国内塗料事業
国内塗料の製造・販売を担うDNTグループの中核セグメント
| 期間 | 今期 | 前期 | 増減率 |
|---|---|---|---|
| 売上高(外部顧客) | 20,286百万円 | 17,287百万円 | ↑ |
| 営業利益 | 1,334百万円 | 149百万円 | ↑ |
| 売上高(前年同期比) | 17.3%増 | - | ↑ |
| 営業利益(前年同期比) | 794.8%増 | - | ↑ |
事業詳細
大日本塗料および神東塗料グループが国内で塗料の製造・販売を行う中核事業。一般用(建築・土木向け)、工業用(自動車部品・金属建材等)、インク・分散技術関連の3分野で構成。製造子会社(千葉化工・日東三和塗料・岡山化工等)への委託生産と、地域別販売子会社(大日本塗料北海道・DNT山陽ケミカル等)による販売網を持つ。当第1四半期はJISマーク表示問題からの販売回復に加え、中東情勢を背景とした在庫確保の動きにより構造物用塗料需要が大幅に増加した。
直近の概況
販売回復と需要増加により売上・利益ともに大幅増加
2027年3月期第1四半期は、JISマーク表示問題からの販売回復に加え、中東情勢に起因した在庫確保の動きから構造物用塗料を中心に需要が大幅増加し、売上高は前年同期比17.3%増の20,286百万円となった。工業用分野は供給責任を最優先とし需要は堅調、神東塗料グループも粉体塗料・インフラ向け需要増で好調。一方インク・分散技術分野は主要顧客の在庫調整により需要減少。利益面では販売数量増加に加え生産効率改善による収益性向上が寄与し、営業利益は前年同期比794.8%増の1,334百万円と大幅に増加した。
主要プロダクト
成長ドライバー
- JISマーク表示一時停止処分の解除・再発防止策進捗による一般用分野の販売回復の本格化
- 中東情勢に起因する調達環境混乱を背景とした構造物用塗料の在庫確保需要の取り込み
- 神東塗料グループの粉体塗料・インフラ向け需要拡大によるセグメント売上の押し上げ
- 生産効率改善による収益性向上(販売数量増加に伴う規模の効果)
- 工業用分野における供給責任の遂行を通じた顧客との関係強化と安定需要の確保
リスク
- JISマーク表示問題に起因する顧客信頼回復の途上リスク(回復ペースの不確実性)
- インク・分散技術分野における主要顧客の在庫調整継続による需要低迷
- 中東情勢による原油・ナフサ由来原材料の供給制約・価格高騰が調達コストを圧迫するリスク
- 建築・土木分野の人手不足および住宅着工件数の長期的低迷という構造的課題
- 原材料・エネルギー・物流コストの高止まりによる収益性圧迫
- 在庫確保の動きが一時的需要であった場合の反動減リスク
照明機器事業
DNライティングが展開する業務用照明機器の製造・販売セグメント
| 期間 | 今期 | 前期 | 増減率 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 2,310百万円 | 2,274百万円 | ↑ |
| 営業利益 | 331百万円 | 344百万円 | ↓ |
| 営業利益率 | 14.3% | 15.1% | ↓ |
事業詳細
子会社のDNライティング株式会社が各種照明機器の製造・販売および店舗工事等を行うセグメント。秋田DNライティング株式会社へ一部部品・製品の製造を委託。業務用LED照明、UVランプ、蛍光ランプの3分野で構成され、商業施設・宿泊施設向けを主要顧客とする。都市部再開発案件を背景に業務用LED照明が牽引役となっており、新本社内の技術センターを活用した製品ラインナップ強化および工場の増改築にも着手している。
直近の概況
売上は前年同期比1.6%増も、費用増で営業利益は3.6%減
LED照明分野は商業施設・高級ブランド店舗向けや再開発案件等の需要継続、UVランプ分野は殺菌用途向けの在庫調整一巡により売上増加。一方、蛍光ランプ分野は市場縮小により需要減少。各分野で販売価格改定を実施したことでセグメント全体の売上高は前年同期を上回った。営業利益は価格改定等による収益性改善が進んだものの、販売促進活動に伴う広告宣伝費や人件費の増加により前年同期を下回った。
主要プロダクト
成長ドライバー
- 都市部再開発案件を背景とした商業施設・高級ブランド店舗向けLED照明の堅調な需要継続
- UVランプ分野における主要顧客の在庫調整一巡による需要回復
- 各分野における販売価格改定による収益性改善
- 新本社内技術センターを活用した製品ラインナップ強化およびカスタマイズ力の向上
- インバウンド消費の増加による宿泊施設・商業施設の設備投資需要
リスク
- 販売促進活動に伴う広告宣伝費や人件費の増加による利益圧迫
- 蛍光ランプ分野の市場縮小による継続的な売上減少
- 再開発案件の一巡や景気後退によるLED照明需要の変動リスク
- UVランプ分野における特定顧客の在庫調整動向による需要変動リスク
蛍光色材事業
シンロイヒが蛍光顔料・蛍光塗料を手掛けるニッチ特化セグメント
| 期間 | 今期 | 前期 | 増減率 |
|---|---|---|---|
| 売上高(外部顧客) | 278百万円 | 279百万円 | — |
| 営業利益 | 29百万円 | 12百万円 | ↑ |
| 営業利益率 | 10.4% | 4.3% | ↑ |
事業詳細
