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藤倉化成株式会社

4620東証スタンダード化学

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藤倉化成株式会社4620

事業内容

藤倉化成は1938年創業のアクリル樹脂派生製品を中核とする化学メーカーで、コーティング・塗料・電子材料・化成品・合成樹脂の5セグメントを展開する。主力のコーティング事業では自動車・化粧品容器向けプラスチック用コーティング材を日・米・欧・アジアのグローバルネットワークで供給。

塗料事業は国内住宅市場向け建築用塗料が主力。電子材料事業では導電性樹脂材料『ドータイト』を車載・電子機器向けに展開。

化成品事業では粘着剤・メディカル材料、合成樹脂事業ではアクリル樹脂原材料の仕入販売を手掛ける。子会社24社・関連会社3社を含むグループ全体の2026年3月期売上高は55,636百万円。

ビジネスモデル

コーティング・電子材料・化成品は自社佐野事業所・鷲宮事業所等で製造し、国内はフジケミ東京・フジケミ近畿・フジケミカル等の販売子会社網を通じて供給。海外は米国RED SPOT、英国Fujichem Sonneborn、タイ・中国・マレーシア・インドネシア等の現地法人が調色・販売を担う。

合成樹脂は藤光樹脂が仕入販売を行うトレーディング型。研究開発費2,821百万円を投じ高付加価値製品を継続開発することで収益性向上を図る構造。

企業の強み

コーティング事業において米国・英国・タイ・中国(天津・佛山・上海)・マレーシア・インドネシア・インドに現地法人を保有し、製造から調色・販売まで一貫したグローバルネットワークを構築。2026年3月期にアセアン・インド地区での販売が堅調に推移するなど、多拠点体制が実績として機能している。

電子材料セグメントの中核製品『ドータイト』は車載・電子機器・PC向けに展開し、2026年3月期の電子材料セグメント売上高は前年同期比16.5%増の4,624百万円、営業利益は前年同期比1,075.3%増の405百万円と大幅改善。ストレッチャブル導電性ペーストやミリ波吸収シールド材など独自技術の開発も継続している。

2026年3月期の研究開発費は2,821百万円で、売上高55,636百万円に対し約5.1%の投資比率を維持。コーティング1,817百万円、化成品481百万円、塗料347百万円、電子材料175百万円と全セグメントで継続投資。

粘着剤新製品の好調販売や糖尿病診断薬の海外展開など、研究開発が実際の売上貢献に結びついている。

エンヴァリスの着眼点

2026年3月期の経常利益は4,210百万円(前期比107.1%増)、親会社株主帰属純利益は3,134百万円(同513.5%増)と急拡大したが、その主因は投資有価証券売却益1,610百万円、負ののれん発生益261百万円など一時的な営業外・特別利益の計上。本業の営業利益は2,271百万円(同73.9%増)と改善したものの、売上高営業利益率は4.1%にとどまる。

一時要因を除いた実力ベースの収益力の持続性を見極める必要がある。

会社は2027年3月期の業績予想を「中東情勢の影響等により未確定要素が多い」として未定とした。石油化学製品は同社製品の主要原材料であり、供給不安や価格上昇は原価率上昇に直結する。

外部要因として中東地政学リスクの高まりが事業環境の先行き不透明感を増大させており、配当予想も未定とされた。投資家は業績予想の開示時期と内容を注視する必要がある。

2026年3月期の有形固定資産取得による支出は4,185百万円と前期(1,296百万円)の約3.2倍に急増し、建設仮勘定も前期555百万円から3,409百万円へ大幅増加。コーティングセグメントの有形固定資産・無形固定資産増加額は3,927百万円と全体の85%を占める。

この投資が中期的な生産能力・競争力強化につながるか、一方でキャッシュフローへの影響(投資CFは3,106百万円の支出)と減価償却負担の増加が今後の利益率に与える影響を注視すべきである。

成長戦略

「そだてる・のばす・ささえる」3領域戦略と佐野新工場投資でROE8%・売上63,000百万円を目指す

コーティングセグメントの競争力強化を目的とした佐野事業所への大型設備投資。2026年3月期に有形固定資産取得支出が4,185百万円に急増し、建設仮勘定が3,409百万円に積み上がっており、投資は本格化段階にある。完成後は生産効率化・コスト削減・新製品対応力の向上が期待される。

『ドータイト』を核とした導電性樹脂材料の新用途開拓。2026年3月期は車載向け・電子機器向け・PC向けが揃って堅調に推移し、セグメント営業利益は405百万円(前期比1,075.3%増)と急拡大。

研究開発費は2,821百万円(前期2,903百万円)を維持しており、技術開発への継続投資が成長基盤を支えている。

アジア新興国市場での自動車向け・化粧品容器向けコーティング材の販売拡大。PT. FUJIKURA KASEI INDONESIAを株式追加取得により当期より連結子会社化し、アジア拠点を強化。2026年3月期もアセアン・インド地区での販売は堅調に推移し、米欧低調を補完する役割を果たした。

糖尿病診断薬試薬の海外販売拡大と粘着剤(アクリベース)新製品の継続的な好調販売により、化成品セグメントの収益性を向上させる戦略。2026年3月期は売上高4,899百万円(前期比6.7%増)、営業利益388百万円(同69.5%増)と着実に成長。

中期経営計画の「のばす」領域として経営資源を集中投下している。

2026年3月期に従業員インセンティブ・プラン「株式付与ESOP信託制度」を導入。一定要件を充足する従業員にポイントを付与し当社株式を交付する制度で、中長期的な企業価値向上へのインセンティブ付与と優秀人材の確保・定着を目的とする。信託財産として130千株(帳簿価額118百万円)を保有。

最終更新: 2026年7月19日