事業内容
株式会社トーセは1979年設立の独立系デジタルコンテンツ開発会社。特定の資本系列に属さない独立系ディベロッパーとして、アトラス・スクウェア・エニックス・バンダイナムコスタジオ等の大手ゲームメーカーを主要顧客に、家庭用ゲーム機・スマートフォン・アーケード向けゲームソフトの企画・開発・運営受託を行う。
国内複数拠点(長岡京・東京等)と中国杭州の海外子会社を擁し、ゲーム事業(売上高の約91%)とその他事業(教育・エンタテインメント等の非ゲーム領域)の2セグメントで構成。2025年8月期の連結売上高は6,636百万円。
東証スタンダード市場上場。
ビジネスモデル
クライアントであるゲームメーカー・コンテンツプロバイダから開発案件を受注し、企画提案から開発・運営まで一貫したサービスを提供することで開発フィーを得る。加えて、開発したタイトルの販売に応じて分配されるレベニューシェア(原価を伴わない成功報酬)も収益源となる。
資金調達は無借金の自己資金で賄い、設備投資は開発用機器・サーバー等に限定される軽資産型の事業構造を持つ。
企業の強み
特定の資本系列に属さない独立系として、アトラス・スクウェア・エニックス・バンダイナムコスタジオ・タカラトミー等の大手ゲームメーカーと同時並行で取引できる中立性を持つ。2025年8月期には上位4社合計で売上高の65.9%を占め、幅広いクライアントベースを維持している。
2025年8月期末のゲーム事業受注残高は3,406百万円(前期比386.7%増)、全社合計3,418百万円(同351.0%増)に達した。受注高も8,351百万円(同216.3%増)と急拡大しており、翌期以降の売上を裏付ける受注残が積み上がっている。
競争激化するスマートフォンゲーム市場での新規開発を抑制し、家庭用ゲーム機向け開発を優先する方針を明確化。2025年6月発売のNintendo Switch 2は過去最高の滑り出しを記録しており、対応ソフト開発需要の拡大局面で既存プロジェクトの終盤工程・追加受注を含む複数案件が活発に進行している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
過去5期の売上高は2021期5,960百万円→2024期4,615百万円と低迷後、2025期6,636百万円へV字回復。しかし2026期は通期予想6,510百万円(前期比1.9%減)と微減に転じる見通し。
2026期第3四半期累計(9ヶ月)の売上高4,822百万円(前年同期比0.8%減)は概ね横ばいを維持したものの、営業利益280百万円(同44.8%減)と利益面は大幅悪化。海外クライアントの方針変更による大型プロジェクト一時停止(2026年2月末決定、再開時期未定)が3月以降の稼働率を直撃し、固定的製造原価の未吸収とレベニューシェア減少が重なった。
前年同期には特別損失314百万円(減損損失・移転補償金)が発生していたため、純利益は200百万円(同61.0%増)と増益。通期業績予想は変更なし(売上高6,510百万円、営業利益405百万円、純利益790百万円)で、第4四半期での挽回を見込む。
成長戦略
家庭用ゲーム機開発の深化・非ゲーム新規事業創出・AI活用による開発力強化の三本柱
海外大型プロジェクト一時停止で生じた稼働の空きに対し、中小規模を含む新規プロジェクトの早期受注・スムーズな立ち上げ、および外部発注予定業務の内部リソース活用への切り替えを推進。複数の主要プロジェクトが終盤工程で計画通り進行中。
Nintendo Switch 2普及に伴う対応ソフト開発需要の取り込みも注力領域。
教育・音楽・芸能・自治体向けコンテンツ制作等の多角的フィールドで市場調査・ビジネス企画を推進。3DCG制作技術を活用した自治体向けコンテンツ制作等で一部売上を計上しているが、2026期第3四半期累計売上高は283百万円(前年同期比44.1%減)と前期終了プロジェクトの反動減が響き、収益化移行は道半ば。
長岡京トーセビルの建替え計画に伴い建設仮勘定が111百万円(前期末31百万円)に増加しており、投資が本格化している。新オフィスは開発環境・人材採用力の強化を目的とし、中長期的な受託開発能力の拡充に寄与する見込み。建替えに伴う投資不動産の売却等が2026期通期の特別利益に寄与する見通し。
ゲーム開発で培ったAI活用ノウハウを開発プロセスに組み込み、生産性向上とコスト競争力の強化を図る。非ゲーム領域への技術応用も視野に入れており、中長期的な収益多様化の基盤となる取り組み。現時点では具体的な定量成果の開示はなく、進捗の把握は限定的。
最終更新: 2026年7月17日

