事業内容
株式会社ステムリムは、大阪大学との共同研究から生まれた「再生誘導医薬®」の研究開発を主事業とする創薬ベンチャーである。生きた細胞を用いず、化合物(ペプチド)の投与によって患者自身の骨髄間葉系幹細胞を損傷組織へ動員・集積させ、組織再生を促進するという独自の作用メカニズムを有する。
主力品レダセムチドは表皮水疱症・急性期脳梗塞・虚血性心筋症等で臨床試験が進行中であり、塩野義製薬へのライセンスアウトを完了済み。第二世代候補物質TRIM3・TRIM4の非臨床開発も並行して推進している。
東京証券取引所グロース市場上場。
ビジネスモデル
自社および大阪大学との共同研究で候補物質を同定・特許化し、非臨床試験・早期臨床試験まで自社主導で開発を進めた後、国内外の製薬企業にライセンスアウトする。収益形態は(a)契約一時金、(b)開発進捗に応じたマイルストーン収入、(c)製品上市後のロイヤリティ収入、(d)共同研究収入の4種類。
現時点では収益化前の研究開発フェーズにあり、手元資金(内部資金)を主財源として事業費用を賄っている。
企業の強み
HMGB1ペプチドを起点とする「再生誘導医薬®」は、間葉系幹細胞の多分化能を活用することで、脳梗塞・表皮水疱症・心筋症・変形性膝関節症・慢性肝疾患など多疾患領域への適応が期待できる共通プラットフォームを形成している。大阪大学との共同研究で多数の特許を取得済み。
2014年11月に塩野義製薬との間でレダセムチドの全世界独占ライセンス契約を締結。2020年6月には変形性膝関節症・慢性肝疾患・心筋症への適応拡大に向けた新たな契約も締結しており、大手製薬企業の開発・販売リソースを活用できる体制が整っている。
レダセムチドは2023年5月に厚生労働省より栄養障害型表皮水疱症を対象とした希少疾病用医薬品に指定され、優先審査等の支援措置が適用可能となった。また2025年7月期末時点で現金及び預金6,994百万円を保有し、2028年までの研究開発資金を確保済みと説明している。
エンヴァリスの着眼点
業績トレンド
2026年7月期第3四半期累計(2025年8月~2026年4月)の事業収益はゼロ(前年同期もゼロ)。営業損失は1,484百万円と前年同期1,512百万円から約28百万円改善。
販売費及び一般管理費が434百万円から365百万円へ削減されたことが主因。研究開発費は1,120百万円と前年同期1,077百万円からやや増加。
営業外収益は受取利息30百万円・補助金収入12百万円等で46百万円と前年同期0.7百万円から大幅増加し、経常損失は1,438百万円に圧縮。現金及び預金は前期末6,995百万円から5,706百万円へ1,289百万円減少。
過去5期の年間損失は2,022~1,929百万円で推移しており、費用管理の改善傾向は見られるが収益化には至っていない。
成長戦略
レダセムチド承認申請・上市と第二世代パイプライン導出による多段階的価値実現
追加第Ⅱ相試験は2025年7月に患者組み入れ完了。2026年9月までに治験結果速報入手、2026年10月~2027年3月に国内製造販売承認申請、2027年4月~2028年3月に上市予定(塩野義製薬開示)。承認申請実現によりマイルストーン収入計上が見込まれる。
2025年12月に患者組み入れ完了。2026年9月までに治験結果速報入手予定。上市は2028年4月~2031年3月を見込む(塩野義製薬開示)。グローバル試験成功により大型マイルストーン収入の可能性。
2026年4月に患者組み入れが完了し、引き続き治験が進行中。大阪大学主導の国内試験として進捗しており、良好な結果が得られれば次フェーズへの移行とマイルストーン収入が期待される。
第二世代再生誘導医薬候補TRIM3・TRIM4について、各疾患モデル動物での実験データを蓄積しつつ国内外複数企業とのパートナリング活動を推進。新規ライセンス契約締結による一時金収入が発生する可能性がある。
表皮水疱症根治治療を目的とした幹細胞遺伝子治療SR-GT1について、令和6年度AMEDの産業化促進事業に採択。令和6年度~令和8年度(~2027年3月)の3年間で最大179百万円の助成金受領の可能性があり、研究開発費負担を軽減しつつ医師主導治験への移行を目指す。
最終更新: 2026年7月17日

