事業内容
大日本塗料株式会社は1929年創業の東証プライム上場企業で、当社・子会社29社・関連会社5社で構成されるグループを率いる。国内塗料事業(売上高71,870百万円)を中核に、業務用LED照明を手掛けるDNライティング(照明機器事業、売上高10,424百万円)、蛍光顔料・特殊コーティング材のシンロイヒ(蛍光色材事業、売上高1,088百万円)、タイ・マレーシア・インドネシア・メキシコ等に展開する海外塗料事業(売上高8,590百万円)の4セグメントを擁する。
主要顧客は建築・土木・自動車・建材・商業施設等の幅広い産業分野に及ぶ。2025年3月の神東塗料グループ連結化・2025年12月のボンフロン株式会社取得により、グループ規模は大幅に拡大した。
ビジネスモデル
国内塗料事業では自社工場での製造に加え、グループ子会社への製造委託・調色加工を組み合わせた分業体制を構築し、地域・顧客特性に応じた販売子会社網を通じて収益を得る。照明機器事業はDNライティングが業務用LED照明を製造・販売し、18.5%の高営業利益率を実現。
海外では技術供与契約(マレーシア・台湾・インドネシア・インド等)によるロイヤリティ収入も補完的収益源となっている。研究開発費は年間2,192百万円を投じ、防食・建築・車輌・インクジェット等の高付加価値製品開発で競争力を維持する。
企業の強み
DNライティングが展開する照明機器事業は、2026年3月期に売上高10,424百万円・営業利益1,928百万円・営業利益率18.5%を達成。2024年10月竣工の伊勢原新本社内技術センターを活用した製品開発力と、商業施設・宿泊施設向けLED照明における価格戦略の着実な進展が高収益を支えている。
2020年に那須工場内に防食技術センター、小牧工場内にコーティング技術センターを開所。防食技術センターは延べ1,050社超、コーティング技術センターは延べ850社超の企業・研究機関が活用。
コーティング技術センターでの販売実績に繋がったテーマ数は2021年度11件から2025年度41件へと拡大し、顧客との共同開発を通じた受注獲得力を実証している。
2025年3月に神東塗料株式会社(持分50.10%取得)を連結子会社化し、国内塗料事業の売上高を前期比41.1%増の71,870百万円に拡大。2025年12月にはフッ素樹脂塗料技術を持つボンフロン株式会社を完全子会社化。
国内外の販売網・製造拠点・技術基盤を短期間で拡充した実績は、グループ統合力の高さを示している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
売上高は2022年3月期66,948百万円から2026年3月期93,759百万円へ拡大したが、2026年3月期の増収(+21,248百万円)の大部分は神東塗料グループの連結化による。一方、営業利益は2024年3月期の4,901百万円をピークに2025年3月期4,716百万円、2026年3月期3,854百万円と2期連続で減少。
販売の伸び悩み・人件費増加・神東塗料連結化の利益寄与限定が重なった。当期純利益は前期の負ののれん発生益(5,205百万円)剥落と関係会社整理損計上により1,688百万円に急減。
2027年3月期は売上高96,000百万円・営業利益5,500百万円・純利益3,400百万円を予想しており、中国事業の構造改革完了と価格是正の進展が回復の鍵となる。外部要因として、円安・エネルギー価格高騰・原材料供給制約が引き続きコスト上昇圧力として作用している。
成長戦略
ビジョン2029実現へ「2026中期経営計画」3本柱で事業基盤と収益性を深化
各事業の有機成長推進と新たな成長ドライバー育成に向けたリソース配分の最適化・戦略投資を実行。顧客ニーズに沿ったサステナビリティ貢献製品・海外製品等の開発力強化を推進。照明機器事業では技術センター活用と工場増改築による供給体制強化が進行中。
M&Aや業務提携等のアライアンス活動を通じた塗料事業の基盤拡大および抜本的効率化を推進。神東塗料グループ連結化(2025年3月期)・ボンフロン株式会社連結化(2026年3月期)を実行済み。中国製造子会社の連結除外(2027年3月期中間期予定)により中国事業の営業赤字解消を見込む。
採用・育成強化および人材・組織の最適化、職場環境の整備を推進。製品開発力と総合提案力を最大化する組織・グループ間協働の強化、適時かつ適切な設備更新およびDX活用による生産性向上を図る。品質管理を中心としたガバナンス体制の徹底・強化を最優先課題として全社一丸で取り組む。
最終更新: 2026年7月19日