子会社シンロイヒ株式会社が蛍光顔料および蛍光塗料の製造・販売を行う。蛍光顔料はEU地域等の海外向け需要に支えられる一方、蛍光塗料はヘリサインや大型重機物件向け需要が増加している。グループ全体売上高に占める比率は小さいながらも、原価率改善と経費圧縮により収益性向上が継続している。
直近の概況
売上微減も原価率改善・経費圧縮で営業利益は倍増
2027年3月期第1四半期の売上高は278百万円(前年同期比0.6%減)となった。蛍光顔料はEU地域等の海外向け需要減少により減収となったが、蛍光塗料はヘリサインや大型重機物件等の増加により増収となり、全体としてはわずかな減収にとどまった。営業利益は29百万円(同130.0%増)となり、原価率の改善および経費圧縮の取り組みが収益性向上に寄与した。
主要プロダクト
成長ドライバー
- 蛍光塗料におけるヘリサインや大型重機物件等の需要増加
- 原価率改善および経費圧縮によるコスト構造の最適化
- 高付加価値製品の販売伸長による製品ミックス改善
リスク
- 蛍光顔料における海外(EU地域等)向け需要の減少リスク
- セグメント規模が小さく(売上高278百万円)、グループ内での経営資源配分が限定的
- 海外向け顔料需要は為替変動・地政学リスク(EU規制動向等)の影響を受けやすい
- 特定用途(ヘリサイン、大型重機物件等)への依存による需要変動リスク
海外塗料事業
アジア・北中米を主軸とする海外塗料製造販売セグメント
| 期間 | 今期 | 前期 | 増減率 |
|---|---|---|---|
| 売上高(外部顧客) | 2,155百万円 | 2,034百万円 | ↑ |
| 営業利益 | 75百万円 | 112百万円 | ↓ |
| 営業利益率 | 3.5% | 5.5% | ↓ |
事業詳細
主にアジア(タイ・マレーシア・インドネシア・中国)および北中米(メキシコ)において塗料の製造・販売を行う。日系自動車メーカー向け工業用塗料を主力とし、建材用塗料も展開。タイ・マレーシア・インドネシア・中国・メキシコに製造・販売子会社を有する。2027年3月期第1四半期は、東南アジアで輸出販売が増加し、中国では事業撤退に伴う体制移行を見据えた需要を取り込んだ一方、メキシコは主要顧客の減産影響で売上が減少した。
直近の概況
売上高は増収も、メキシコ減産影響で営業利益は前年同期比33.0%減
2027年3月期第1四半期の売上高は2,155百万円(前年同期比5.9%増)、営業利益は75百万円(同33.0%減)。東南アジアは域内自動車部品需要が低調だったが輸出販売増加で増収、メキシコは主要顧客の減産影響で減収、中国は事業撤退に伴う体制移行需要の取り込みで増収となった。営業利益はメキシコの販売減少とそれに伴う収益性低下が響き、前年同期を下回った。
主要プロダクト
成長ドライバー
- 東南アジアにおける輸出販売の拡大
- 中国における事業撤退移行期の需要取り込み
- 2026中期経営計画における外部リソース獲得・M&A・業務提携を通じた海外塗料事業基盤の拡大方針
- 神東塗料グループの海外事業リソースを活用した将来的な事業成長に向けたリソース再配分
リスク
- 日系自動車メーカーの生産調整・生産低迷による需要減少(東南アジア・メキシコ)
- 米国通商政策(保護主義的政策)の動向による為替・需要・サプライチェーンへの影響
- 中東情勢の緊迫化に伴う原油・ナフサ由来原材料の供給制約・価格高騰による調達環境の変化
- 中国市場における事業撤退に伴う取引先対応・体制移行リスク
- 米国をはじめとする各国の通商・金融政策をめぐる不確実性の高まり
その他事業
塗装工事・物流の2事業で構成するグループ支援セグメント
| 期間 | 今期 | 前期 | 増減率 |
|---|---|---|---|
| 売上高(外部顧客向け) | 377百万円(2027年3月期第1四半期) | 425百万円(2026年3月期第1四半期) | ↓ |
| セグメント利益 | 3百万円(2027年3月期第1四半期) | 18百万円(2026年3月期第1四半期) | ↓ |
事業詳細
その他事業は、子会社の日塗エンジニアリング株式会社が行う塗装工事事業と、ニットサービス株式会社がグループ製品等の物流業務を担う物流事業の2事業で構成される。報告セグメントには含まれない補完的な事業セグメントであり、グループ全体の売上高に占める比率は小さい。物流事業では取扱量の増加や取引価格の是正が進む一方、塗装工事事業は工事受注の減少に直面している。関連会社の友美工業株式会社は建材の製造・販売を行っている。
直近の概況
物流は取扱増・単価是正も運送原価高騰、塗装工事は受注減で減益
2027年3月期第1四半期の売上高は377百万円(前年同期比11.3%減)、営業利益は3百万円(同80.3%減)となった。物流事業は取扱量の増加や取引価格の是正により売上高は前年同期を上回ったが、運送原価の高騰により収益性は圧迫された。塗装工事事業は工事受注の減少により売上高が前年同期を下回り、セグメント全体の営業利益は大幅に減少した。
主要プロダクト
成長ドライバー
- 塗装工事事業における収益率の高い物件受注の継続的な増加
- 物流事業における取扱価格の是正・取扱量増加によるトップライン改善
- グループ全体の塗料販売回復に伴う物流取扱量の増加
リスク
- 物流業界でのエネルギー・人件費等コストの高止まり(運送原価の高騰)による収益圧迫
- 塗装工事事業の受注変動リスク(当期は受注減少により減収)
- グループ全体の塗料販売量低迷に伴う物流取扱量への波及リスク
- 拠点集約等の構造改革に伴う一過性費用の発生
最終更新: 2026年8月7日

