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日本特殊塗料株式会社

4619東証スタンダード化学

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日本特殊塗料株式会社4619

事業内容

日本特殊塗料株式会社は1929年創業の東証スタンダード上場企業。建築・構築物用塗料の製造販売および工事請負を行う塗料関連事業と、自動車用防音材(制振材・吸遮音材)・防錆塗料等を製造販売する自動車製品関連事業の2本柱で構成される。

連結売上高61,889百万円(2026年3月期)のうち自動車製品関連事業が68.8%を占め、トヨタ自動車を筆頭顧客に国内外の自動車メーカーへ供給する。グローバルでは日本・中国・米国・タイ・インドネシア・インド等に生産・販売拠点を持ち、子会社11社・関連会社10社で構成されるグループを形成している。

ビジネスモデル

塗料関連事業では自社製品の製造販売に加え工事請負で収益を得る。自動車製品関連事業では、Autoneum Management AG(スイス)・EFTEC AG(スイス)等との技術提携を基盤に高機能防音材・防錆塗料を製造し、国内外の自動車メーカーへ供給する。

同時に海外関連会社(UGN・SNC等)へ製造・販売権を供与しロイヤリティ・開発費対価を受領する。持分法適用関連会社からの投資利益も重要な収益源であり、2026年3月期の持分法投資利益は2,415百万円に達する。

企業の強み

Autoneum Holding AG(スイス)との技術提携を1967年から継続し、米国UGN・タイSNC・中国日特固・インドAutoneum Nittoku等12社超に製造・販売権を供与。ロイヤリティ・開発費対価を継続受領しつつ、持分法投資利益2,415百万円(2026年3月期、前期比43.3%増)を計上する多層的な収益構造を確立している。

2026年3月期末の自己資本比率は70.5%(前期比3.1ポイント増)、有利子負債(借入金・リース債務含む)は3,146百万円にとどまる。現金及び現金同等物残高は12,586百万円を確保し、設備投資2,567百万円の大半を内部留保で賄う財務健全性を維持している。

航空機用塗料で培った高度な技術力を基盤に、バイオマスマーク取得の水性硬質ウレタン塗り床材や超速硬化ウレア・ウレタンゴム系防水材等の高付加価値製品を継続投入。2025年10月には大手建材メーカー向け工業用塗料が新規採用され、航空機塗料でも新たなスペック認証が進行中。

研究開発費は1,912百万円(売上高比3.1%)を投じている。

エンヴァリスの着眼点

2026年3月期は売上高が前期比6.3%減と5期ぶりの減収に転じたにもかかわらず、親会社株主帰属純利益は前期比6.1%増の5,244百万円を達成した。固定資産売却益536百万円・投資有価証券売却益382百万円など特別利益922百万円が寄与しており、経常利益以下の利益増は一過性要因を含む。

2027年3月期予想では売上高66,400百万円(前期比7.3%増)・純利益5,300百万円(同1.1%増)と増収増益を見込むが、特別利益の再現性と塗料関連事業の回復ペースが純利益の質を左右する。

塗料関連事業の2026年3月期売上高は19,311百万円(前期比18.6%減)、セグメント利益は566百万円(同40.6%減)と大幅に落ち込んだ。集合住宅大規模改修工事における大型物件の反動減が主因とされるが、2027年3月期予想では売上高20,400百万円(前期比5.6%増)・セグメント利益350百万円(同38.2%減)と増収ながら利益はさらに低下する見通し。

外部環境として建設コスト高騰・労働力不足が続く中、工事請負事業の採算回復には時間を要する可能性がある。

自動車製品関連事業は北米・日本の底堅い需要に支えられ2026年3月期売上高42,561百万円(前期比0.6%増)を維持したが、中国をはじめとするアジア地域の自動車販売不振の影響が一部に顕在化している。外部要因として米国の関税政策・中東情勢・為替変動が原材料コストとサプライチェーンに影響を与えるリスクが高まっており、2027年3月期予想の売上高46,000百万円(前期比8.1%増)達成には中国市場の回復が前提条件となる。

持分法投資利益の急拡大(前期比42.4%増)が続くかどうかも注視が必要。

成長戦略

「変革と挑戦」をテーマに製品最適化・生産性改善・技術革新を推進

収益性の低い製品の見直しと高付加価値製品へのシフトを推進。2026年3月期に売上高が減少する中でも売上総利益率が21.9%から23.6%へ改善しており、ポートフォリオ最適化の効果が粗利段階に表れている。

生産体制の効率化・合理化に向けた投資を継続。自動車製品関連事業では有形固定資産及び無形固定資産の増加額が2,253百万円(前期909百万円から大幅増)と設備投資を加速。減価償却費は2,781百万円と前期比微減で推移しており、投資効率の改善が課題。

環境対応型塗料・省エネ塗料を中心とした新製品開発と研究開発投資を継続。自動車製品関連事業では研究開発費・生産体制効率化投資がセグメント利益を圧迫しているが、中長期的な競争力強化を目的とした先行投資と位置付けられる。

2026年3月期の年間配当金は1株当たり125円(前期90円から38.9%増額)、配当性向51.6%。期末配当は前回予想60円から75円へ15円増額。2027年3月期は年間130円を予定。自己株式取得も実施し(2026年3月期取得支出1,451百万円)、総還元性向を高める方針。

インドのAutoneum Nittoku Sound Proof Products India Pvt. Ltd.を持分法適用に追加し、グローバル事業基盤を強化。持分法投資利益は2,443百万円(前期比42.4%増)と急拡大しており、海外関連会社の収益貢献が顕在化している。

持分法適用会社への投資額は14,040百万円に達する。

最終更新: 2026年7月19日