事業内容
楽天グループは1997年に楽天市場の運営から出発し、現在はインターネットサービス・フィンテック・モバイルの3セグメントで事業を展開する。国内外のEC(楽天市場、楽天トラベル、Rakuten Kobo等)、金融サービス(楽天カード、楽天銀行、楽天証券、楽天ペイ等)、通信サービス(楽天モバイル)を一体的に運営し、共通の会員基盤・楽天ポイントプログラムを通じてユーザーの生涯価値最大化を追求する。
2025年12月期の連結売上収益は2,496,575百万円。主要顧客は国内外の個人消費者および法人企業。
ビジネスモデル
楽天エコシステムは、メンバーシップ・データ・ブランドを核に、EC・金融・通信等の多様なサービスを相互送客する構造を持つ。楽天ポイントが各サービスを横断する接着剤として機能し、モバイルMNO契約者のクロスユース促進(モバイルエコシステム貢献額:フィンテック19,480百万円、インターネットサービス14,542百万円)が収益を底上げする。
フィンテックがグループ最大の利益貢献セグメント(Non-GAAPセグメント利益199,922百万円)として全体を支える構造。
企業の強み
2025年12月期のフィンテックセグメント売上収益は975,931百万円(前期比19.0%増)、Non-GAAPセグメント利益は199,922百万円(前期比30.3%増)。楽天カードのショッピング取扱高拡大、日銀利上げを追い風とした楽天銀行の資金運用収益大幅拡大、楽天証券の預り資産積み上げ等、全主要サービスが増収を達成した。
2025年12月に全契約回線数(MNO・MVNE・MVNO合算)が1,000万回線を突破。モバイルセグメントのNon-GAAPセグメント損失は161,841百万円と前期の208,933百万円から47,092百万円改善し、当期においてEBITDA黒字化を達成。
B2C・B2B双方のARPUも前年第4四半期比で上昇した。
楽天モバイルMNO契約者を起点としたクロスユース促進により、モバイルエコシステム貢献額はフィンテックで19,480百万円、インターネットサービスで14,542百万円(前期比28.8%増)に達する。共通ポイントプログラムとメンバーシップを基盤に、EC・金融・通信の相互送客が定量的に確認できる。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上収益は2021期1,681,757百万円から2025期2,496,575百万円まで5期連続増収。2026年12月期第1四半期は643,583百万円(前年同期比14.4%増)と加速。
IFRS営業利益は2024期に52,975百万円で初の黒字転換後、2025期は14,382百万円に縮小したが、2026年12月期第1四半期は30,394百万円と再び大幅改善。Non-GAAP営業利益は36,299百万円(前年同期は305百万円の損失)と急回復。
EBITDAは108,791百万円(前年同期比36.2%増)。ただし親会社帰属損失は継続しており、利益剰余金は1,055,630百万円の累積赤字。
外部要因として日銀の政策金利引き上げがフィンテックの収益を押し上げ、活発な株式市況が証券サービスの増収増益に寄与した。ネットワーク設備の耐用年数変更による8,609百万円の利益押し上げ効果も含まれる。
成長戦略
AIエンパワーメント・モバイル黒字化・フィンテック拡大の三位一体でエコシステムを進化・拡大
AIコンシェルジュ等エージェント型AIツールの活用による楽天市場等ECの新規顧客獲得・既存ユーザー購買額向上を推進。グループ全体でAIを活用した売上収益伸長とコスト削減に取り組み、AI関連開発費用を各セグメントに配分する管理体制に移行。データ資産を活用したソリューションサービスの提供も強化。
通信品質改善とその認知拡大、楽天エコシステムを活用したマーケティング施策により契約回線数の増加を継続。4G/5G基地局の設置拡大とスマートフォン・低軌道衛星直接通信によるエリア拡充も推進。
2026年12月期第1四半期のセグメント損失(Non-GAAP、エコシステム貢献考慮後)は38,026百万円と前年同期比13,319百万円改善。
楽天カードのショッピング取扱高拡大、楽天銀行の個人向けローン多様化・証券化ビジネス推進、楽天証券の新規口座獲得、楽天ペイのユーザー数増加を並行推進。2026年12月期第1四半期のフィンテックセグメント売上収益は275,324百万円(前年同期比23.1%増)、Non-GAAPセグメント利益(エコシステム貢献考慮後)は58,532百万円(同33.8%増)と高成長を維持。
楽天モバイルMNO契約者の他サービス利用促進(モバイルエコシステム貢献)を定量管理し、インターネットサービス・フィンテック双方の収益底上げを図る。2026年12月期第1四半期のモバイルエコシステム貢献額はフィンテックで6,239百万円(前年同期比26.4%増)と拡大。
自治体・地域事業者との連携深化も推進。
革新的なモバイルネットワーク技術を用いた通信プラットフォームを提供する楽天シンフォニーにおいて、既存顧客からの収益拡大に加え新規顧客へのアプローチを強化。通信事業者のネットワーク機器刷新・基地局オープン化のグローバルトレンドを商機として捉え、グローバル展開を加速。
最終更新: 2026年7月17日

