事業内容
東京インキ株式会社は1923年創立の印刷インキメーカーを起源とし、現在はインキ事業(印刷インキ・印刷用材料)、化成品事業(マスターバッチ・樹脂コンパウンド)、加工品事業(土木資材・農業資材・一軸延伸フィルム・ネトロン®)、不動産賃貸事業の4セグメントを展開する。国内外に連結子会社9社を持ち、タイ・中国・米国に海外拠点を構える。
主要顧客は食品包装・医薬包装・モビリティ・情報通信・農業・土木インフラ等の幅広い産業分野に及ぶ。2026年3月期の連結売上高は49,926百万円。
ビジネスモデル
顔料分散・材料配合・混練・成形加工・分析評価の5つの基盤技術を核に、印刷インキからプラスチック着色剤・樹脂加工品まで多品目を自社製造・販売する。原材料コスト上昇分の価格転嫁と、機能性・サステナブル対応製品への製品ポートフォリオシフトにより利益率を改善する構造。
海外(タイ)での現地生産・販売も収益源の一つとなっている。
企業の強み
顔料分散・材料配合・混練・成形加工・分析評価の5基盤技術を長年蓄積し、印刷インキからマスターバッチ・樹脂加工品まで幅広い製品群を自社開発。2026年3月期の研究開発費は1,148百万円(インキ372百万円、化成品586百万円、加工品130百万円)に上り、非フッ素系加工助剤「プラヘルパー®」やプラスチックシンチレータ「ルミネード®」等の独自製品を上市している。
2026年3月期末の自己資本比率は59.4%、D/Eレシオは0.19倍、ネットD/Eレシオは0.06倍と財務基盤は極めて健全。コミットメントライン設定額50億円(未実行残高41億8千万円)を確保し、成長投資・M&Aへの機動的な資金調達余力を維持している。
フリー・キャッシュ・フローは2,473百万円と過去5期で最大水準を達成した。
東京インキ(タイ)㈱は2015年に工場稼働を開始し、2026年3月期のセグメント利益率は24.0%(前期比3.2ポイント改善)と国内事業を大幅に上回る高収益を実現。モビリティ用途・機能性包材用途向け製品を主力にASEAN地域での販売を拡大しており、海外収益源として確立されている。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2022年3月期41,401百万円から2026年3月期49,926百万円へ5期連続増収。営業利益は2023年3月期に△21百万円まで落ち込んだ後、販売価格改定の浸透と高付加価値製品へのシフトにより急回復し、2026年3月期は2,217百万円と過去5期で最高水準に達した。
外部要因として原材料価格の高騰が続く中、適正な価格転嫁の実施が収益性改善の主ドライバー。一方、加工品事業のネトロン事業では競争激化により業績が急悪化し、減損損失799百万円を計上。
2027年3月期は低収益品整理と設備修繕費増加により営業利益1,800百万円(△18.8%)の減益予想となっており、構造改革の痛みを伴う移行期に入る。
成長戦略
中計「TOKYOink 2027」で事業ポートフォリオ変革と収益力向上を推進
オフセットインキは市場縮小が続く中、主力製品への資源集中と重要顧客への販売強化で利益を確保。グラビアインキは食品包装・メディカルパッケージ向け機能性製品の拡販、インクジェットインクは自社の強みを活かせる用途への注力で事業内ポートフォリオを変革し利益拡大を目指す。
低収益製品の整理と機能性包材・モビリティ用途向け高付加価値製品へのシフトを推進。生産体制再構築を目的とした新工場建設に取り組み、自動化・省力化による生産効率向上と将来の生産能力拡大に対応。ASEAN地域(タイ)での事業領域拡大も継続。
国土強靭化計画を背景に土木資材(ジオセル工法)の新規工法開発・既存工法ブラッシュアップで事業規模拡大を図る。ネトロン事業はコスト削減・採算性重視の製品選別を断行し収益性確保を急ぐ。2026年3月期に減損損失799百万円を計上済みで構造改革を加速。
配当性向40%以上またはDOE1.0%以上を配当方針として策定。2026年3月期は年間配当167円(分割調整後63円)、配当性向42.7%を実現。2027年3月期は年間配当65円(+2円増配)を予定。2026年1月に1株→5株の株式分割を実施し流動性向上も図った。
最終更新: 2026年7月19日

