事業内容
株式会社IDホールディングスは、1969年創業の国内情報サービス企業で、持株会社体制のもと連結子会社9社・持分法適用会社2社を擁する。システムマネジメント、アプリケーション開発、ITインフラ、サイバーセキュリティ、コンサルティング・教育の5サービスを軸に、金融・公共・製造・エネルギーなど多岐にわたる業界の顧客に直接サービスを提供する。
エンドユーザーとの直接契約が売上の6割以上を占め、長期継続型の顧客関係を構築している。国内拠点に加え、中国・シンガポール・米国・欧州・タイ(持分法適用)にグローバル拠点を保有し、オフショア・ニアショア体制も整備している。
2026年3月期の売上高は39,371百万円、営業利益は4,129百万円で、いずれも過去最高を更新した。
ビジネスモデル
売上の6割以上をエンドユーザーとの直接契約が占め、ITシステムの運営・管理から開発・セキュリティまで一貫したサービスを長期にわたり提供することで安定的な収益基盤を形成している。システムマネジメント(売上高15,509百万円)を岩盤領域として収益を安定させつつ、サイバーセキュリティ・ITインフラ・コンサルティングを注力領域として高付加価値サービスへのシフトを進め、売上総利益率の改善(23.9%→25.7%)を実現している。
企業の強み
金融・公共・製造など多業界のエンドユーザーとの直接契約が売上の6割以上を占め、長期継続型の取引関係を構築している。単一顧客への売上依存度が10%未満に分散されており、特定顧客リスクが低い。この顧客基盤は長年の実績蓄積により競合他社が短期間で模倣困難な固有の競争優位となっている。
2022年3月期から2026年3月期にかけて売上高は27,806百万円から39,371百万円へ、営業利益は1,869百万円から4,129百万円へ拡大し、5期連続で増収増益・過去最高を更新した。アプリケーション開発の価格適正化(売上総利益率20.2%→27.0%)やのれん償却額の減少(383百万円→201百万円)が利益改善に寄与している。
サイバーセキュリティ事業の売上高は前期比43.0%増の3,143百万円と急拡大し、中期経営計画の当初目標を大きく超過達成した。また、イノベーションマネジメントシステムの国際規格ISO56001を世界12社目・国内6社目として取得し、技術力の対外的認知を高めている。
研究開発費は211百万円を投じ、AIエージェント研究・ID-VROPのPoC完了など先端技術開発を継続している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2022年3月期27,806百万円から2026年3月期39,371百万円へ4年間で41.6%増加した。成長率は各期8〜12%程度で安定的に推移しており、加速・減速の明確なトレンドは見られない。
営業利益率は2022年3月期6.7%から2026年3月期10.5%へ継続的に改善している。業績ドライバーとして、社会全体のデジタル化に伴うIT投資需要の堅調な拡大、サイバー攻撃激化を背景としたセキュリティ投資意欲の高まり(業界全体への追い風)が寄与している。
加えて、アプリケーション開発の価格適正化、のれん償却額の減少、賃上げ促進税制による税額控除が利益改善を後押しした。
成長戦略
高収益モデルへのシフトと人的資本投資で2028年3月期売上高440億円・営業利益率13%を目指す
ITインフラ・サイバーセキュリティ・コンサルティングを注力領域として事業規模を拡大し、システムマネジメント・アプリケーション開発を岩盤領域として高収益案件に集中する。岩盤領域から注力領域への技術者シフト225名(3か年目標)を推進し、人材ポートフォリオを強化する。
3年間で60億円の人的資本投資を実施し、Udemy Businessによるオンライン学習、メンター制度導入など社員育成・エンゲージメント向上施策を展開する。プロフェッショナル人材の育成と自律思考文化の醸成を目指す。
バーチャルオペレーションセンター(ID-VROP)について顧客環境でのPoC(概念実証)を完了し、次年度での本格的商用化に向けて取り組む。40社以上が参画するコンソーシアムにも参加し、次世代システム運用の普及を目指す。
注力領域とのシナジーが高い企業を対象にM&Aおよび資本業務提携を積極推進する。人材確保・技術ライセンス獲得・顧客開拓の3観点を重視し、2025年1月に株式会社ブロードバンドセキュリティ、2025年9月にタイのInnova Software Co., Ltd.を持分法適用会社化した。
既存のオフショア活用に加え、海外進出する日系企業の現地ITサポートを新たな収益源として開拓する。中国・シンガポール・米国・欧州・タイの既存拠点を活用し、グローバル人材の採用・育成を推進する。
最終更新: 2026年7月19日

