事業内容
ワシントンホテル株式会社は1969年のワシントンホテル1号店開業以来、「ワシントンホテルプラザ」(直営18ホテル)と「ワシントンR&Bホテル」(直営25ホテル)の2ブランドで全国43ホテル・総客室数9,435室を運営する。主要駅・繁華街近接の立地を基本とし、ビジネスパーソンから観光・インバウンド客まで幅広い顧客層を対象とする。
ホテル事業の単一セグメントで構成され、宿泊収益が売上高の98.5%を占める。東京・名古屋証券取引所に上場し、本社は愛知県名古屋市に置く。
ビジネスモデル
収益の大半を客室販売から得る宿泊特化型モデルを採用。出店形態は自社物件7事業所・建物賃貸借34事業所・土地賃貸借2事業所と賃貸借主体で初期投資を抑制する。
客室販売はインターネット経由が75.4%を占め、自社予約サイト「ワシントンネット」(会員61.7万人)経由の直販比率向上でOTA手数料コストを低減する構造。少人数オペレーションと外部委託の組み合わせで固定費を管理し、レベニューマネジメントで単価最大化を図る。
企業の強み
北海道から九州まで全国8地域に43ホテルを展開し、特定地域への依存を分散。2026年3月期の全館稼働率は71.7%(前期比+2.6pt)、ADRは8,649円(前期比+10.8%)、RevPARは6,200円(前期比+15.0%)と主要KPIが揃って改善。
地域別売上は近畿が前期比28.0%増と最大伸長を示す一方、九州・東北等も増収を確保した。
入会費・年会費無料で宿泊料金の7%ポイント還元という高還元率を武器に、2026年3月末時点の会員数は61.7万人(期初比+11.2万人)。年間延べ43万室が同サイト経由で利用され、販売経路に占めるワシントンネット比率は17.8%。OTA依存を抑制し販売コストを低減する直販基盤として機能している。
「睡眠・入浴・朝食」をコンセプトとした全館リニューアルを計画的に実施。2024年7月〜2025年4月に計4事業所(大塚駅北口・熊本・京都駅八条口・梅田東)が完了し収益性が向上。
2026年3月期設備投資額は1,576,471百万円(千円単位)のうちリニューアル関連が大半を占め、コネクティングルームを8事業所に新設するなど客室構成の多様化も進む。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
2022年3月期は売上高8,548百万円・営業損失3,244百万円とコロナ禍の底を記録。その後急回復し、2026年3月期は売上高24,193百万円・営業利益3,818百万円・当期利益3,027百万円と過去最高水準を更新した。
営業利益率は15.8%(前期10.5%)へ大幅改善。外部要因としてインバウンド需要拡大・大阪・関西万博効果が追い風となる一方、自社のレベニューマネジメント強化・リニューアル投資・直販チャネル拡大が収益性向上を牽引している。
なお、2026年5月の決算短信訂正により借入金7,613百万円が流動負債へ組替表示されており、財務構造の変化にも留意が必要。
成長戦略
リニューアル・レベニューマネジメント・直販拡大でRevPARを継続的に引き上げる
大塚駅北口・熊本・京都駅八条口・梅田東の計4ホテルで全館リニューアルを完了。客室の質向上によりADRを引き上げ、収益性改善を図る。完了ホテルの業績貢献が2026年3月期の利益率改善に寄与している。
繁忙期の料金最適化を中心としたレベニューマネジメントを強化し、RevPARの継続的な向上を目指す。3Q累計RevPARは前年同期比+18.1%を達成しており、施策の有効性が確認されている。
自社予約サイト「ワシントンネット」の会員数拡大(58.8万人)と直販比率向上により、OTA手数料を抑制し利益率改善を図る。会員基盤の継続的な拡充が販売コスト構造の優位性を強化する。
複数名利用客の取り込みを目的としたコネクティングルームおよびツインルームの増設を推進。3Q累計客室稼働率74.3%(前年同期比+3.9pt)を達成しており、客室構成最適化の効果が表れている。
最終更新: 2026年7月19日

