事業内容
㈱フジ・メディア・ホールディングスは、認定放送持株会社として子会社85社・関連会社50社を擁する複合メディアグループである。主力のメディア・コンテンツ事業では、フジテレビジョン(地上波・BS)、ニッポン放送(ラジオ)、ポニーキャニオン(映像・音楽)、クオラス(広告)、dinos(通信販売)、扶桑社(出版)等が放送・コンテンツ・広告・通販の各領域を担う。
都市開発・観光事業ではサンケイビル(不動産賃貸・開発)とグランビスタホテル&リゾート(ホテル運営)が安定収益を提供する。1957年のフジテレビ前身設立から約70年の歴史を持ち、東京証券取引所プライム市場に上場している。
ビジネスモデル
メディア・コンテンツ事業では地上波テレビ広告(ネットタイム・ローカルタイム・スポット)が主収益源であり、FOD課金・映画・二次利用権・音楽著作権等のコンテンツビジネス収入が補完する。都市開発・観光事業ではオフィスビル・賃貸レジデンスの賃料収入と物件売却・分譲マンション販売、ホテル稼働収入が安定キャッシュフローを生む。
両事業の収益構造が相互補完的に機能する複合型ビジネスモデルを採用している。
企業の強み
フジテレビジョン(地上波・BS4K)、ニッポン放送、ビーエスフジ、仙台放送に加え、関西テレビ・WOWOWを持分法関連会社として擁する。FNSネットワークを通じた全国放送基盤と、FOD・TVer等デジタルプラットフォームへの展開力を併せ持ち、IP育成・拡張の中核エンジンとして機能する。
サンケイビルのオフィスビル・賃貸レジデンス賃料収入は堅調に推移し、2026年3月期の都市開発・観光事業セグメント利益は25,185百万円を確保した。セグメント資産は673,812百万円に達し、グループ全体の財務安定性を支える。
神戸須磨シーワールドの通年寄与やインターゲートホテルシリーズの高稼働も実績として確認されている。
ポニーキャニオンは映像・音楽ソフト販売・アニメ・イベントを手掛け、フジパシフィックミュージックは著作権使用料・原盤使用料・マネージメント収入が2026年3月期に増収増益を達成した。映画「爆弾」等のヒット作と二次利用権販売も実績として記録されており、IP多角展開の基盤となるコンテンツ資産を保有している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2022年3月期525,087百万円から2026年3月期551,865百万円と緩やかな増収基調を維持しているが、営業利益は2024年3月期33,519百万円をピークに急速に悪化し、2026年3月期は8,766百万円の営業損失を計上した。主因はフジテレビジョンの事案による地上波広告収入の急減(放送収入が前期比32.1%減の84,053百万円)とポニーキャニオンのアニメ関連評価損である。
外部環境として旺盛なインバウンド需要が都市開発・観光事業の増収(前期比37.2%増の193,495百万円)を支えたが、メディア事業の損失を補いきれなかった。当期純利益は特別利益(投資有価証券売却益)と繰延税金資産計上により6,499百万円の黒字を確保した。
成長戦略
IP・コンテンツ一気通貫モデルへの転換と都市開発オフバランス化によるROE改善を2030年度までに実現
「Group Vision 2026-2030 Ver.1.0」に基づき、放送起点のビジネスモデルからIP創出・育成・多角展開・収益獲得を一気通貫で担う体制へ転換する。川上(IP開発・獲得)に200億円、川中(制作・ディストリビューション強化)に500億円、川下(IP多角展開)に800億円、合計1,500億円規模の成長投資を2030年度までに実行する方針。
2026年2月にサンケイビルを中核とする都市開発・観光事業への外部資本導入の検討開始を決定。オフバランスを通じた資本効率向上を図り、メディア・コンテンツ事業の成長投資余力を確保する方針。具体的な手法・時期・規模は現時点で未確定。
2026年2月に総額2,350億円の自己株式取得を実施し、自己資本比率を37.3%へ圧縮。2029年度までに累計2,500億円規模の自社株買いを目標とする。配当は2026年3月期末100円、2027・2028年3月期は各200円へ大幅拡充予定。
事案の影響で大幅減収となった地上波テレビ広告収入について、第3四半期以降の回復基調を維持・加速させる。AI/DXを活用した制作プロセスの効率化、アドレッサブルCM技術(地上放送で日本初実用化)の展開によりテレビ広告のROI向上を図る。
2026年3月期に約494億円の政策保有株式売却を実施。2027年度末までに累計1,000億円超を売却し、その後もさらなる縮減を目指す。売却資金は成長投資・株主還元に充当する方針。
最終更新: 2026年7月19日

