を形成する。パーキングシステム事業では自営駐輪場の利用料収入(ストック型)と機器販売・管理受託(フロー型)を組み合わせ、料金改定による採算性向上を図る。

両事業の収益構造が異なるため、景気変動に対する耐性を持つ複合型ビジネスモデルを構築している。

企業の強み

メットライフ生命保険1社だけで売上高の17.7%(5,463百万円)を占め、保険会社向けアプリケーション保守の拡大が継続している。システム開発事業の受注残高は前期比39.4%増の2,867百万円に達しており、既存顧客との長期継続関係が収益基盤を支えている。

売上高の約41%をITと異なる業種であるパーキングシステム事業が占め、IT投資サイクルの変動リスクを分散する構造を持つ。駐輪場利用料収入はストック型で安定しており、2026年3月期も料金改定効果により堅調に推移した。IT事業と非IT事業の組み合わせは競合SIerにはない固有の特性である。

2024年3月に情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)の認証を全社で取得。従来はITサービス事業部単体での認証にとどまっていたが、グループ全体への拡張を完了した。保険・金融機関を主要顧客とする事業特性上、セキュリティ体制の整備は顧客維持・新規獲得における競争優位として機能する。

エンヴァリスの着眼点

2026年3月期は売上高30,867百万円(前期比2.5%増)と増収を維持したものの、営業利益は2,638百万円(同6.1%減)と2期ぶりの減益に転じた。採算性の高い大型案件終了、人件費・外注費の上昇、通信事業者サービス終了に伴うネットワーク回線変更コスト、新サービス開発投資など複合的な費用増が重なった。

販売費及び一般管理費は前期3,755百万円から4,105百万円へ350百万円増加しており、売上総利益の改善(6,565百万円→6,744百万円)を吸収した。2027年3月期予想は営業利益2,750百万円(同4.2%増)と回復を見込むが、コスト構造の正常化ペースを見極める必要がある。

2026年3月期の年間配当は1株当たり120円(前期70円から71.4%増)、配当性向52.7%と連結配当性向50%以上の基本方針を実行した。今後は原則減配せず配当の維持もしくは増配を行う累進配当を採用すると明示しており、2027年3月期も年間120円を予定。

自己株式取得(295百万円)と消却(500,000株)も実施しており、総還元姿勢は明確に強化されている。一方、1株当たり当期純利益は227.73円(前期232.95円)と微減しており、利益成長が配当水準を支えられるかが中期的な注目点となる。

2026年3月期をもって中期経営計画「Vision2026」が最終年度を迎え、新たに「Vision2029」(2027〜2029年3月期)を公表。2029年3月期に売上高36,000百万円、営業利益3,500百万円を目標とするが、2026年3月期実績(売上高30,867百万円、営業利益2,638百万円)からの乖離は大きく、年平均成長率は売上高約5.3%、営業利益約10.0%が必要となる。

外部環境としてDX投資継続・AI活用需要拡大・駐輪場無人化需要は追い風だが、人件費・外注費の上昇圧力が続く中、人的資本投資・次世代駐輪システム開発・新規事業への戦略投資の回収時期と収益貢献の見通しを精査する必要がある。

成長戦略

Vision2029でITフルアウトソーシング拡大・駐輪場DX・新規事業創出を推進

顧客のITライフサイクルを包括的にサポートするITフルアウトソーシングの推進により既存顧客の領域拡大と新規顧客獲得を図る。生成AI等先端ITの積極活用によるコンサルティング機能拡充で上流工程案件の受注拡大を目指す。

2026年3月期はサポート&サービス事業が前期比5.9%増収・7.9%増益と成果を示した。

月極駐輪場管理システム「ECOPOOL」の拡販、独自プライシングモデルの確立、ITを活用した管理運営の最適化により自営駐輪場の採算性向上を継続する。次世代駐輪システムの開発を進め、電動キックボード等多様なモビリティへの対応と新規需要の取り込みを図る。

2026年3月期は通信回線変更コスト等の一過性費用が発生し減益となったが、利用料収入は堅調に推移した。

賃上げを含む人的資本経営の積極推進、高度IT人材の育成、即戦力となる中途採用者の確保に注力する。Vision2026最終年度においても継続投資を実施しており、Vision2029においても戦略投資として人的資本への投資を計画。短期的にはコスト増要因となるが、中長期的な競争力強化の基盤となる。

「その他」セグメントを通じた新規事業創出への投資を継続し、主要3セグメントとのシナジー創出を図る。2026年5月15日に従業員向けインセンティブ・プラン(ESOP)の導入と自己株式の処分を決議しており、従業員エンゲージメント向上と人材定着を通じた持続的成長基盤の構築を目指す。

最終更新: 2026年7月19日