事業内容
株式会社田谷は1975年設立、創業60年を超える国内美容室チェーン企業である。「TAYA」「Shampoo」「MICHEL DERVYN」「ano」の4ブランドを展開し、2026年3月期末時点で全国61店舗を運営する。
事業は美容師法に基づく美容施術(カット・パーマ・カラー等)を主軸とし、ヘアケア商品販売や講習・セミナー収入も手掛ける。地域別では東京都(売上構成比39.0%)・神奈川県(23.6%)・福岡県(14.8%)が主要市場。
近年はフリーランス美容師向けブランド「ano」の展開を新たな収益軸として育成中であり、美容室チェーンからビューティブランドプラットフォーム企業への進化を標榜している。
ビジネスモデル
売上高5,075百万円のうち美容施術が4,495百万円(88.6%)を占め、商品販売471百万円(9.3%)、その他109百万円(2.2%)が続く。直営店舗での施術提供が収益の根幹であり、固定費(人件費・地代家賃)比率が高い構造上、一定水準以上の来店客数確保が利益創出の鍵となる。
フリーランス事業「ano」は美容師の独立ニーズを取り込む新モデルとして展開中。
企業の強み
1975年設立以来60年の歴史を持ち、1986年に横浜市にトレーニングセンターを開設するなど早期から教育機能を内製化。技術・接客教育システムの再構築を継続的に実施しており、美容師の技術力・生産性向上を支える独自の人材育成基盤を有する。
東京証券取引所スタンダード市場上場企業として一定のブランド信頼性も持つ。
2022期に営業損失1,107百万円を計上した後、店舗統廃合・本部人件費削減・DX推進による販管費圧縮を継続実施。2025期に営業利益4百万円、2026期に37百万円と2期連続の営業黒字を達成した。販管費は782百万円まで圧縮され、売上総利益820百万円との差が縮小している。
2026年3月期に新株予約権行使(収入272百万円)および第三者割当増資(収入270百万円)を実施し、純資産は前期比382百万円増の798百万円となった。自己資本比率は20.9%から36.0%へ改善し、現金及び現金同等物は507百万円を確保。
営業キャッシュフローも2019年3月期以来の黒字(72百万円)を達成した。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2022年3月期6,519百万円から2026年3月期5,075百万円へ5期連続減少(累計22.1%減)。一方、営業利益は2024年3月期△24百万円→2025年3月期4百万円→2026年3月期37百万円と改善が継続。
販管費削減(前期比56百万円減)が主因で、売上高営業利益率は0.7%まで回復。ただし2026年3月期は減損損失165百万円を含む特別損失169百万円を計上し、当期純損失は160百万円と前期62百万円から拡大。
外部環境として美容室のオーバーストア・物価高による個人消費停滞が売上減少の構造的背景として継続している。自己資本比率は36.0%へ改善し財務基盤は強化されたが、繰越利益剰余金の欠損は2,861百万円に拡大。
成長戦略
リブランディング・フリーランス事業確立・本部改革の3本柱で純利益黒字化を目指す。
設備増強・高付加価値サービス展開による直営店の営業力強化と人材育成・定着への注力。2026年3月期に6店舗の改装を実施済み。既存顧客の来店頻度向上・顧客単価引き上げを通じた増収を目指す。
フリーランス美容師を取り込む組織整備を進め、早期に主要収益源へ成長させることを目標とする。2026年3月期にano渋谷を新規出店した一方、ano心斎橋店を閉鎖。事業規模の定量的開示は限定的で収益貢献は現時点で軽微。
業務効率化とコスト削減を推進し最終利益の黒字化を目指す。2026年3月期に販管費を前期比56百万円削減し782百万円へ圧縮。2027年3月期は当期純利益10百万円の黒字転換を会社予想として掲げる。
最終更新: 2026年7月19日

