事業内容
株式会社クレスコは1988年設立の独立系システムインテグレーターで、親会社と連結子会社13社・持分法適用関連会社1社から構成される。事業はITサービス事業(エンタープライズ・金融・製造向けシステム開発・保守・コンサルティング)とデジタルソリューション事業(クラウド・AI・セキュリティ・RPA等のDX支援ソリューション)の2セグメントで構成される。
主要顧客は情報通信・広告・金融機関・製造業の大手企業であり、東京証券取引所プライム市場上場。2026年3月期の連結売上高は64,677百万円。
ビジネスモデル
ITサービス事業では顧客企業からシステム開発・保守を受託し、人月型の労務費・外注費を主なコスト構造として安定的な収益を確保する。デジタルソリューション事業ではクラウド・AI・セキュリティ等の製品・ライセンス販売と導入支援サービスを組み合わせ、高付加価値収益を追求する。
M&Aによるグループ拡大とニアショア・オフショア開発の活用でエンジニアリソースを補完し、受注能力を拡充する構造をとる。
企業の強み
2026年3月期のITサービス事業セグメント利益率は14.5%(利益8,040百万円)と高水準を維持。受注残高は10,830百万円を確保しており、エンタープライズ区分では情報・通信・広告分野のアプリケーション開発支援業務が拡大し、前年同期比8.9%増の24,009百万円を達成した。
創業以来蓄積した業務知見と品質管理体制が顧客との長期関係を支えている。
2010年以降、㈱アイオス・クレスコ北陸・㈱クレスコ・ジェイキューブ・ジェット・テクノロジーズ・㈱エイプス・㈱アイエステクノポートなど多数の企業を取得・統合。2026年4月には㈱オフィスメーションを子会社化し、制御系システム・自治体向けソリューション・名古屋地区対応力を追加。
M&Aを通じた技術領域と地域カバレッジの拡大が自社固有の競争優位を形成している。
2026年3月期のデジタルソリューション事業売上高は9,312百万円(前年同期比99.1%増)、セグメント利益は815百万円(同488.1%増)と急成長。UiPath社「Diamond」パートナー認定、国内初「SonarQubeゴールドリセラーパートナー」認定、コンカー社「プラチナパートナー」2年連続認定など、主要ソリューションベンダーとの最上位パートナーシップを複数保有する。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
2026年3月期は売上高64,677百万円(前期比10.1%増)、営業利益6,606百万円(同10.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益5,279百万円(同19.8%増)と6期連続の増収増益を達成した。純利益の伸びが売上・営業利益を上回ったのは、投資有価証券売却益641百万円等の特別利益計上と前期の特別損失(減損損失89百万円・損害補償損失85百万円)の消滅によるものである。
外部環境として、顧客企業における既存システム刷新需要とセキュリティ投資需要が底堅く推移し、生成AI導入支援の引き合いも堅調であった。一方、製造区分は機械・エレクトロニクス分野の開発中止・延期により前期比6.3%減収となり、地政学リスクや保護主義的通商政策の影響が一部顕在化した。
ROEは16.4%(前期15.1%)と中計目標15%を超過達成している。
成長戦略
中計2026で売上高700億円・営業利益率11.5%・ROE15%を7戦略で目指す
AI・クラウド・セキュリティ・データアナリティクス領域での受注が大幅増加し、デジタルソリューション事業売上高は前期比99.1%増の9,312百万円に急拡大。Trust Code Hub・Creage SIEM+・ASM診断等の新サービス展開と外部パートナーシップ強化が寄与。
2026年3月期中に㈱エイプス・㈱アイエステクノポートを取得し連結範囲を拡大。後発事象として2026年4月に㈱オフィスメーション(取得原価813百万円)を子会社化し、制御系システム開発・自治体向けソリューションを取り込み名古屋地区での対応力を強化。
生成AIを活用した開発効率・コスト効率の向上と、顧客との共創によるAI時代の新たな品質基準確立を推進。JAL・JALエンジニアリングとの航空機エンジン検査システム共同開発や生成AIを活用したマイグレーション高速化事例を実現。
2025年7月に分散していた開発拠点を集約し「Teq-C(テックシー)」を開設。社員の働きやすさとコミュニケーション活性化を追求し、エンジニアの採用・定着・生産性向上を図る。譲渡制限付株式報酬の活用により役員・従業員のインセンティブ設計も強化。
連結配当性向を従来の40%から50%に引き上げ、2026年3月期年間配当64円(前期42円)・配当総額2,588百万円を実施。2027年3月期予想配当70円(配当性向51.1%)と増配継続。2026年5月に100万株・上限20億円の自己株式取得を決議し、資本効率向上を図る。
最終更新: 2026年7月19日

